医学が突き止めた、クラシックを聞けば痛みから開放される?

ツイート

音楽による神経伝達物質の促進による鎮痛効果や自律神経を整える効果を研究し、「クラシック音楽が痛みを和らげる」ことを提唱した医師/医学博士 藤本幸弘による『藤本先生の聴くだけでスッキリ!』CDシリーズが、6月17日に3タイトル同時発売される。

◆『藤本先生の聴くだけでスッキリ!』画像

日本ペインクリニック学会認定医で医学博士、工学博士、MBAの称号・資格ももつ藤本幸弘は、痛みと自律神経の関連を研究し1999年には「自律神経誌」という国際誌に英文論文を発表、その研究過程で神経系理論に音楽が及ぼす驚異的な効果を知ることになったのだという。藤本氏は、様々な音楽の中でも特にクラシック音楽が脳を刺激し様々なホルモンを活性化させ、自律神経を安定させることができると提唱しており、その藤本氏自身が監修・選曲を行いCDにまとめたのが今回の『藤本先生の聴くだけでスッキリ!』シリーズだ。

発売になるのは『聴くだけで痛みがスッキリ』『聴くだけで悩みがスッキリ』『聴くだけで不眠がスッキリ』の3タイトル。どの作品も、はっきりとした病名のつかない不調に対して、「クラシック音楽」というツールでアプローチするものだ。クラシック音楽が持つ複雑で豊かな旋律、幅広い周波数、感動を生む練り込まれた構成などによって、脳内の神経伝達物質やホルモンを活性化し自律神経のバランスを調整することを目的としている。


シリーズ中で最も注目されるのが、藤本氏が長年研究してきた「痛み」にフォーカスをした『聴くだけで痛みがスッキリ』だ。痛みには「急性痛」と「慢性痛」の2種類があり、特に神経組織に痛みが記憶として残ってしまったために起きる、原因のはっきりしない「慢性痛」は治療が難しいという。このCDでは、そのような慢性痛に対して特定のクラシック曲を聴くことによって対処する。その結果βエンドルフィンやセロトニン、アセチルコリンといったホルモンが活性化され、アドレナリンを放出し自律神経が安定化する。βエンドルフィンにはモルヒネとよく似た作用があり、かつモルヒネの6倍もの鎮痛作用がある。さらに「聴覚性痛覚消失」という現象によって、痛みがマスク(覆う)されるとか。CD収録曲中で特に代表的なのが、フランスの作曲家サン=サーンス作曲の「白鳥」だ。藤本氏によると、「白鳥」はテンポが心拍に近いアンダンテで人間の気持ちを安定化、更にピアノの旋律がすごく単調で心拍に近い旋律を持ち、大脳基底核という大脳の中の感情を司る場所に直接働きかけるという。またメロディを奏でるチェロは弦楽器の中では人間の声を全て表せる弦楽器で安定感があり、美しい旋律が頭の中で反芻しやすく、高い音が時々入ってくるので、脳内に気持ちいいドーパミンの物質を誘導するとか。藤本氏は「何かあって、薬が無かったらぜひ「白鳥」を聴いていただくと良いと思います」と話す。現在、『藤本先生の“白鳥”を聴くだけで痛みがスッキリ』というタイトルで「白鳥」が先行配信されている。

CD収録楽曲は、全てドイツ・グラモフォンとDECCAという名門レーベルの世界最高峰の演奏家による名演からセレクトされている。これから梅雨に入るこの季節、5月病真っ盛りの人もいるかもしれない。身体の不調や心の不安定を感じたら「白鳥」を試してみるといいかもしれない。



■藤本幸弘(ふじもと たかひろ)

医師 医学博士 工学博士 M.B.A.
日本ペインクリニック学会認定医、日本麻酔学会指導医、麻酔科標榜医(厚生省承認)、東京大学医師会会員、日本医師会会員、東京都医師会会員、抗加齢医学研究会専門研究医員、日本美容皮膚科学会学会員。
慶應義塾大学経済学部に一度は進学するものの、日本におけるペインクリニシャンの先駆者であり医学博士であった祖父の意思を継ぐ形で医学部に進むことを決断。信州大学医学部に再入学し、痛みの治療を専門とする麻酔科の医師を志す。外科学の医学博士号(東京大学医学部大学院修了)を取得。2007年5月、“クリニックF”を立ち上げる。

■『藤本先生の聴くだけでスッキリ!』シリーズ 全3タイトル同時発売(監修・選曲:医師・医学博士 藤本幸弘)

