音楽業界の伝説クライブ・デイヴィス、ブルース・スプリングスティーンを語る

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ジャニス・ジョプリン、ホイットニー・ヒューストン、アリシア・キーズなど数多くのスターを契約・育成し、現在米ソニー・ミュージックエンターテインメントのCCOを務める伝説的音楽プロデューサーのクライブ・デイヴィスが38年ぶりに来日し、2013年12月19日(木)に日本外国特派員協会にて記者会見を行った。

◆ブルース・スプリングスティーン画像

記者からの「これまでの長いキャリアの中で最も印象に残った3人は?」という問いに対して、ジャニス、ホイットニーに並んでColumbia Records社長として自ら契約したブルース・スプリングスティーンを挙げ、下記のようなエピソードに触れながら彼の圧倒的ライブ・パフォーマンスについて語った。

デビュー当時いつも小さなライブハウスでライブをやっていたブルースを、クライブはLAの大きなAhmanson Theatreでマイルス・デイヴィスやニューライダース・オブ・ザ・パープル・セイジなどとともに出演させたという。当時はフォーク・アーティストとして捉えられていたブルースに「ここはMax's Kansas CityやCBGBのようなちっぽけなクラブじゃない。こんなデカいステージでやるなら、それを最大限に生かせ。動きまわるんだ!」と助言した。

それから2年後、Columbia Recordsを去りアリスタ・レコードを設立した頃、クライブはニューヨークのボトムラインにブルースのライブを観に行った。そこで見たものはステージ狭しと動き回り、テーブルの上に飛び乗って熱狂的なパフォーマンスを繰り広げる、ブルースだった。ライブ後、クライブが楽屋を訪ねて行くと、ブルースはこう言ったとか。

「クライブ、あれくらい動けば大丈夫だよな?」

今でこそ全世界のアリーナやスタジアムを魅了し続けるブルースのあのライブ・パフォーマンスも、クライブの助言が無ければ、無かったのかもしれない。

2014年1月29日には、ブルースのエネルギッシュなライブ・パフォーマンスを収めた商品が発売される。通産18作目の新作『ハイ・ホープス』の初回版に、2013年6月30日にロンドンのQueen Elizabeth Olympic Parkでの<Hard Rock Calling>というフェスティバルで急遽行なわれた『ボーン・イン・ザU.S.A.』の全曲再現ライブ映像を収めたDVDが同梱されるのだ。

『ボーン・イン・ザU.S.A.』は1984年に発売された名盤であり、2014年でちょうど30周年となる。『ボーン・イン・ザU.S.A.』は日本で45万枚、USで1,500万枚、全世界で3,000万枚という記録的な売上を誇る名盤でありながらも、ブルース本人にとっては世間に誤解された苦々しい作品でもある。タイトル曲はベトナム帰還兵の悲哀を歌った内容であるにもかかわらず、そのタイトルと力強いサビのフレーズの印象によって一辺倒な「アメリカ万歳的な『愛国主義』の歌」であると多くの人に誤解された。日本でも未だにそう誤解している人も少なくない。今回の日本盤のボーナスDVDには歌詞の日本語字幕も入っており、この作品が持つ「本当の意味合い」を再検証できるようにもなっている。



ブルース・スプリングスティーン 『ハイ・ホープス』
2014年1月29日発売予定(US:1月14日予定)
※初回プレスのみ超強力ボーナスDVD付:1984年の名盤『ボーン・イン・ザU.S.A.』全曲再現ライブ完全収録(日本語歌詞字幕付)
●初回限定ボーナスDVD付 SICP4080-1 ¥3200+税
●通常盤 SICP4070 ¥2400+税
●アルバムを紐解く日本盤ブックレット付:
*解説:湯川れい子、天辰保文、五十嵐正
*歌詞の世界から見た『HIGH HOPES』三浦久
*対訳:三浦久
https://itunes.apple.com/jp/album/high-hopes/id741055385


◆ブルース・スプリングスティーン・オフィシャルサイト
◆ブルース・スプリングスティーン・オフィシャルサイト(海外)
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