【インタビュー】菜苗、「私が歌の中で一番やりたいことはアニソンを中心に幸せを届けてそれを共有していくということ」

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■「とどかぬ願い」は新たな私の歌い方を引っ張り出してくれた歌になったので
■自分にとってもすごく新鮮でした。経験値を積み重ねることが出来た曲です


――今作には、これまで配信された「believe」「Re:LOOP」「とどかぬ願い」だけではなく新曲の「ウタトキキセキ」と、菜苗さんが作詞作曲、演奏まで行った「裸足で」の5曲が収録されています。自作曲はどれくらいかけて作っていったんですか?

菜苗:「裸足で」はアルバム収録のためにブラッシュアップをしたんですが、この曲の元になっている楽曲は1年前くらいからありました。

――どんな思いを込めてこの曲を作ったんですか?

菜苗:私が育った場所って、2キロ先まで家がない、すごいド田舎なんです。電車も30分に1本で。夏になると、お日様が沈んだ後もアスファルトに熱が残っていて温かいんです。私はそこを裸足で歩くのが好きだったんです。それがタイトルにもなっている「裸足で」ということなんですけど。そんな環境で育ったので、東京で生活したギャップがすごかったんです。

――なるほど。

菜苗:地元にいれば等身大で生きていても、周りのみんなが温かく受け入れてくれたけど、東京ではそうもいかないことも多い。東京でもたくさんの優しい素敵な方に出会えているんですけど、知らなかったたくさんのことがあって、余裕がなくなることもありますし。夢を叶えるために、家族とか私が大切に思っている人を大切にする時間を削ってでもやらなきゃいけないことがいっぱいあるんですよね。そうやって、今まで、当たり前に出来ていたことが出来なくなっていくという状況でも、なくしちゃいけないものって絶対にあって。そういうことを心にしっかり持っていないと、菜苗の歌として唄えないものが絶対にあるので、それを失わず大事にしながら、ちゃんと戦って行けるように……という思いを込めて作った歌なんです。


――他の収録曲とは雰囲気が違いますよね。

菜苗:自分の言葉を一番に考えて、ストレートに乗せている歌なので。福岡にいた私と東京にいる私が合わさった歌なんです。

――作曲を始めたのはこの曲が初めて?

菜苗:いいえ。上京する直前に初めて作った曲があるんです。その時はもう歌の道を志して東京に出るっていうのが決まってたんですけど、心配しながら送り出してくれる地元の友達に感謝を伝えるにはどうしたらいいんだろう?って考えたんですよ。音楽の道を志して福岡を出るんだから、歌で伝えようと。そこで初めて作詞作曲をして、短大の卒業後のお別れ会の時に、人前で弾き語りで歌わせてもらったんです。

――「裸足で」ではご自身で演奏もしていますけど、ピアノは習っていたの?

菜苗:幼稚園の時くらいにクラシックピアノを習っていました。でも、レコーディングとなるとすごく大変で、プロの方って本当にすごいなぁって思いました。自分の色を入れて、感情も込めて、でもテンポを守って弾くということがこんなに難しいものなんだ!と。自分が弾いたピアノに合わせて唄ってみたらものすごく歌いにくくて。弾きながら同時に唄っている時とはまったく違うので、そういう意味ではすごく苦労した曲ではあります。

――その他の楽曲は、それぞれどんなイメージで唄っているんですか?

菜苗:「believe」はゲームやアニメに使われるなら、戦うような場面で流れるとより盛り上がるかもしれないなぁという気持ちを込めています。「Re:LOOP」は、ライヴで一緒に楽しんでくれている方のイメージなんです。イントロからライヴで高まってくれるんじゃないかなぁとか、どうやったら盛り上がれるかなぁってイメージを膨らませながら唄った曲です。「believe」「Re:LOOP」はロック寄りでカッコ良くて、私のストレートな歌声の印象が強い曲ですが、「とどかぬ願い」はその2曲とはまた違う世界観だと思うんです。

――確かに、2曲と比べると女の子っぽい歌詞ですもんね。

菜苗:はい。曲をいただいた時は、すごく可愛らしい歌詞だし、「この曲を私が唄って大丈夫?」って思ったんですよ(笑)。ある意味、挑戦というか。私が歌う時は、この楽曲のイメージの中で歌うんですけど、そのイメージが声となって出てくるという感じなんですよ。フィーリングだけで唄っているところがあるんですけど、今まで唄ったことがなかった曲だからこそ、出したことがなかった声色が自然と出てきちゃって(笑)。新たな私の歌い方を引っ張り出してくれた歌になったので、自分にとってもすごく新鮮でした。経験値を積み重ねることが出来た曲ですね。

