【ライヴレポート】VALSHE、「あなたたちと積み重ねてきた5年間は宝物」

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VALSHEが10月3日、5年間の集大成であるベストアルバム『DISPLAY -Now&Best-』を引っさげてのツアー<LIVE THE ROCK!!2015~BEST DISPLAY for YOU~>のファイナル公演を舞浜アンフィシアターで行なった。先ごろ公開した速報レポートに続いて、詳細レポートをお届けしたい。

◆VALSHE 画像


すでに報じられている通り、重大発表が告知されていたライヴは文字通り、想像もしていなかった展開となった。会場に集結したオーディエンスのほとんどがその発表は6年目のVALSHEとしての活動に関わるものだと想像していたのではないだろうか。

が、VALSHEの視線は現在の延長戦上にはなかった。ベストアルバムに収録されている新曲「DISPLAY」ミュージックビデオで現在のVALSHEが檻の中に入っていくシーンについて「ベストアルバムがリリースされた瞬間、新しいVALSHEも記憶になっていく。また、新しい看守がそこに立つというメッセージを込めています」とインタビューで語っていたが、それこそがファイナル公演のヒントであったことに、この日のライヴを見た後、遅ればせながら気づいた次第だ。


ライヴは「DISPLAY」ミュージックビデオさながらの演出から幕を開けた。看守と囚人たちに扮したバンドメンバーとダンサーがステージに登場し、「全員、揃ったな。さあ、始めようか」というVALSHEの声が鳴り響き、演奏が始まるとステージから白い鉄格子がせり上がる。その中に閉じこめられたVALSHEが座りながら「DISPLAY」を歌い、やがて立ち上がって鉄格子を掴んでパフォーマンスする姿に客席は釘づけになった。

檻の中から飛び出して、アグレッシヴなナンバー「WISHLIST」を歌い、「飛ばしていこうぜ! 舞浜!」と叫んだVALSHE。バンドメンバーと絡んで「REVOLT」に突入し、前半からアクセルを踏んでいく。



「VALSHE、“LIVE THE ROCK!! 2015 ~BEST DISPLAY for YOU~”へようこそ! 今日はVALSHEにとっても、みなさんにとっても限りのある中で作る大切な時間です。ファイナル、ベスト、5周年ということで、たくさんの楽曲を紡いでいこうと思います。今日は特に1曲1曲に込めた想い、その曲に注いだ時間、そして曲に関わってくれた人たちのこと、いろんなことを思い出しながら大切に歌いたいと思います」──VALSHE

今にして思えば、このMCにもVALSHEからの深いメッセージが込められていた。


大好きな曲だと紹介した「Butterfly Core」のカップリング曲「赤い棘」では悲鳴に近い歓声があちこちから飛び、真紅の照明の中、翳りのある生々しい楽が心の叫びや刺さった棘を浮き彫りにした。5周年ベストツアーにふさわしいスペシャルなメドレーも披露され、バラード「ハルノハテ」では伸びやかな歌を響かせる。ベスト盤に収録されている楽曲に沿うのではなく、駆け抜けてきた日々を彩ってきた大切な曲たちが披露されていく。

いったんVALSHEはステージから去り、スクリーンに映し出されたのはデビューから2015年に行われたライヴハウスツアーまでの軌跡のダイジェストだった。“手探りで作品を作っていた頃”、“まだまだもっといいものを、と追い求めていた頃”、“すべてが怖いと思ってしまった頃”、“みんなに会いたい気持ちが爆発しそうだった頃”、“自分の代わりはどこにもないんだと本当に思えた頃”。“直接、想いを伝えられることに胸がいっぱいだった時”など。VALSHEのナレーションがイラストのみで顔を公開していなかった時期や、初めて実体を伴なったVALSHEとして活動し始めた時期の映像(ミュージックビデオやオフショット、ライヴ)と共に流され、感無量の空気が場内を包んだ。


続いて紫の衣装に着替えたVALSHEがダンサーたちと踊りながら歌うセクションへと突入。「jester」から「vulgar gem」へのメドレーで華やかでエンターテインメントなステージを繰り広げ、2014年発表のミニアルバムからセレクトされた「セミステージ」では妖艶なダンスを披露し、ドキッとするほどオトナな表情を見せる。デジタルなダンスナンバーセクションではパフォーマーとしてのVALSHEにも魅了され、代表曲のひとつ「Myself」では「一緒に歌ってくれますか!?」と煽る。バンドメンバーとダンサーたちがステージを盛り上げる中、再び、VALSHEがはけるというショーアップされたステージである。


本編第3幕といってもいい後半戦はチェックのパンツとレザージャケットに着替えたライブハウスツアーを思わせるVALSHEがアグレッシブなステージを展開。「ジツロク・クモノイト」ではモニターに足をかけ、ヘドバンしながら激しくシャウトし、エンディングで不敵な笑いを響かせる。敬礼するシルエットが逆光の中、浮かび上がった「microSOLDIER」でも攻撃的に振り切れ、ロックなVALSHEが炸裂。激しく動きまわりながらも圧倒的なヴォーカル力で場内の空気をひっぱっていき、VALSHEのひとつの転機となったヒットナンバー「Butterfly Core」から「PLAY THE JOKER」へ。みごとに見せて聴かせた本編を締めくくった。

VALSHEコールの中、笑顔で登場したアンコールではリラックスした様子で「今日はありがとう。楽しんでいただけましたか? じゃあ、恒例のやっちゃいますか?」とサイン入りのカラーボールをメンバーと共に客席に投げ入れ、みごと一発でキャッチしたファンがいると「すごい!」と賞賛。


