【詳細レポート】<VAMPARK FEST>初日、「君らからは情熱を感じたよ」

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2015年2月18日から2日間にわたってVAMPS主宰<VAMPARK FEST>が開催された。海外アーティストたちにとっても憧れのロックの殿堂である日本武道館に日本/海外屈指のライヴバンドが一堂に介し、“本気で闘う世界標準のフェスを日本のオーディエンスたちにも体感してもらいたい”──VAMPSがそんな願いを込めて立ち上げたのが<VAMPARK FEST>だ。その初日はNOTHING MORE、[Alexandros]、Gerard Way、VAMPSといった4組のアーティストが出演した。当日の速報レポートとphoto-gallaryはすでに公開しているが、詳細に迫るレポートを改めてお届けしたい。VAMPS×SIXX:A.M.による対談も公開しているので、こちらも併せてご覧いただきたい。

◆<VAMPARK FEST>初日 画像

▲NOTHING MORE(※画像7点)

開演時間を少し過ぎた頃、場内の客電が落ち、出演アーティストを告げるオープニング映像がトップバッターのNOTHING MOREを映し出す。今回のステージが日本初お披露目となる彼らに向かって、「バトルスタート!」といわんばかりにライヴ開演を知らせるリングが鳴り響いた。そうして始まった彼らのステージパフォーマンスに、オーディエンスは驚愕。Daniel Oliver(B)が舞台上手、Mark Vollelunga(G)が下手にポジションをとり、サウスポードラマーPaul Obrien(Dr)の手前で上半身裸のJonny Hawkins(Vo)が歌うのではなく、大きなティンパニー+スネアを飛び上がりながら連打して人力ダブステを爆音で鳴らしている。なんだこれ……と、唖然としている観客たち。だが、これはまだ序の口だった。

まずは「武道館!」とJonny が叫び「Christ Copyright」でいきなりエモーショナルなハイトーンボイスを披露。「ウォー」というスクリーモなサウンドから「MTV!」の掛け声でバンドがブレイクダウンしていく「Mr.MTV」へ。そして、彼らの音に馴染んできた観客に向かって、次に見せたのは脅威のベースソロだった。舞台中央のスタンドに立てた1本のベースをその両サイドに立ったDanielとMarkが一緒にプレイしながら、ベースラインが徐々に重なり合っていくような音を奏でていく。それだけでもスリリングなのに、後半はそれまでエフェクターをコントロールしていたJonnyも加わって、ベースのボディを叩いてパーカッシブな音を追加。1本のベースを使って三者三様の音を鳴らすというこの異次元パフォーマンスに場内は大盛り上がりだ。

その後は「This is The Time」「The Matthew Effect」とバンドとしてきっちり、新世代ならではのメロディアスなモダンへヴィネスをアピールした。ラストナンバー「Salem」が始まるとMarkは再びパーカッションをセット。曲がハイライトに達する場面ではDanielとMarkも担当楽器を“Myパーカッション“に持ち替え、メンバー全員がパーカッショニストになるという大ワザで会場を最高潮に盛り上げ、ステージが終了した。モダンなサウンドメイクとバンドオリジナルにしてエンタテインメントなパフォーマンスでNOTNING MOREの名前を観客にしっかりと刻み付けるステージとなった。

▲[Alexandros](※画像6点)

LEDヴィジョンが次の出演者である[Alexandros]を伝えると、フロアから黄色い歓声が沸き起こった。再び戦闘開始のリングが鳴り響くと、スタンディング使用になっていたアリーナの前方に彼らのタオルをまとった観客が押し寄せる。いつものSE「Burger Queen」が流れ出し、まだ暗転したままの舞台に㽵村聡泰(Dr)、白井眞輝(G)、磯辺寛之(B)が登場。SEが生演奏にスライドするなか、最後に川上洋平(Vo&G)が姿を現し「俺達が[Arexandros]だ。最高の夜にしようぜ!」と客席に挨拶。その直後、1曲目の「Stimulator」へ。全楽器フルボリュームのキレキレの演奏で観客をロックオンだ。㽵村が繰り出すトライバルなビートから始まるおなじみの「Waitress,Weitress!」は曲間の見せ場となるジャズパートで、白井と磯辺がテクニカルなプレイを見せつけ、「Kick&Spin」ではメタリックなプレイで挑んでくる楽器隊のアグレッシブなサウンドにのせて、川上がハイトーンボイスでメッセージを大絶叫した。そして、観客の体も心もいっきにテンションが高まったところで、2014年の<JAPAN NIGHT>にVAMPSやサカナクションと出演した際の、HYDEとのエピソードを川上が披露した。

