【速レポ】モンパチフェス＜WWW!! 16＞、大自然の中で真心ブラザーズを聴ける幸せ

関東あたりはだいぶ肌寒くなってきたようだが、沖縄はこの時間でも半袖でじゅうぶんなほどあたたかい。17時半、Tシャツ姿の真心ブラザーズがステージに現れる。夕陽が沈む時間帯であり、観客は、海と緑に囲まれた大自然の中で真心を聴ける幸せを噛みしめるのだった

◆＜What a Wonderful World!! 16＞真心ブラザーズ 画像

1曲目は「サティスファクション」だ。ギターの音色に誘われるようにして人が集まり、スタンディングエリアが徐々に埋まっていく。続く「空にまいあがれ」では、間奏部分でYO-KINGがブルースハープを吹くタイミングで飛行機が偶然通りがかり、まるで海外のロックフェスのようなフリーダムな雰囲気を演出しているかのよう。「通り抜けるときはお静かに」という歌詞がブラックユーモアのように聞こえ、クスリと笑える瞬間でもあった。

「真心ブラ◯△＃ーズです！」第一声でいきなり噛んでしまったYO-KINGだが、「名前で噛んだね。はは。最後までよろしく、楽しんでいってくれ！」と愛嬌たっぷりだ。

「マイ・リズム」では、独特のリズムにオーディエンスが皆それぞれ思い思いに体を揺らすも、続く「アーカイビズム」では激しいラップを披露し、真心ブラザーズの最大の特徴でもある“様々な顔”を惜しげもなく見せつける。

「今やったのはちょうど20年前に出した『GREAT ADVENTURE』ってアルバムの中から『アーカイビズム』でした。そのアルバムの順番どおりに演るというツアーを今やってて、沖縄にも来るので、よろしくお願いします」──YO-KING

これは、昨年の＜KING OF ROCK 20th＞ツアーに続き、過去の名盤を曲順通りに再現するというもので、「拝啓、ジョン・レノン」、「空にまいあがれ」などの楽曲が真心ブラザーズ本人によって蘇るファンにはたまらないツアーだ。沖縄でも桜坂セントラルで12月11日（日）に開催される。

これまで何度も沖縄でライブを行っている真心ブラザーズだけあって、地元オーディエンスから熱烈なコールを受ける。「このイベントも佳境に入ってきました。楽しむ準備はできてますか。真心ブラザーズでも盛り上がってくれますか。とっておきの曲やります！ただーし！ぼーっとしていると1分半で終わってしまいます！」と警告（？）したうえで演奏されたのは「どか〜ん」だ。高校野球の応援でも定番となっており、真心の熱烈なファンでなくともどこかで一度は聴いたことがあるナンバーだろう。夕陽に向かって「どか〜ん！」と絶叫するYO-KING。めいっぱい飛び跳ねる観客。熱はまだまだ収まらない。

続いて、沖縄の海辺のフェスに怖いくらいハマる夏の曲「ENDLESS SUMMER NUDE」へ。不朽の名曲「サマーヌード」のセルフカバーであり、桜井秀俊のコーラスも最高に気持ちいい。

最後の曲「愛」まで、怒涛の展開だった。めまぐるしく変わるリズムに必死でついていくオーディエンス。はじめのうちは探るような反応を見せていた人たちも、全身で音を楽しんでいる。「愛をやるよ／手にとってポケットにしまっておけよ」というこの曲の歌詞のとおり、オーディエンスに向かって真心は惜しむことなく愛を与えまくっているように映った。

「All right 沖縄！ しまっておけよ！」── YO-KING

長いファンもはじめて観た人も、老いも若きもすべての人の胸に訴えかける真心ブラザーズらしい熱いステージだった。

取材・文◎普天間伊織
撮影◎(c)WWW16 OFFICIAL




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