「ご注文の多いみなさんに次のメニューを用意しております」と茶目っ気たっぷりに披露した「MANY ORDER」では本編でペンライトを振っていた客席がジャンプしてタオルを振りながら一体に。メドレーのあとで、がむしゃらだった道のりに触れ、この場で歌って伝えられたらすべてが報われる気がすると前置きした上でファンと共に大切にしてきたminatoとの初合作のリファインヴァージョン「crash!- REBIRTH-」を凛々しく歌い切る姿も印象的だった。

そして、VALSHEの真摯なMCに場内が静まり返った。

「最高に楽しいです。今日に限らず、充実した日々を過ごしてきました。つねに試みて、つねに挑戦することが叶った5年間です。まだ、たったの5年だけど、そう言いきれないほどにあまりにも色濃い日々。VALSHEはVALSHEでしかありません。ここに立てるのは自分しかいません。だけど、みんなと時間を共有できる裏側にはいつだって多くの人たちの血と汗と努力がありました。何より受け止めてくれるみんなの存在がなければ、自分はとっくにへし折れていました。そして、この場にVALSHEが立って歌う姿を誰よりも願い、望み、喜んでくれたのはminatoでしょう。この場を借りてひとことだけ言わせてください。minato、辛いことも嬉しいことも苦しいことも楽しいことも支えてくれて分かち合えたから全部が楽しかった。幸せだった。5年間、一緒に歩いてくれてありがとう!」──VALSHE

そんなVALSHEの言葉に、長年楽曲をコラボレートしてきたminatoとの決別を想像した人もいただろう。だが、それ以上に衝撃的な言葉が会場に響いた。「このファイナルをもって5周年を迎えたVALSHEは1度、足を止めます!」。突然のことに悲鳴を上げ、「イヤだ!」と泣き叫ぶオーディエンス。もちろん、VALSHEも涙を流していた。

「自分は次のステージに向かいたい。同じことを繰り返す日々はつまらないでしょう!? みなさん、VALSHEと一緒に成長していきましょう。6年目のVALSHEから新プロジェクトを発表します!」──VALSHEどよめく場内の中、スクリーンに映し出されたのはVALSHEとminatoによる新ユニット、ViCTiMのティザー映像だった。“強烈な憎悪と 醜悪な嫉妬と クソ虫どもの羨望を喰らうViCTiM”という2人のナレーションが流れ、泣き声は安堵と驚き、歓声へと変わっていった。

「最後に1つだけケジメをつけたいことがあります。ここで、この曲を歌い切るのは最大の試練だけど、ここで歌うことによってこの曲が本当の希望になると思うから、みんな力貸してくれる?」──VALSHE

そう伝えて披露された切ないバラード「君への嘘」が胸を打った。ダブルアンコールに応え、「Prize of Color」、「shout of JOY」を歌い、最後に再び、笑顔になったVALSHEは、「あなたたちと積み重ねてきた5年間はVALSHEの宝物です! みんな、これからもよろしくお願いします」と鳴り止まない声と拍手の中、ステージを後にした。


なお、VALSHEはライブ後のブログで、minatoとのユニットViCTiMは以前から構想していたことだったこと、新たなプロジェクトをスタートさせるからといって、VALSHEとしての活動を全面的にずっと凍結するわけではないと誠意ある言葉で綴っている。6年目のVALSHEの刺激的な活動を楽しみにしていたい。

取材・文◎山本弘子

■<VALSHE LIVE TOUR 2015 ファイナル公演
LIVE THE ROCK!! 2015 ~BEST DISPLAY for YOU~>
2015年10月3日(土)@舞浜アンフィシアターSETLIST

OPENING SE
M01.DISPLAY
M02.WISHLIST
M03.REVOLT
-MC-
M04.赤い棘
M05.AFFLICT&Fragment メドレー
M06. ハルノハテ
M07.RAGE IDENTITY
M08.jester&vulgar gem メドレー
M09. セミステージ
M10.EVALUATION
M11.Myself
M12.BLESSING CARD
M13.Tigerish Eyez
M14. ジツロククモノイト
M15.microSOLDIER
M16.Butterfly Core
M17.PLAY THE JOKER
<encore1>
-MC-
M18.MANY ORDER
-MC-
M19.Paradise Cage & Dead to the World & STAR GATE メドレー
-MC-
M20.crash! -REBIRTH-
-MC-
M21. 君への嘘
<encore2>
M22.Prize of Color
M23.shout of JOY




■ベストアルバム『DISPLAY–Now&Best-』

9月23日(水)発売
【初回限定盤(CD+DVD+フォトブック)】JBCZ-9019 4,200円 tax in
※三方背仕様
※フォトブック(24P)付き 
<特典DVD収録内容> 
・「DISPLAY」MUSIC VIDEO
・Making of 「DISPLAY」 
【Musing盤(CD+豪華ブックレット)】JBCF-9006 13,000円 tax in
<特典内容>
※LPサイズスペシャル・パッケージ仕様
※三方背BOX 収納
※豪華ブックレット(28P)付(LPサイズ撮り下ろし写真、書き下ろしイラスト、歌詞を掲載)
※音楽ポータルサイト"Musing"のみでのお取り扱いとなります。
※Musing限定特典は、白皙描き下ろしコミック!
VALSHE非公認サークルの始動&続報をお待ちください!
【通常盤(CDのみ)】JBCZ-9020 2,800円 tax in
<CD収録内容>※全共通楽曲
DISPLAY
crash! -REBIRTH-
Myself
REVOLT
jester
PLAY THE JOKER
AFFLICT
Fragment
Tigerish Eyez
BLESSING CARD
Butterfly Core
RAGE IDENTITY
TRANSFORM
marverous road
TRIP × TRICK
ジツロク・クモノイト
君への嘘
全17曲
<全共通封入特典>
※連動特典応募用ID封入

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