【インタビュー】KNOCK OUT MONKEY、メジャー1stアルバム完成「抗う姿を見せるのがロック、“今”に向き合ったものこそが新鮮に映る」

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KNOCK OUT MONKEYが2月26日、メジャー1stフルアルバムをリリースする。『INPUT ∝ OUTPUT』と名付けられたこのアルバムは、2012年より<SUMMER SONIC>、<PUNKSPRING>、<Ozzfest Japan>、<JOIN ALIVE>など、怒濤の大型フェス出演を果たしてきた彼らが、そのステージで培ったライブバンドとしてのプライドを封じ込めた集大成的作品だ。と同時に、プレイヤーとしての成長ぶりが彼らの輝かしい未来を予感させる、そんな勢いに溢れている。

◆「I still」ミュージックビデオ

約1年を費やしたというアルバム制作には、楽曲アレンジ上での意識改革や、機材テック導入によるサウンドメイクなど、新たな変化も見受けられる。それらが実現したものは彼ら本来が持つ膨大なエネルギーがストレスなく放出されたサウンドだ。アグレッシヴなスタイルは変わることなく、よりメロディの魅力をクッキリと浮かび上がらせた全11曲について、メンバー全員に話を訊いた。

■聴きやすさを重視したわけじゃなく
■今はメロディに固執したい心境になってる

──アルバムを聴いて驚きました。これは最高傑作じゃないですか。

w-shun:おっ、ありがとうございます!

──周りの反響はいかがですか?

亜太:いろいろ取材する中で反応もすごくいいですね。各々挙げるキーワードは違いますけど、否定的な意見は全然なくて。いままでの延長線でいいねというわけじゃなく、「いい意味で裏切ってきた」、「聴きやすい」、「メジャー1stアルバムだから守りに入るんじゃないかと思ったら、攻めてきたね」と言われて。自他ともに手応えのある作品ですね。

w-shun:僕的にはガンガンやりたいことをやっただけなので不安の方が大きくて(笑)。でも結果的に聴き返すと、意外と芯はブレてなかったなと。で、さらに先が見えた作品になりましたね。

──先が見えた?

w-shun:今回のアルバムは作り方がいままでと違って。それは「Paint it Out!!!!」の方法論で得た部分が大きいんですよ。デモの段階でメロディが立った曲がポンポン生まれてきたから、それを信じようと。各々の楽器を有効活用しながら、芯となるメロディを立たせる。そういうやり方は結構新しくて。新たな方法論を知れたことで、次作はまた違う攻め方ができると思うし、自分たちのベーシックな部分もまた変わる気がします。

──「Paint it Out!!!!」の方法論をアルバムで存分に活かせた感じ?

w-shun:そうですね。「Paint it Out!!!!」ができた当初はこうじゃないかな?とぼんやりしていたものが確信になった。それを思った以上に反映できましたね。

──dEnkAさんはどうですか?

dEnkA:聴いて驚いたと言ってくれましたけど、僕もどう聞こえるのか、不安だったんですよ。前作までの流れもあったし、今回は制作期間も長かったので作り込めたけど。曲がすぐ耳に馴染まなくて、わざとちょっと聴かなかったんですよ。で、ちょっと経ってから聴いたら、素直にいいなと思いました。前回のアルバムは歌や演奏も重ねたし、足し算みたいな曲作りで濃厚だったんですよ。今回は引き算というか、無駄なものを削ぎ落として、スリムなのに骨が太い楽曲が作れたなと。

──ナオミチさんは?

ナオミチ:今回は1曲1曲個性が出てきたと思います。以前はいろんなテイストを出したけど、一色の濃さをより出そうと心がけて。メロディとドラムをユニゾンで合わせたパートもあるので、よりメロディが立ってると思います。

──ひとつの色に貫いた曲であり音数を抜いた曲、それが一枚を通してメリハリの効いてバランスのとれた作風にしているという。

w-shun:いままではそこを1曲のなかに混ぜてたんですよ。でも今回はシンプルにして、本質を確認したかったし、自分たちのバンドは何なのか把握しておきたかった。そう考えたときに闇雲に攻めまくるバンドではないと。ライヴ、私生活、曲作りでもフザけてるし、かといってフザけてるばかりでもない。それが音に鳴らせたらいいなあと思って。

──そのテーマがメロディだったわけですか?

w-shun:別に聴きやすさを重視したわけじゃなく、今はメロディに固執したい心境になってるなら、そこを探求すればいいやって。それで結果的に、自分たちを色濃く曲に出せたんじゃないかな。押し引きもできるようになったし……少し歳をとったんじゃないですかね(笑)。以前は詰め込むことのかっこ良さばかり考えてましたから。

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