【ライヴレポート】<TOKYO METROPOLITAN ROCK FESTIVAL 2013>豪華ラインナップが新木場に集結

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■ライヴレポ 2日目 5月26日(日)


▲サンボマスター

▲UNISON SQUAREGARDEN

▲FLOWER FLOWER

▲Perfume

▲WHITE ASH

▲PUFFY

▲SEKAI NO OWARI

▲くるり
前日に負けないぐらいの晴天になった2日目の“WINDMILL FIELD”のトップは、サンボマスターだ。リラックスして見ている人たちを「俺はロックンロールをやりに来たんだ。METROCK一発目で宇宙一のライヴやりに来たんだ! 踊りに来たんだろ!?」と煽り、「青春狂想曲」から汗が飛び散ってきそうなロックンロールをかき鳴らす。「みなさん、次の曲で、初めてやっちゃっていいですか?」と「ミラクルをキミとおこしたいんです」をライヴ初披露。代表作「世界はそれを愛と呼ぶんだぜ」では、みんなの声も風車の下に鳴り響き、みごと、超ストレート級のロックンロール技をキメてみせた。

「後ろまで見えてるよ。みなさんも、どうか自由に楽しんでください」と斎藤(Vo&G)が呼びかけたUNISON SQUAREGARDENは、風が吹いてきたメインステージによく似合う清涼感のあるロックを響かせた。ハイトーンボーカルとほどよい甘さが魅力のメロディにタイトなビートが絡んでいく心地よさ。ラストナンバーは、シングル「リニアブルーを聴きながら」。ノラせるのみならず、楽曲を丁寧に届けていた。

“SEA SIDE PARK”には、ステージに向かう人たちで、ちょっとした渋滞が起こるほど。yuiがリスペクトするミュージシャンたちと2013年に新たに結成したFLOWER FLOWERのライヴを目撃するためだ。アコギやエレキを弾き、ときにマイクのみで歌われたのは音源未発表のニューソングばかり。吹いてくる海風や揺れる緑に溶けていきそうなサウンドとyuiの歌に誰もが耳を傾け、酔いしれていた。

そして、超満員、大歓声の中、メインステージに姿をあらわしたのは、蛍光イエローとショッキングピンクの衣装がヴィヴィッドなPerfumeだ。ヒットメーカー、中田ヤスタカの手による迫力のトラック、見る人を釘づけにする3人のシャープなダンスアクトは中毒性が高い。「今日、私たちがホントに見てほしいのは、この衣装の発色の良さ!」と、のっちが笑わせると、あーちゃんが「紅白で着るつもりだったんだけど」と裏エピソードを明かす。「ワンルーム・ディスコ」、「エレクトロ・ワールド」、「チョコレイト・ディスコ」など強力曲を次々に披露。最新シングル「Magic of Love」ももちろん盛りこまれ、集まった人たちを沸きに沸かせた。

シンプルでカッコいいロックを身上とする期待のニューカマー、WHITE ASHは、“SEA SIDE PARK”で、いい意味で荒々しい音を鳴らし、集まった人たちの身体を揺らせた。フロントマン、のび太(Vo&G)は、「耳と鼻と口と目…METROCKにようこそ」と挨拶。その佇まいは実に自然体。メジャーデビューシングル「Velocity」をふくむセットリスト。夕暮れどきに気持ちのいい曲を……とフォーキーなナンバーを演奏したり、風や景色も味方にしていた。

メインステージには、5月13日で結成17周年を迎えたPUFFYが登場。衣装もキュートだけど、超個性的なヘアスタイルもふくめ頭のてっぺんから足の先までPUFFY。「愛のしるし」「渚にまつわるエトセトラ」など、懐かしの大ヒット曲に歓声が上がり、「1年ぶりのステージです。ようやく再始動しましたので、よろしくお願いします」と笑顔。再始動第一弾シングル「脱ディストピア」を中盤にはさみ、ラストは大合唱の「アジアの純真」。2人の絶妙トークも最高だった。

夜の帳が落ちる頃、幻想的なステージを見せてくれたのは、SEKAI NO OWARI。いきなり、大ヒットナンバー「スターライトパレード」で始まり、「ファンタジー」「illusion」という曲名そのものが彼らの世界を物語るかのような演奏、演出、パフォーマンスで、見る者を磁石のようにひき寄せる。夢の中に迷いこんでしまった錯覚に陥るファンタジックな照明もシャボン玉が飛ぶ演出も、スクリーンに映る映像もすべてがSEKAI NO OWARIからのメッセージであり、贈りもの。新曲「RPG」ではキッズの鼓笛隊やメンバーそっくりのダンサーがステージに登場。ひとつの演目を見た気分にさせられた。

そして、最終日のトリをつとめたのは、くるりだ。吉田省念の脱退が発表されたばかりの彼らだが、岸田(Vo&G)、佐藤(B)、ファンファン(Tp& Key)の3人にサポートメンバーを加えた5人編成で、見せてくれたステージは素晴らしいのひとこと。「ワンダーフォーゲル」に始まり、「ばらの花」や「ロックンロール」などセットリストも強力だったが、何よりも、その細やか且つダイナミックで温かい演奏に胸を打たれる。音楽へのハンパない愛情が歌や音の随所に散りばめられている。「みんな、昼から遊んでるんですか? いっぱい食べた? いっぱい飲んだ?」と語りかける岸田は、ライトアップされた東京ゲートブリッジを見て「アーバンですね」と感慨深げ。巨大な会場の距離もライヴハウスのごとく縮めてしまうステージを繰り広げ、アンコールは「お祭りわっしょい」の大合唱。至福のフェスをみごとに締めくくった。

このほかにも、浅井健一、BABYMETAL、電気グルーヴなどなどが出演したが、全部を網羅しきれないのをお許し願いたい。出演アーティストが盛りだくさんなうえ、3つのステージに分かれていたということで、すべてのライヴを紹介することはできないが、このレポで少しでも<Tokyo Metropolitan Rock Festival 2013>の熱狂が伝われば幸いだ。

取材・文●山本弘子
写真●(C)Metrock 2013

◆<Tokyo Metropolitan Rock Festival 2013>オフィシャルサイト
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