【緊急短期連載 Vol.5】ロス・ロンリー・ボーイズ、悲しみを乗り越えて「ヘヴン」

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エリック・クラプトンが「ティアーズ・イン・ヘヴン」をライブで歌わない訳を知っている人は少なくないだろう。この曲は、亡くなった彼の息子に捧げられた悲しく私的で特別な曲だからだ。一方でロス・ロンリー・ボーイズの代表曲「ヘヴン」も、実は悲しい体験をもとに作られた曲だったりする。

◆「ヘヴン」Live in Japan 2012映像

「ヘヴン」はロス・ロンリー・ボーイズが第47回グラミー賞で4部門ノミネートされ、最優秀ポップ・グループ賞に輝くきっかけとなった代表曲で、日本では朝の人気番組「スッキリ!!」の天気予報のコナーのBGMとしてもお馴染みのナンバーだ。明るく爽やかなイメージのこの曲だが、背景には「ティアーズ・イン・ヘヴン」同様に、悲しい出来事がある。

G&Voのヘンリーは、14歳になる頃から父や2人の弟(ジョジョとリンゴ)と共にナッシュビルで毎晩ステージに上がっていた。当時は酔った客から心ない言葉をかけられる事もあり、辛い日々だったという。しかし、やがてヘンリーの前に全てを分かち合える女性が現れ、18歳で彼は男の子の父親となった。かけがえのない家族を得て幸せな毎日を送っていたヘンリーだったが、そんな日々は長くは続かなかった。愛息子エンリケが乳幼児突然死症候群(SIDS)によって天国へと旅立ってしまったのだ。ヘンリーは「何故神様はこれほどまでに僕に試練を与えるのだろう」と打ちひしがれて、何も手につかなくなってしまったという。

涙に暮れるヘンリーに、まるで息子からのメッセージのごとく浮かんで来たフレーズ…それが「ヘヴン」の一節だった。

「息子に会える天国とは一体どれほど遠くにあるのか?ここよりも心が救われる場所は一体何処にあるのか?どうしたらこんな自分の生き方を変えられるのか?」

神様にこのように問いかける歌詞は、その時のヘンリーの心の叫びであり、息子を悼む気持ちだった。このようにして出来上がった曲はやがて、悩みを抱える多くの人々の心の琴線に触れ、世界的なヒット曲につながっていく。そして今も、この曲が持つ癒しのメッセージ、ポジティヴなヴァイヴは世界中の人達の心に届き続けているというわけだ。「ティアーズ・イン・ヘヴン」を歌わないと決めたクラプトンとは対称的に、ヘンリーはこの曲を歌い、伝え、人々と共有することで自分の体験を昇華していく道を選んだのだ。

1月30日から来日公演が始まるロス・ロンリー・ボーイズだが、2012年に行われた前回の単独来日公演での「ヘヴン」のライブ映像が1月10日にYouTube上に公開された。

このライブ・パフォーマンスについて、メンバーのジョジョ(vo & b)はこう語る。

「初来日したときの「ヘヴン」の感動のテイクが日本盤に収録されるなんて最高だね!とてもスペシャルだ。あの日のことは凄く覚えてるよ。ステージ上からオーディエンスが泣いているのが見えたんだ。本当に素晴らしい、何ものにも代え難い時間だった。早く日本に戻ってプレイしたいよ。」

辛い過去や悩みを抱えている人も、同じ想いを共有できる彼らの来日公演に足を運んでみてはいかがだろうか。この単独来日公演時の「ヘヴン」の音源は、『レヴェレーション』の日本盤にボーナス・トラックとして収録されている。


ロス・ロンリー・ボーイズ『レヴェレーション』
SICP-3889 ¥2,520
※日本3カ月超先行リリース(US2014年2月)ボーナストラック2曲収録

<来日公演>
東京 1月30日(木)LIQUID ROOM
名古屋 2月1日(土)NAGOYA CLUB QUATTRO
大阪 2月2日(日)UMEDA SHANGRI-LA
[問]SMASH 03-3444-6751
http://smash-jpn.com/ http://smash-mobile.com/

「ロス・ロンリー・ボーイズライブ・イン・ジャパン」
2011年2月の初来日公演をWOWOWにて再放送
1月28日(火)夜10時45分~
http://www.wowow.co.jp/pg_info/detail/100510/index.php?m=02


◆【緊急短期連載】ロス・ロンリー・ボーイズ特設チャンネル
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