【インタビュー】上妻宏光、中村獅童、日野皓正とガチンコ対決

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津軽三味線奏者の上妻宏光が、3月22日東京・渋谷公会堂で主催・プロデュースするイベント<日本流伝心祭 クサビ ―楔― 其ノ参 ―国境を超え、進化する日本の表現者たち―>を開く。ステージでは歌舞伎役者の中村獅童、トランペット奏者の日野皓正、ダンス集団「DAZZLE」など、第一線で活躍する異ジャンルの面々とともに、一夜限りのスペシャルプログラムを展開。第3回目を迎えるイベントの見どころ、津軽三味線を手に世界を駆ける思いを聞いた。

◆上妻宏光画像

茨城県出身の上妻宏光は、6歳のとき津軽三味線奏者の佐々木光義に入門。高校時代には津軽三味線全国大会で2年連続優勝を獲得するなど頭角を現し、2001年にアルバム『AGATSUMA』でメジャーデビューを果たした。ハービー・ハンコック、ギタリストのMIYAVIなど毛色の異なる音楽との共演が注目され、国内はもちろん、欧米やアフリカなどでもツアーを敢行。世界にその名を轟かしている。

<日本流伝心祭 クサビ ―楔―>は、日本から世界に発信できる場を作りたいと2009年に立ち上げた。毎回、自身が共演したいと思うアーティストや、表現者に声を賭けこの日しか見ることができない舞台を生み出している。

今回のステージでは、各ジャンルのオーソリティーを招いて制作したアルバム『GEN-源-』に収録したボサノバ曲「ビリンバウ」で共演した小野リサと同曲を披露するほか、日野皓正が奏でる情熱的なトランペットの音、中村獅童がみせる舞いや殺陣に津軽三味線で対峙していく。

上妻宏光は「日野さんはギラギラしてパワーがにじみ出ているところが魅力的。獅童さんはとんがった人間性に惹かれて共演依頼をさせていただきました。初共演なので、当日舞台に上がるまでどんな展開になるのか、僕自身とても楽しみです」と期待を高まらせている。

津軽三味線を手に、世界を駆ける現在。世界を意識したのは、聴いていたJポップなどの音楽のルーツが海外にあると気付いた10代のときで、「本物が生まれた場所、根の部分を自分の目で確かめたい」と心を駆り立てられたのだという。

先人が築いたものを守りながらも、自らが信じた音を伝統の中に混ぜ合わせ追求してきた。奏法も弦に触れる角度を変えたり、指で直接弦をはじくなど、自らを信じ、誰も歩いたことがない道を切り開いてきた。その男気は、上妻宏光の空気を切り裂くような力強い三味線の音にも溢れ出ている。

「“常識”から外れることは、最初は不安もあるかもしれないけれど、僕は好きなものを好きと言いたい。どんなことでも第一歩を恐れずに、自分が信じた道を貫いて欲しいんです。僕は、僕がかっこいいと思う三味線を、世界中の人に届けたいとまい進しています。世界で演奏して思うのは、音楽や楽器など表現の違いはあっても、根と根をぶつかり合わせるということに変わりはないということ。そこから響くもの、生まれたものに国境はないんです」と思いを込めた。

取材・文・写真/西村綾乃

<上妻宏光 日本流伝心祭 クサビ ―楔― 其ノ参―国境を超え、進化する日本の表現者たち―>
3月22日(土)
開場/開演 18:30/19:00
入場全席指定 6,300円(税込み)
主催:渋谷公会堂、文化放送、上妻宏光 日本流伝心祭 クサビ ―楔― 実行委員会
[問]キョードー東京 0570-550-799


◆上妻宏光オフィシャルサイト
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