【インタビュー】THE MACKSHOW、「線抜けたら差しゃあいいじゃん、みたいな。それがライヴだろう」

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約1年ぶりのオリジナル・フルアルバム『トゥイスティンカーニバル』を昭和九十年十一月十八日(2015年11月18日)に発売した3ピース・バンドTHE MACKSHOW。相変わらずのグッド・オールド・ロックンロールなイカしたオリジナル・ナンバーはもちろん、THE MODSのカバーも収録。日本のロックを創り出したミュージシャンたちからの影響と敬愛ぶりが伝わってくると共に、これまでにないメッセージ色の強い曲も含まれたアルバムとなっている。そこには、この1年間で2枚のソロ・アルバムを発売、ソロ・ツアーも開催したコージー・マック(Vo.Gt)のミュージシャンとしての充実ぶりと、初のアメリカ・ツアーから得たものが反映されているようだ。12月26日(土)におこなわれる代官山UNITでのワンマン・ライヴを目前に控えたコージーに話を訊いた。

  ◆  ◆  ◆

── 2015年は3月にソロでカバー・アルバム『THE ROOTS 2』、5月には8年ぶりのオリジナル・ソロ・アルバム『MIDNITE MELODIES』を発売した他、ソロツアー、弾き語りソロツアー、そしてマックショウのツアー、その間には今回DVDにも収録されているアメリカでのライヴ開催と、本当に精力的な活動をされている中でのマックショウの新作となりました。

コージーマック(以下・コージー、Vo.Gt):9月か10月くらいには出すつもりがちょっと遅くなっちゃったんだけど。まあじっくり作りました。作らなきゃいけないと思うと追われちゃうんで、そこまでの感覚ではないんですけどね。ただ待ってくれている人もいるし、自分たちも出したいし。けっこう人が好いと思うんですけど、手ぶらでツアーに行くのが嫌なんですよ(笑)。

── 新作を出したからツアーでそれを聴かせに行く、という。

コージー:そうそう。なんかこう、「お土産を持って来たよ」みたいな。まあ新しいものを作って持って行けば、「どうだまた一緒だろう!? まだできるんだぜ」みたいなね(笑)。僕らも行く理由になるし、お客さんが来てくれる理由になるし。

── LAでレコーディング(以下・REC)された前作と違い今回は自社スタジオ「ROCKSVILLE STUDIO ONE」でRECされたそうですが、アメリカにはもともとライヴだけをおこなう予定で行ったんですか?

コージー:本当はRECもしてこようと思っていたんだけど、向こうで3本ライヴをやることになっていたんで、その仕込みもけっこう大変だったというか。集中しないとできないのでリハーサルもじっくりやって。そんな中でRECするというのも、わざわざLAまで行ってやっつけ仕事になるのも嫌だし。中途半端にやるくらいなら曲をそこでじっくり作って、その経験を踏まえた上で日本に帰ってRECしようということで。


── 意外な気がしますけど、アメリカでのライヴ自体は初めてだったんですね。

コージー:初めてです。あんまりやろうと思わなかったのかな? イベントに誘われたことはあったんだけど、「でもマックショウの曲は日本語だしな」と思って(笑)。

── SPECIAL EDITIONのDVDにライヴの様子が収録されていますが、もう国籍も人種も関係ない感じがあるというか、すごく良い反応だったようですね。共通の「ロックンロール」というものがすんなり通じた感じだったんでしょうか。

コージー:そうですね。僕らも向こうでやるっていうことで、そういう心づもりで準備して仕込んで行ったというか。タダじゃないんだし、そうじゃないと失礼だから。外タレだって日本に来るときには「ドウモアリガトウ」くらい覚えてくるわけじゃないですか?(笑) それと同じで、何にもなしでただ行ってやるというわけにはいかないので。

── そこから日本に戻って曲作りから始めたわけですか?

コージー:いや、曲作りはだいたい始めていて。アメリカで作った曲もあるし、やっぱり向こうでライヴをやって帰ってきたから、全然アプローチが違っていて。その前からやり続けてきたことって、シンプルでかつ説得力のある音を出したいとか、アナログのRECにこだわりたいとか、進化しているとは言わないまでもその度に色々脱皮してきたんですけど、その中でも群を抜いて「まあいいか、細かいことは! 良くない?」みたいな(笑)。アメリカで得たものというのは、それが一番大きいですね。今現在もツアーをまわっているんだけど、「いや細かいことは良くない?」って(笑)。ライヴのリハーサルをあんまりやらなくなったもんね。まあお客さんが楽しかったら良いんじゃないかと思って。

── 「お客さんが楽しければ良い」というのは、もともとのマックショウの姿勢だと思うのですが、それがより大きくなった?

コージー:自分たちも楽しいんだし良いんじゃないの? みたいな。そういうのは強くなったし、それが一番アメリカで得たことですね。もう、線(シールド)なんて抜けたら大変みたいなこともあって、「じゃあローディー2人付けよう」とかあるんだけど、「いやもう良いよ別に」って。線抜けたら差しゃあいいじゃん、みたいな。それがライヴだろうって。


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