『藤本先生の聴くだけで痛みがスッキリ ~偏頭痛・肩凝り・腰痛・関節痛・生理痛・腹痛』
2015年6月17日発売
UCCG-6163 2,160円
1.白鳥(サン=サーンス)/マイスキー(チェロ)、アルゲリッチ&フレイレ(ピアノ)
2.ホフマンの舟歌(オッフェンバック)/ヤルヴィ指揮エーテボリ交響楽団
3.交響曲 第5番~アダージェット(マーラー)/小澤征爾指揮ボストン交響楽団
4.ピアノ・ソナタ 第8番 《悲愴》第2楽章(ベートーヴェン)/ダニエル・バレンボイム(ピアノ)
5.花のワルツ(チャイコフスキー)/レヴァイン指揮ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
6.弦楽セレナード~ワルツ(チャイコフスキー)/アシュケナージ指揮サンクトペテルブルク・フィルハーモニー交響楽団
7.パガニーニの主題による狂詩曲 第18変奏(ラフマニノフ)/ラン・ラン(ピアノ)、ゲルギエフ指揮マリインスキー劇場管弦楽団
8.クラリネット五重奏曲 第1楽章(モーツァルト)/ペーター・シュミードル(クラリネット)、ウィーン八重奏団員
9.《真夏の夜の夢》序曲(メンデルスゾーン)/小澤征爾指揮ボストン交響楽団
10.木星(ホルスト)/レヴァイン指揮シカゴ交響楽団

『藤本先生の聴くだけで悩みがスッキリ ~憂鬱・倦怠感・不安・喪失感・焦燥』
2015年6月17日発売
UCCG-6164 2,160円
1.弦楽のためのアダージョ(バーバー)/ビシュコフ指揮ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
2.即興曲 D899の3(シューベルト)/マリア・ジョアン・ピリス(ピアノ)
3.楽園にて(フォーレ)/ジュリーニ指揮フィルハーモニア管弦楽団&合唱団
4.前奏曲《鐘》(ラフマニノフ)/牛田智大(ピアノ)
5.ヴァイオリン協奏曲 第1楽章(メンデルスゾーン)/諏訪内晶子(ヴァイオリン)、アシュケナージ指揮チェコ・フィルハーモニー管弦楽団
6.バラード 第1番(ショパン)/ヴラディーミル・アシュケナージ(ピアノ)
7.ピアノ協奏曲 第1楽章(シューマン)/エレーヌ・グリモー(ピアノ)、サロネン指揮シュターツカペレ・ドレスデン
8.飛翔(シューマン)/ヴラディーミル・アシュケナージ(ピアノ)
9.愛の挨拶(エルガー)/チョン・キョンファ(ヴァイオリン)、フィリップ・モル(ピアノ)
10.私のお父さん(プッチーニ)/ルネ・フレミング(ソプラノ)、マッケラス指揮ロンドン・フィルハーモニー管弦楽団

『藤本先生の聴くだけで不眠がスッキリ ~寝付きが悪い・眠りが浅い・目覚めが悪い』
2015年6月17日発売
UCCG-6165 2,160円
1.ゴルトベルク変奏曲:アリア(バッハ)/アンドレイ・ガヴリーロフ(ピアノ)
2.パッヘルベルのカノン(パッヘルベル)/イ・ムジチ合奏団
3.G線上のアリア(バッハ)/イ・ムジチ合奏団
4.夜想曲 第2番(ショパン)/マリア・ジョアン・ピリス(ピアノ)
5.アンダンテ・カンタービレ(チャイコフスキー)/エマーソン弦楽四重奏団
6.ピアノ協奏曲 第20番~ロマンス(モーツァルト)/フリードリヒ・グルダ(ピアノ)、ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団 指揮:アバド
7.亜麻色の髪の乙女(ドビュッシー)/アレクシス・ワイセンベルク(ピアノ)
8.ピアノ協奏曲 第2番 第2楽章(ショパン)/ヴラディーミル・アシュケナージ(ピアノ)、ロンドン交響楽団 指揮:ジンマン
9.月の光(ドビュッシー)/ジャン=イヴ・ティボーデ(ピアノ)
10.タイスの瞑想曲(マスネ)/アンネ=ゾフィー・ムター(ヴァイオリン)、ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団 指揮:レヴァイン
11.ピアノ協奏曲 第5番 《皇帝》 第2楽章(ベートーヴェン)/内田光子(ピアノ)、バイエルン放送交響楽団 指揮:ザンデルリンク
「藤本先生の“白鳥”を聴くだけで痛みがスッキリ」
500円
1.「白鳥」(チェロ:ミッシャ・マイスキー)
2.「白鳥」(チェロ:ヴォルフガング・ヘルツァー)
https://itunes.apple.com/jp/album/fujimotosennseino-hakuchoo/id985155801?at=10l3PY

◆「藤本先生の聴くだけでスッキリ!」シリーズ
この記事をツイート

この記事の関連情報

*

TREND BOX

編集部おすすめ

ARTIST RANKING

アーティストランキング

FEATURE / SERVICE

特集・サービス