<JAPAN NIGHT>ロンドン公演2daysが2015年7月10日および11日、indigo at The O2にて開催された。その二日目のオフィシャルレポートをお届けしたい。

◆<JAPAN NIGHT>ロンドン二日目 画像

日本ロックが本場を魅了した初夜は、その余熱をたっぷりと残して二日目へと繋げられた。そして7月11日、<JAPAN NIGHT>ロンドン公演二日目が幕を開ける。定刻の現地時間19時に場内が暗転。この夜のトップを飾るは、凛として時雨だ。2010年のUKツアー以来となる彼らのロンドン公演はオーディエンスの期待が熱気となって場内に立ち込めている。SEとともに場内にブルーのライトが交錯すると、条件反射的にフロアから嬌声が上がり始めた。次の瞬間、TKのギターリフが高らかに鳴り響き、「Enigmatic Feeling」を幕開けの序曲に<JAPAN NIGHT>の第二夜がスタートした。3ピースとは思えぬほどの音圧は、彼らならではの緻密なアンサンブルによるものだ。

「Hello everyone.We are ling tosite sigure.Please enjoy,our Crazy Japanese Sound」。TKによるMC第一声にロンドンオーディエンスが最初の爆発へ。その言葉通り、凛として時雨のクレイジーサウンドが、ここロンドンを狂わせた。

「想像のSecurity」「DISCO FLIGHT」といった初期からの代表曲が会場を燃え上がらせる姿はまさに圧巻。もちろんサウンドだけではない。ピエール中野によるコール&レスポンスは、たとえ彼らを知らなくても巻き込んでしまう陽のパワーに溢れている。「Let's try! Japanese famous “Call & Response”, OK!? I say “ultra soul”.You say “Hi!”」といった具合に、“チョコレイト・ディスコ”のコール&レスポンスも、「PSYCEDELIC VIOLENCE CRIME OF VISUAL SHOCK.We are X」のコール&レスポンスもロンドンで成立させてしまった。思わず場内が笑顔になり、結果的には身も心も惹きつけて楽しませるピエール中野のMCは、ここイギリスも日本も隔たりがない。

同時に、凛として時雨が描く轟音と静寂も、狂気と儚さも、音楽としてしっかりオーディエンスの心に届いているようで、「Who What Who What」「I was music」など中盤に披露されたナンバーでは客席から「ling tosite sigure!」とバンド名を叫ぶ声がそこかしこに上がった。その声はライヴが進行していくにつれ、大きく脹れ上がっていく。怒濤の後半は「Telecastic fake show」「感覚UFO」などのハードナンバーの連発だ。エンディングナンバーの「傍観」では345がステージひざまずいて激情的なサウンドを奏でる場面も。

▲凛として時雨 画像

派手な演出など一切ない。ただ純粋に音楽を届けるだけ。すべての演奏がストップした後も、その余韻を味わうようにざわめきが止むことがなかった客席に、凛として時雨が持つロックな鋭さとポップな鮮やかさが確実に染み渡っていたことが感じられる。終演後の楽屋裏で「楽しかったです。またやりたいですね」と語ったくれたTKの笑顔がライヴの成功を物語るように清々しかった。

続いての登場は[Alexandros]だ。初日に圧巻のステージを披露した彼らだが、二日目にはそれを上回る熱量の高さがあった。客席の反応も同様、フロア前方に陣取った英国男性が頭を抱える仕草で喜びと感動を表現しつつ“Amazing!”を連呼するほど。

そんな彼らのステージは、「Good evening London!」という川上の第一声を合図に「Stimulator」からスタートした。続けて「Starrrrrrr」「Kick & Spin」と矢継ぎ早に代表曲が演奏され、その「Kick & Spin」のエンディングでは川上がフロアに飛び降りるなど序盤から灼熱のハイライトシーンも。しかし、サプライズはまだある。

「Hey you Guys! Screaming! Scream Mothefucker!」

という川上のMCを挟んで演奏されたナンバーは英国を代表するロックバンドBlurのカバー曲「Song2」だったのだ。ちなみに関係者に配られたセットリストには同曲のタイトルは一切記載されていなかった。これにはロンドンオーディエンスから「[Alexandros],I Love you!!」という絶叫が轟いた。

また、リハーサル前に行われた現地メディア取材で、「[Alexandros]のライヴは音源よりもラウドだが?」という質問があった。これに対して川上は、「OasisやBlur、Primal ScreamなどUKロックやブリットポップからの影響が僕らの音楽にはある。だけど、それだけではなくて。いろいろな要素が複合的に絡み合っているから、ラウドにも聞こえるんじゃないかな」と語っていた。ブリットポップを土台にスラッシーな要素が加えられたアレンジは彼らならではのオリジナリティ溢れるものだが、そのサウンドを幾重にもラウドにしているのが、彼らが生身のライヴで放出する膨大なエナジーだ。ロンドンのオーディエンスにもメディアにもそれが伝わっていることが実感できる熱狂が今、目の前で繰り広げられている。

▲[Alexandros] 画像

エンディングナンバーは前夜と同じく「Adventure」。再びステージからフロアへ降りた川上が“oh oh oh”のシンガロングを促し、会場全体に美しい歌声がこだました。ロックが言語も国境も越えてひとつになる。もはや日本も英国も関係ない。「I Love London!」と叫んだ川上は再びLondonを訪れることを誓って、感動のステージに幕を下ろした。

そして<JAPAN NIGHT>ロンドン公演2daysを締めくくるのは、やはりVAMPSだ。2013年10月にO2 Academy Islingtonで初のロンドン単独公演を開催した彼らは、2014年3月にKOKOにてワンマンを成功させており、今回の<JAPAN NIGHT>は自身三回目のロンドン公演となる。前夜のHYDEによる突然の客席ダイヴの余熱もあってか、ロンドンのオーディエンスは彼らが姿を現す前からひとつになっていた。現地時間21時10分、いよいよそのステージがスタート。

