【インタビュー】Purple Stone、5thシングルは「“V系に対する挑戦”がテーマ」

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■“どうだ?ヴィジュアル系っぽくないだろう?”
■というものを提示したかった──GAK

──「パニックパニック!」の【D-type】には「嘘つきピエロ」、【E-type】には「MASK」という曲も収録されています。

Keiya:僕らは、今どんな曲が必要かという話をよくするんです。ライヴでこういう曲がほしいとか、こういう曲をやったら面白いとか。そういう中で、シャッフルの曲がないねという話になって、それを受けて僕が原曲を作ったのが「嘘つきピエロ」です。ありがちなシャッフルチューンにはしたくなかったので、きれいでインパクトがあるサビにしたいなと。だからサビはかなりしっかり作りました。それもあってすごく手応えを感じて、僕は「嘘つきピエロ」をシングルの表題曲にしたかったんですよ。ただ、「パニックパニック!」ができ上がってきた瞬間に、“うん、無理だな”と思いました(笑)。

風麻:でも、「嘘つきピエロ」はシングルの表題にしたいくらいの力を持った曲だと思うよ。この曲の歌詞は「キャットウォーク」の逆ですね。遊び人の男性を好きになってしまった女性を描いています。もともとは違う歌詞がついていたけど、歌詞を書き替えようということになった時に、そういえばPurple Stoneは女性目線の歌詞がないという話になって。ただ、“○○だわ”みたいな言葉を使うのはまた違うかなという気がしたので、女性目線だけど、女性ということをあまり感じさせない歌詞を意識しました。Keiyaが歌ったらすごくいい感じにハマッて、狙い通りです。

GAK:シャッフルの曲で女性目線の歌詞というのは、ヴィジュアル系の王道パターンのひとつじゃないですか。ただ、そういう曲はジャジーなものが多いけど、この曲はメタルコアに近いようなアプローチを採りました。オシャレなのもカッコいいけど、自分たちがやるならヘヴィな方向性が合うかなと。そのほうがライブでやった時に、お客さんも演奏する側も熱くなれるというのもあったし。結果的に、あまり他にはないものに仕上がって満足しています。

▲「パニックパニック!」【E-type】 CD Only

Keiya:もう1曲の「MASK」はかなり前……3年くらい前に作った曲かな。その時はライヴで映えるを作りたいねという話になって、アレンジも固めて歌詞も書いて、“これで!”というところまで持っていったんですけど、出来上がったのを聴いた時に“出すほどの曲じゃない”という気がして一度引っ込めたんです。その良くない理由が歌詞だということは分かっていたので、何回か書き直したんですけど、ずっとお蔵入りの状態になっていたという。で、今回のシングルを作るにあたって、もう一度チャレンジしてみることにしたんですが、自分の中で歌詞のイメージがついてしまっていて大きく変えられる気がしなかったので、風麻に書いてもらうことにしました。

風麻:そうそう、突然依頼されました(笑)。僕は知り合いから人生相談や恋愛相談をされることが多くて、その時のアンサーをもとに書いたのが「MASK」です。他人に対していい顔をする人は自分の本心が言えなくて対人関係に窮屈さを感じたり、関係がこじれたりするんですよね。そういう相談が多くて、いつも「いい顔するのをやめて素顔を見せればええやん」と言っているんですよ。そういうことで悩んでいる人は多いんやろなと。今回の4曲は、最初に“愛で心が浮き立って”、その後、“愛のことですれ違いがあって”、最終的には“愛し合う”というストーリーになっているんですよ。人に言われて気づいたんですけど、そういうところも楽しんでもらえるんじゃないかな。

GAK:アレンジに関しては、3年前からほぼ変わっていません……というか、あえて変えなかったんです。他の3曲が今回のシングルのためにアレンジした新曲なので、3年前の形のままの曲があってもいいんじゃないかなって。4曲を並べて聴いた時にそれが正解だったことを感じました。

──リスナーの皆さんには、ぜひ4曲全部を聴いてほしいですね。「パニックパニック!」は、Purple Stoneらしさに一層の磨きが掛かった注目の一作といえますね。

