【インタビュー】Purple Stone、5thシングルは「“V系に対する挑戦”がテーマ」

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■ラブソングと捉えても、猫の歌と捉えても
■下ネタと捉えても、僕はどれでも構わない──風麻

──「パニックパニック!」【C-type】に収録されたカップリング曲「キャットウォーク」は王道的なロック感を活かしたパワフルなミディアムテンポのナンバーです。

風麻:僕が作った原曲を聴いたGAKが、「これはぜひ形にしたい」と言ったんです。デモはもっとプリミティブなロックだったけど、GAKがアレンジしたらスタジアムロックみたいになっていて。こういう路線で来たか!と。良い意味でビックリしました。

Keiya:ヴィジュアル系でこういう方向性はタブーなんじゃないかという気がしていたんですけどね。でも、GAKが作ってきたデモを聴いた時にすごくカッコいいなと。「これは絶対にやろう」と言いました。

GAK:もともとハードロックとかが僕はすごく好きなんですよ。'80年代のモトリークルーとかホワイトスネイクとか。2000年代だとニッケルバックとか。ああいうバンドはスタジアム感があるじゃないですか。そのテイストをイメージしながら冒頭で歓声が鳴って、ギターリフが鳴って、バンドインするという形に。Purple Stoneもスタジアムバンドになりたいという意志も込めています。

▲「パニックパニック!」【C-type】 CD Only

風麻:僕が作ったリフの原型を、GAKがT-REXの「20th Century Boy」っぽく変えたたんだよね?

GAK:僕はマーク・ボランも好きで、それを今の世代の人たちにも知ってほしいという気持ちがあったので、リスペクトとして。ただ、それをストレートに弾くのは違うのでファズとワウを掛けて、少しずつワウを開いていくようにして、オリジナリティーを出しました。
──やりますね。フワフワした彼女への想いを描いた歌詞も注目です。

風麻:歌詞にはいろんな意味があって。表面的にはいろんな悪さをする女子を待っている男性の歌詞なんですけどね。もともとは僕が今飼っている猫が一度逃げたことがあって、それと重ね合わせた部分もあります。

──猫が脱走するって、珍しくないですか?

風麻:それがしたんです。いつの間にかベランダの窓の鍵を開ける技を覚えたらしくて、僕が外出から帰ってきたらベランダの窓が少しだけ空いていて、猫がいなくなっていたんですよ。それで泣きながら一晩中探したけど見つからなくて、“どうしよう? もう生きていかれへん”と思いながら家に帰ったら、普通に布団で寝ていたという(笑)。その経験を恋愛に置き換えつつ、“僕は君のことを理解して待っているから。他の場所には何もなくて、君にとって本当に大事なものは一番近いところにあるからね”ということを書いています。ま、半分下ネタですけど(笑)。

──えっ、そうでしたっけ? そう言われて読むとたしかに下ネタっぽいですね。

Keiya:言わんかったら、分からへんのに(笑)。

風麻:えっ、そう? 1行目書く時からニヤニヤしてたんだけど(笑)。でも、ラブソングと捉えても、猫の歌と捉えても、下ネタと捉えても、僕はどれでも構わないです。

Keiya:っていうか、ま、下ネタだよな(笑)。歌は、この曲のサビで“ニャオニャオ”言っているんですけど、本当に苦労しました。デモが完成した時に思ったんですけど、本来は“ニャオニャオ”じゃなくて“ニャアニャア”じゃないですか。で、“ニャア”寄りの“ニャオ”なのか、“ニャア~オ”なのか(笑)。結局、いろいろやってみることにして“ニャアニャアニャア”と歌ったら、すごくイヤラしかったんですよ、下品というか。で、“ア”と“オ”の中間みたいなニュアンスにしました。なので、「パニックパニック!」のセリフの次は猫の声のニュアンスで悩ませるのかよっていう(笑)。

風麻&GAK:ハハハ!
Keiya:それに、“ニャオニャオ”の後は普通の歌詞なんですよね。“○○だにゃあ”とかかじゃなくて、“耳を澄ませば 聞こえそうな星空”という言葉がくる。だから、ふざけたらアカンというのがあって、結構大変でしたよ(笑)。

▲「パニックパニック!」【D-type】 CD Only

風麻:あと、この曲の頭に猫の声が入っているじゃないですか。あれは僕の家の猫の声。「どうしても風麻の家の猫の声が使いたい」というメールがGAKから来て。それも「すぐに欲しい」と。でも、うちの猫は基本的に鳴かないから、録るのに2時間くらい掛かってしまったんだけど、やっと録れたデータをGAKに送ったら、「雑音が入っているんで、録り直してください」と(笑)。というわけで、めっちゃ苦労して録ったうちの猫の情けない鳴き声が入っています(笑)。

GAK:サンプリングCDではなくて、風麻の家の猫の声を使いたかったんです。サンプリング素材は他の人も使うけど、風麻の飼い猫は世界に1匹しかいないじゃないですか。唯一の声を使いたかったから。

Keiya:僕はそれを知らなくて、サンプリングCDとかから拾った猫の声だと思っていたんですよ。で、歌録りの時に「なんかしみったれた鳴き声やな」と(笑)。個人的に一番最後のサビに入る前に猫の声を入れたいと思っていたけど、この変な鳴き声を入れてもしゃあないしなと思って、自分で2つくらい猫の声を出して重ねたんです。で、後で風麻の家の猫の声だと聞いてビックリ(笑)。密かに風麻の家の猫とコラボしているという(笑)。

──要チェックですね(笑)。「キャットウォーク」のプレイや音作りなどについても話していただけますか。

GAK:全部ギターリグ(アンプシミュレーター)で録りました。使ったモデリングはピーヴィーの5150。5150のちょっとジャリッとしたところを活かして、あとはワウも。僕はB’zも大好きで、やっぱりスタジアム感があるじゃないですか。なので、プレイ的にもちょっと松本(孝弘)さんを意識しつつ、ソロでワウに初挑戦しました。あと、2番のAメロでアコースティックギターを使っているんですけど、それをスライス編集したものとデジタル系ビートを融合させているんです。これって実は、B'zの「愛のバクダン」の英語バージョンで採っている手法で、僕ら3人ともB’zが好きなので、オマージュっぽく入れ込みました。

風麻:ベースはムキムキの大男がゴンゴン弾くイメージというか、ステージに仁王立ちしてゴリゴリ弾いてる感じを出したかった。実際ライヴではそうしたいと思っています。でも、それくらいですかね……この曲も特に話すようなことは何もしていない(笑)。自分の人生と同じようにシンプルでストレートなベースです(笑)。

Keiya:それいいね(笑)。歌は全体的に楽しく。どの曲もそうですけど、僕はパートごとに細々録っていくよりもツルッと1曲歌ったテイクのほうがいいというのがあって。レコーディングではいつも1曲通して歌うことを繰り返すんですよ。何度も何度も録り直しつつ「これで良いかな」というテイクを聴いて、「じゃあ最後にもう一回」って録ったテイクを活かすことが多い。この曲もそうでした。

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