「あの日、俺らのステージをHYDEさんが見てるのが分かったから、その後に楽屋に挨拶に行ったとき、“何か言ってくれるかな”と思ったらノーコメント(笑)。でも、今日呼んでいただいたってことは、気に入ってもらえたんだと勝手に勘違いしております!」──川上洋平

そう観客を笑わせた後、3月18日リリースのシングル収録新曲「Dracula La」「ワタリドリ」をたて続けに披露。まず、「VAMPSにぴったりな曲」という川上の粋な曲紹介で始まった「Dracula La」ではバンド史上もっともカラフルで大衆性に満ちたポップなロックンロールで観客をノックアウトした。続いて届けられた「ワタリドリ」はこれまた今までの彼らにはない破格のクライマックス感とスケール感を持ったホープソングに、すでに名曲の香りが漂う。たとえライヴのキラーチューン「Starrrrrrr」なしでも、それ以上の圧倒的な感動を与えられる。そんなバンドの自信とこれからのヴィジョンを潔く観客に見せつけた感動的なアクトだった。

▲Gerard Way(※画像5点)

3番手に登場したのは、ここ日本でも単独公演以外に夏フェスなどへの出演も果たした世界的バンドMY CHEMICAL ROMANCEの元フロントマン、Gerard Wayだ。ソロ初来日となるこの日、記念すべき1曲目に披露したのは「THE BUREAU」だった。スーツ姿でオシャレに決めたGerard Wayは舞台にいるだけでステージが華やぐ。曲中ではいきなりシャウトを響かせたかと思えば、左手を上げてオーディエンスを煽った。続く「ACTION CAT」では客席に手拍子を求めるなど、冒頭からキャッチーな煽りでお客さんをフレンドリーにライヴへと導いていく。“1、2、3、GO!”の掛け声で始まった軽快なロックンロールナンバー「ZERO ZERO」、ピアノに合わせてタンバリンを叩きながらキュートな笑顔で歌うポップソング「MILLIONS」など、序盤からとにかくキャッチーかつパンキッシュなナンバーを連発した。MY CHEMICAL ROMANCE時代とは明らかに違うサウンドは、単純なギターポップにとどまることなく、楽曲の随所にニューウェーヴのスパイスをちりばめたクセのあるブリティッシュポップという色合いが強い。

こうして前半パートを一気に駆け抜け、「ありがとう」と照れくさそうに日本語で挨拶したステージ中盤では、まずGerard Wayが直情的なシャウトを入れ込んだ歌唱で引っぱる「JUAREZ」にてオーディエンスを突き放した後、「BROTHER」へとつないだ。ここでは繊細な歌とピアノが寄り添うメランコリックなバラードでオーディエンスを包容するなど、曲ごとにくるくる表情を変える歌とサウンドが、次々とオーディエンスを魅了していく。

MCでは、この日演奏したナンバーを収録したアルバム『Hesitant Alien』をリリースしたこと、マイケミで公演して好きになった武道館にまた戻ってこられた喜びを話し、武道館の観客をバックに記念写真を撮影した。そんなお茶目な姿を見せたあとは、いよいよ後半戦に突入。「NO SHOW」では観客にコーラスを任せるなど会場が一つになったところで、ラストはTHE JESUS AND MARY CHAINのノイジーかつルーズな「Snakedriver」をさらにローファイなサウンドで豪快にカバー。満足げな表情で観客にキスを投げ、ステージを後にした。

▲VAMPS(&SESSION)(※画像19点)

