【インタビュー】THE MACKSHOW、“ロックンロール”という「五・七・五」で言い切る美学

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革ジャン・リーゼントでシンプルなロックンロール・バンド、と聞くと「ああ、よくあるオールディーズのバンドね、ハイハイ。」なんて思ったりしないだろうか? でも、じゃあ実際そんなバンドどこにいるのか? ほとんど見かけないではないか、この“THE MACKSHOW(マックショウ)”以外には。

ボーカルのコージーマック曰く、「想像上の、まるで龍のような」存在だったという、“ハーレーに乗って、リーゼントしてサングラスしてるロックン・ローラー”を10年目にしてようやく体現できた、というアルバム『狂騒天国』のリリースを記念して、今回、彼らのバンド結成の経緯から現在に至るまでの軌跡を追ったインタビューをお届けする。“あえてロックン・ロールだけしかやらない”凄味とユーモアをこのインタビュー、そしてアルバム、ライヴから感じ取ってもらえるはず。“カッコイイ”って、こういうことじゃない!?

  ◆  ◆  ◆

── まずは、バンド結成の経緯から聞かせて頂けますか?

コージーマック(以下・コージー、Vo.Gt) : 僕とトミーはTHE COLTSというバンドをやってまして、当時バイクボーイはローディーだったんですけど。呼ばれたらすぐライヴに行けるようにっていうことで、少人数編成にして僕らの好きなロックンロールをやったんです。そしたら、そっちの方が遥かにウケたんですよ(笑)。

一同 : ははははは!

コージー : 僕とトミーは地元・広島の幼馴染で、中学生くらいから一緒にバンドをやってるんですけど、最初はキャロルだとか、初期のビートルズが好きで、コピーしてたんです。その後一緒に東京に出てきて、いろんな音楽を10年くらいやって、“だいたいの事はやったな”と思いまして。そんな時期に、友達から誘われたりして、基本的なロックンロールをやって。「あ、やっぱりロックの基本的なものが楽しいし、自分達は得意なんだな」っていう気持ちになって。で、バイクボーイは生まれも育ちも僕たちとは違うんだけど、たまたまそういう音楽が好きな奴で、才能もあったんで、「MACKSHOWというバンドを組むから、またローディーから始めてみる?」って(笑)。

── またローディーからなんですか(笑)!?

バイクボーイ(以下・バイク、Dr) : いや本当、初期の頃は自分で搬入・セッティングして、まずローディーの仕事してから、ドラムのサウンド・チェックをして。で、終わったら撤収してっていう。ローディー兼ドラマーでした(笑)。

── 大変ですね!

コージー : (他人事のように)大変だったでしょうね。

一同 : (笑)。

── 本格的にTHE MACKSHOWとして活動し出したのはどんな流れだったんでしょうか?

コージー : 最初はCDを一枚作ろう、ということになって。これだけやってて気分も良いしお客さんも聴きたいっていうし。マニアックなお客さんが(笑)。作ってみたら結構売れたんで需要はあるんだな、と。その時にバンド名を付けて。

── バンド名の由来は?

コージー : これはですね、初期のビートルズがハンブルグでやってた時に言われてた、ドイツ語の「Mach Shau!」、「もっとやれ!」という言葉をいいな、と思って英語にして付けたんですけどね。それで、ラモーンズも好きなんで、それを真似て“コージーマック”、“トミーマック”という呼び名にして。

── バイクボーイさんだけ違うのはなぜですか?

バイク : “マック”の称号を手に入れる為に、日々頑張っているというのが、僕のストーリーなんですよ。まあすでに、10年頑張ったんですけど(笑)。

コージー : 年齢が僕らと4つ違うのかな?それに追いついたらマックを付けてやるって言ってるんですけど(笑)。

バイク : どうすれば良いのかわからないんですけど(笑)。

コージー : 俺らが死ぬしかないからね(笑)。

── 昔のストーンズのロン・ウッドみたいな立場ですね。「あれ、正式メンバーじゃなかったんだ?」みたいな(笑)。

コージー : そうそう。驚くよね、あれ(笑)。

バイク : 結成当初、「マックを名乗るのは10年早い!」って言われてたんですよ。でももう10年経って……。

コージー : ああ、そうだね。

バイク : いまさら逆にマックを名乗るのは恥ずかしいような……(笑)。昔は本名の小泉って呼ぶお客さんもいて、バイクボーイって言われても自分のことじゃないような気がしてたんですけど、今はバイクボーイの方がしっくりきますね。
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