――「ウタトキキセキ」は、「裸足で」とも近い世界観で。

菜苗:この曲をいただいた時、ちょうどこういう曲を歌いたいと思ってたので驚いたんですよ。アニメ『ワンパンマン』のエンディングで森口博子さんが優しい包容力のある楽曲を唄っていて、そういう楽曲が歌いたかったんです。「ウタトキキセキ」は、それと通じる温かい歌だったので、心を読まれているのかと思いました(笑)。この曲は12月1日のバースデーライヴでも歌わせていただいたんですけど、ライヴって、その時にきてくれた全ての人、一つでも欠けたら、違うものになるわけじゃないですか。だから、それって奇跡だと思うんですよね。その奇跡が生まれた瞬間……バースデーライヴで、この曲が唄えて本当によかったなと思っていて。私がここまで歩んでこられた、積み重なっている一つ一つが奇跡ですし、今の自分にすごくシックリくる歌なんです。このタイミングで唄えたことがすごく幸せだなと感じています。


――12月1日のバースデーライブは成功したそうですね。

菜苗:はい、自分の誕生日当日の12月1日に東京・初台DOORSというライブハウスで、メインでライブをさせていただきました。新曲の「ウタトキキセキ」の初披露のステージでもあり、そしてこれまでに共演してきたアーティストさんで尊敬しているアーティストさんにも出演いただき、オープニングアクトとして私が1曲歌ってスタートしたのですが、平日の18:55という早い時間にも関わらず、沢山のお客様に来ていただきオープニングから涙をこらえるのに必死でした(笑)。その後も各出演者さんとコラボをしたり、JULiCさんというガールズバンドさんともコラボさせていただきバンドの中で歌わせてもらったりと初めてのことが多くて。最後の自分の番になったとき、MCでこらえきれず泣いてしまいました。お客様から「早すぎるだろー」とか言われたのですが、この日こうやって共演者様、お客様1人1人が集まってくれたおかげで実現できたステージで、この日しか無い本当に特別な空間でした。アンコールもいただいて、その時に新曲の「ウタトキキセキ」を歌ったんです。私は感情表現や言葉で素直に感謝の気持ちを伝えることがとても苦手なんですが、それを全て代わりに伝えてくれるとても素敵な歌詞で今の私の感情の全てを言葉にしてくれていると思っています。


――目標は?

菜苗:ライヴで体感していただくのはもちろんなんですけど、ライヴ活動は東京中心なので、よりたくさんの人に知っていただけて、自分の魂をのせたものを届けられるような活動もしていきたいですね。CDをリリースすることはもちろんなんですけど、早くゲームやアニメに携わりたいと思っています。アニメや漫画は大好きでずっと見たり読んだりしていたんですが、最近少しずつゲームもやるようになって、アルバム収録曲の「believe」「Re:LOOP」「とどかぬ願い」「ウタトキキセキ」はただのオリジナル曲としてCDや配信でお届けするだけでなく、スマホのゲームなどのOP/EDや挿入歌に採用していただけないかなと思っています。最近やり始めたのは、コロプラさんの「白猫プロジェクト」やセガ(SEGA)さんのRPG「フォルティシア」「オルタンシア・サーガ」、Dank Heartsさんの「輝星のリベリオン」、マーベラスさんの「剣と魔法のログレス」、Wright Flyer Studiosさんの「消滅都市」などで、こういったゲームに私の歌声を使っていただいたり、ガンホーさんの「ディバインゲート」これは2016年1月8日からアニメ化もされるので、挿入歌など歌わせてもらえたらと思っています。ですので、ゲームのメーカーさんなどにお声掛けをいただけることが今の目標です!


取材・文●大橋美貴子


『Happy together』

レーベル:SOUNDEARTH
CD型番:SELI-1001
希望小売価格:1,852円+税
1.believe
2,Re:LOOP
3.とどかぬ願い
4.ウタトキキセキ
5.裸足で
発売日:
2015年12月23日 タワーレコード福岡パルコ店、タワーレコードアミュプラザ博多店にて先行発売

2015年2月3日 タワーレコード全店、タワレコオンライン、ツタヤ全店、ツタヤオンライン、HMV、ディスクユニオン、新星堂、ヴィレッジ・ヴァンガード等のCDショップで全国販売開始


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