Keiya:“ヴィジュアル系とはこういうものだ”というイメージができ上がってしまっているじゃないですか。それはそれでいいことだけど、僕らは自分たちがカッコいいと思うものをやりたい。ヴィジュアル系でも、もっといろんなことができるやんと思っているんですよ。踊ってみてもいいし、ポップスみたいな歌詞でもいい。Purple Stoneを結成した当初は、“ヴィジュアル系らしくないからやめておこう”みたいなものもあったんです、正直を言うと。だけど、だんだんヴィジュアル系っぽくないからやろうとか、誰もやってないからやろうという考え方に変わっていった。つまりヴィジュアル系の可能性を提示していきたいんです。ヴィジュアル系というだけで毛嫌いして聴かないリスナーはまだまだ多いと思うんですけど、“えっ、これもヴィジュアル系? めっちゃいいやん!”ってヴィジュアル系ファンが増える状況にもっていきたい。自分達がスケールアップしていくだけじゃなくて、シーンごと持ち上げるようなアーティストになりたいと思っています。

──そういう姿勢は本当に頼もしいです。8月17日のシングルのリリースに加えて、夏場はライヴが多いことも楽しみです。

風麻:最近のPurple Stoneのライヴはよりアッパーになっていて。「パニックパニック!」が加わったことでみんなで踊るし、僕ら全員でラップをしたりしているんですよ。アッパーなライヴという印象が強くなっている気がする。なので、今年の夏はもう“パリピ”になろうかなと(笑)。インドアの人もPurple Stoneのライヴに来て、ぜひ“パリピ”になってください(笑)。

GAK:「パニックパニック!」制作中のテーマとして、“ヴィジュアル系に対する挑戦”というのが僕自身の中にあったんです。“どうだ?ヴィジュアル系っぽくないだろう?”というものを提示したかった。その気持ちを持ったまま今、ライヴで演奏しているんですけど、それも挑戦だったんですよね。ヴィジュアル系が好きな人は「パニックパニック!」みたいな曲に対する免疫がなくて、ライヴで踊ることが恥ずかしいという気持ちが強いと思うんです。でも、そこで俺たちがどう惹き込めるか。挑戦した結果、思った以上に良い雰囲気で、今は毎回手応えを感じながらライヴをしています。

Keiya:そうだね。「パニックパニック!」を初めて演奏した時は、僕もダンスしようか迷ったんです。初披露でいきなりダンスというのはどうなんだ?という気持ちがあったから。でも、やってみたら、ファンの子たちも一緒に踊ってくれたんですよね。事前にミュージックビデオのスポット映像が公開されていたので、振り付けがあることは分かっていたと思うんですけど、まさかちゃんと覚えてきてくれるとは思わなかったから、本当にビックリしました。だったら、みんなで一緒に踊ろうというスタンスで、ライヴの時に振り付けをレクチャーするようになったんです。僕の中ではファンと一緒に作っている感覚があって、すごく楽しい。それに6月頃からライヴの本数がすごく多くなっていて、今は最低でも1週間に1本のライヴを行っている状態なんですよ。そうなると、前のライヴの感覚のまま次のライヴにいけるから、どんどん内容もよくなっていて。それを積み重ねていい形で次のワンマンに繋げたいと思っています。

取材・文◎村上孝之



■5thシングル「パニックパニック!」

2016年8月17日(水)
【A-type CD+DVD】CCR-023 ¥926+税
M-1. パニックパニック!
M-2. パニックパニック! instrumental
<DVD>
パニックパニック!Music Video
【B-type CD+DVD】CCR-024 ¥926+税
M-1. パニックパニック!
M-2. パニックパニック! instrumental
<DVD>
パニックパニック!Music Video Making
【C-type CD Only】CCR-025 ¥926+税
M-1. パニックパニック!
M-2. キャットウォーク
【D-type CD Only】CCR-026 ¥926+税
M-1. パニックパニック!
M-2. 嘘つきピエロ
【E-type CD Only】CCR-027 ¥926+税
M-1. パニックパニック!
M-2. MASK

◆Purple Stone オフィシャルサイト
◆Purple Stone オフィシャルYouTubeチャンネル

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