そして、1日目のトリを飾るはもちろんVAMPSだ。スモークで真っ白になった舞台上にバックライトでメンバーのシルエットが浮かび上がるなか、VAMPSのパーティーチューン「REVOLUTION II」で怒濤の幕開け。観客は総立ちでこれに応えるように、“BANG ON STOMP EVERYBODY!”と大声でシンガロングしながら騒ぎ出す。VAMPSフラッグを背負ったHYDE(Vo&G)が腰を揺らしながら激しいシャウトを繰り返すと、合唱の声はさらに高まり、武道館はたちまち最高にクレイジーな空間へ。そして、K.A.Z(G)の疾走感たっぷりのギターリフがその興奮を勢いよく押し広げていく「LIPS」。このスピーディーな展開に置いていかれないようにと、オーディエンスが必至に食らいついていく。まるでライヴハウスにいるかのように、この凄まじいパッションの応酬を武道館という大きな会場でも瞬く間に作ってしまう。だが、「もっとすげーところ見せてくれ」とHYDEは容赦なく観客を煽り、「TROUBLE」のカバーを投下。重低音で観客の脳みそと腰をグラグラ揺さぶった後は「EVIL」でダークネスゾーンへと一気にシフトしていくアグレッシブなバンドサウンドが痛快だ。その中央で、ローヴォイスで歌っていたHYDEが狂気のシャウトを畳み掛け、武道館をどんどん奥深い闇へと落とし込んでいく。

ついに真っ暗な闇の底に沈んでしまった武道館、そこに宿る狂気をすべて浄化していったのがVAMPS屈指のドラマチックバラード「VAMPIRE’S LOVE」だ。HYDEの手元にある一輪の赤い薔薇は刹那の象徴。その感情をK.A.Zのギターがエモーショナルにかき立て、HYDEの歌は暗闇から這い上がるように、ラストは武道館の天井を突き抜けて彼方へと昇天した。そこから、さらに眩い光源へとK.A.Zのギターが導いていったのが「ZERO」だ。オーディエンスをディープな部分へと陶酔させた後は、「AHEAD」から再びワイルドゾーンへシフトする。HYDEの「ARE YOU ALL BLOODSUCKERS? SCREAM!」の合図で「BLOODSUCKERS」が始まると、コール&レスポンスで互いの興奮を高め合い、それがピークに達したところで投入した「DEVIL SIDE」の破壊力には凄まじいものがあった。颯爽と舞台を去るVAMPS。だが、一旦爆発したエネルギーはこんなもんじゃ収まりきらない。そんな観客の気持ちを察して再び彼らがステージに姿を現した。

「ありがとう。やってよかった~。何がよかったかって、出演者のドタキャンがなくてよかった(笑)。何よりも来てくれたみんなに感謝。こんなに寒いのに、よく来てくれたな(笑)。普通、嫌やもんな。君らからは情熱を感じたよ」──HYDE

HYDEが観客に最大級の感謝の気持ちを伝えたあとはNOTHING MOREを呼び込み、VAMPSと一緒に「SEX BLOOD ROCK N’ ROLL」をプレイ。ここでしか見られないセッションを観客にプレゼントして、初日のライヴが終了した。トータル3時間半。初日は出演した4バンドみんなが熱いライヴスタイルを持っていながらも、それぞれが持つ独自のポップセンスを堪能できた一夜だった。

取材・文◎東條祥恵 撮影◎今元秀明/岡田貴之

■VAMPS主宰<VAMPARK FEST>
2015月2月18日(水)@日本武道館セットリスト

【NOTHING MORE】
1.Christ Copyright
2.Mr. MTV
3.Bass Solo
4.This Is The Time
5.The Matthew Effect
6.Salem
【[Alexandros]】
SE.Buger Queen
1.Stimulator
2.Waitress, Waitress!
3.Kick & Spin
4.Dracula La
5.ワタリドリ
【Gerard Way】
1.THE BUREAU
2.ACTION CAT
3.ZERO ZERO
4.MILLIONS
5.JUAREZ
6.BROTHER(JAM)
7.GET THE GANG TOGETHER
8.HOW'S IT GOING TO BE
9.MAYA THE PSYCHIC
10.NO SHOWS
11.SHAKED RIVER [The Jesus & Mary Chain]
【VAMPS】
1.REVOLUTION II
2.LIPS
3.TROUBLE
4.EVIL
5.VAMPIRE'S LOVE
6.ZERO
7.AHEAD
8.BLOODSUCKERS
9.DEVIL SIDE
EN1.SEX BLOOD ROCK N' ROLL