この夜のVAMPSも切れ味鋭くタイトでヘヴィ。地を這うド迫力サウンドから高々と舞うK.A.Zのジャンプまで、狂おしいほどに妖艶で危険な香りを撒き散らしながらライヴが展開されていく。「WORLD'S END」「LIPS」といった攻撃力の高いナンバーの連発にロンドンの夜が酔いしれ、眼前にヘッドバンキングの嵐が広がった。とりわけ「Hello London! VAMPS is here!!」というMC第一声直後に披露された「EVIL」では、鬼気迫るほどの高いテンションが会場に充満していくような感覚を覚えた。

もちろん、そうした全米ツアーで磨き上げられた屈強なナンバーのみならず、セットリストは彼らが持つ多種多様なナンバーを散りばめた起伏に富んだもの。JINの華麗なピアノソロに続く「VAMPIRE'S LOVE」ではその美しき音色にオーディエンスが身を委ね、「ANGEL TRIP」では華々しく客席にタオルが舞い上がる。また、「How are guys doing? Are you enjoy <JAPAN NIGHT>?」といったMCには英国男女から「KAWAII!!」との声援が飛び交い、ロンドンとの至近距離のやりとりを楽しむ場面も。その自在な緩急は、全米ツアーや国内ライヴハウス&アリーナツアーなど、ロングサイズのツアーを経てきたからこその結実であり、HYDE曰く「客席から観ていた」という[Alexandros]や凛として時雨、OKAMOTO'Sの熱演がもたらした効力もあったに違いない。そして本編は「BLOODSUCKERS」「MIDNIGHT CELEBRATION」といった現在の彼らを代表するラウドにして硬質なナンバーで幕を閉じた。

アンコールは、バンド名を叫ぶ“VAMPS!VAMPS!”や「REVOLUTION II」の一節“BANG ON STOMP EVERYBODY”、“ONE MORE!”や“YEAH!”などの大音量の嬌声が入り交じり、痛快極まりない。そして「REVOLUTION II」「SEX BLOOD ROCK N’ ROLL」ではHYDEが客席へ再びダイヴ。ロンドンファンの頭を撫でながら熱唱する場面が繰り広げられた。HYDEによるとこのダイヴは「身体が勝手に、本能的に」動いたものだそうで、ロンドンの熱狂が、ファンの笑顔が、極上の夜が、そうさせたものでもある。

▲VAMPS 画像

すべての演奏を終えたHYDEは、バラの花をちぎっては客席に投げ入れてこう叫んだ。「I love London! See you soon! Thank you good night!」。HYDEとK.A.Zがステージを去ったあとも、ファンは最前列の柵前にへばりついてバラの花びらを求めている。時計をみれば、22時30分を廻っていた。全3時間30のロンドン公演2日目は、凛として時雨が狂気を描き、[Alexandros]が感動に酔わせ、VAMPSが爆発した。あまりにも凄まじいステージの数々は、高ぶるロンドンの夜を真っ白に燃え上がらせた。

日本音楽の魅力を世界へ伝える祭典<JAPAN NIGHT>の海外公演第三回目は、ロックの本場イギリスに終始興奮状態を描き続けた。ロンドンの声援は楽屋にいるバンドメンバーたちにも届き、そのコミュニケーションは濃厚にして極上なものとなった。VAMPS、凛として時雨、[Alexandros]、OKAMOTO’S。それぞれスタイルの異なる4バンドがすべてを出し切った爽快感。そしてそれらが<JAPAN NIGHT>を成功へ導いた充実感。日本の音楽がまた世界に伝説を築き上げた夜となった。

取材・文◎梶原靖夫(BARKS) 撮影◎今元秀明

■<JAPAN NIGHT>ロンドン公演二日目
2015年7月11日(土)@indigo at The O2セットリスト
【凛として時雨】
01.Enigmatic Feeling
02.想像のSecurity
03.DISCO FLIGHT
04.Who What Who What
05.I was music
06.abnormalize
07.Telecastic fake show
08.感覚UFO
09.傍観

【[Alexandros]】
SE:Burger Queen
01.Stimulator
02.Starrrrrrr
03.Kick & Spin
-Song2-
04.Dog 3
05.Famous Day
06.ワタリドリ
07.Adventure

【VAMPS】
01.WORLD'S END
02.LIPS
03.EVIL
-PIANO SOLO-
04.VAMPIRE'S LOVE
05.ZERO
06.ANGEL TRIP
07.BLOODSUCKERS
08.MIDNIGHT CELEBRATION
-encore-
en1.REVOLUTION II
en2.DEVIL SIDE
en3.SEX BLOOD ROCK N'ROLL


●<JAPAN NIGHT>ロンドン(イギリス)公演

2015年7月10日(金)
・出演:VAMPS、[Alexandros]、OKAMOTO'S
・会場:indigo at The O2
・開場 18:00 / 開演 19:00
Floor アリーナ(立ち見):£30.00
Kings Row スタンド前方席:£50.00
Balcony スタンド後方席:£30.00
Balcony Standing スタンド後方(立ち見):£25.00
[問] www.robomagiclive.com

2015年7月11日(土)
・出演:VAMPS、[Alexandros]、凛として時雨
・会場:indigo at The O2
・開場 18:00 / 開演 19:00
・Floor アリーナ(立ち見):£30.00
・Kings Row スタンド前方席:£50.00
・Balcony スタンド後方席:£30.00
・Balcony Standing スタンド後方(立ち見):£25.00
[問] www.robomagiclive.com

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