■<JAPAN NIGHT>ジャカルタ(インドネシア)公演

2015年4月4日
・出演:VAMPS、[Alexandros]、TOKYO SKA PARADISE ORCHESTRA
・会場:The Kasablanka @ Kota Kasablanka Mall, Jakarta
・開場17:30/開演19:00
・VIP席(シーティング前方ブロック:Rp 1,600,000(約\15,000)
※JAPAN NIGHT特製ポスター付き
・スタンディング(後方ブロック):Rp 750,000(約\7,000)
・チケット販売日:2月18日(水)10時0分~(インドネシア現地時間)
・チケット販売サイト:www.rajakarcis.com、www.tiket.com
・日本からのお問い合わせ:inquiry@crooner.com.sg

■<VAMPS全米ツアー>

■<SIXX:A.M. The Modern Vintage Tour>
4月08日(水)サンフランシスコ@ The Regency Ballroom
4月10日(金)ラス・ヴェガス @ The Joint
4月11日(土)ロサンゼルス@ Club Nokia
4月13日(月)デンバー @ Ogden Theatre
4月14日(火)カンサス @ Midland Theatre
4月16日(木)ヒューストン @ Warehouse Live
4月17日(金)ダラス @ Bomb Factory
4月19日(日)ミネアポリス @ Mill City Nights .
4月20日(月)シカゴ @ The Vic Theater
4月21日(火)デトロイト @ Royal Oak Music Theatre
4月28日(火)フィラデルフィア @ Electric Factory
4月29日(水)シルバー・スプリング @ The Fillmore
チケット情報:http://www.axs.com/artists/211925/sixx-a-m-tickets

■<ロック・フェスティバル>
4月25日(土)フロリダ州フォートマイヤーズ @ Ft.Rock Festival
http://www.fortrockfest.com/
4月26日(日)フロリダ州ジャクソンヴィル @ Welcome to Rockville
http://welcometorockvillefestival.com/
5月15日(日)オハイオ州コロンバス@ Rock On The Range
http://www.rockontherange.com/

■<ヘッドライン公演>
5月1日(金)ニューヨーク @ Best Buy Theater
チケット情報:http://hyperurl.co/VAMPS_LIVE_NY2015

■<VAMPS LIVE 2015 HONG KONG>

2015年5月8日(金) 8:00pm AsiaWorld-Expo Hall10
【チケット】
HK$780 (約12,200円)
HK$480 (約7,500円)
※オールスタンディング
※ブロックによりチケット価格が異なります。
チケット発売:2015年3月25日(水) 10:00am
●店頭販売 HK Ticketing venue box offices / K11 Select / Tom Lee Music Stores
●お電話 HK Ticketing Ticket Purchase Hotline (Enquiries: 31 288 288)
●インターネット販売 HK Ticketing >> http://www.hkticketing.com/eng/
※手数料が発生します。
[問]info@dreams-salon.com info@puffinent.net

●<JAPAN NIGHT>台北(台湾)公演

2015年5月23日(土)
・出演:VAMPS、the GazettE、The BONEZ
・会場:台大総合体育館1F多功能球場
・開場 17:00 / 開演 18:00
VIP席 NT$3,600 ※JAPAN NIGHT特製ポスター付き
スタンディング Aブロック:NT$ 2,800
スタンディング Bブロック:NT$ 2,400
スタンディング Cブロック:NT$ 2,000
※12歳以下入場不可
チケット発売日:4月11日(土)日本時間13時00分~
[問]contact@abigart.com(大鴻藝術 BIG ART:土日、台湾の休日を除く11:30~20:30)
[問]華娯售票 http://www.walkieticket.com/

■<VAMPS LIVE 2015 “BLOODSUCKERS” -FINAL->supported by uP!!!

2015年5月30日(土) さいたまスーパーアリーナ
開場 18:00 / 開演 19:06
2015年5月31日(日) さいたまスーパーアリーナ
開場 16:00 / 開演 17:06
料金 9,200円(税込)(アリーナスタンディングブロック指定 / スタンド指定席)
<チケット発売>
一般発売 2015年4月5日(日) AM10:00
[問]ディスクガレージ 050-5533-0888 (平日11:00~19:00)

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◆<VAMPARK FEST>BARKS内特集ページ

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