HERO、活動休止。「自慢のバンドだったぜとみんなに言ってくれ」

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HEROが、2017年12月22日に活動休止を宣言した。

◆ライブ画像

2017年に10周年を迎えたHERO。彼らはZEPP TOKYOを舞台に<10th ANNIVERSARY ONEMAN TOUR 2017>のファイナル公演として<10年後に見た景色>と題した単独公演を行った。すでに発表になっていたように、この日のライブを持ってHEROは活動を停止する。その後の未来図は、メンバー自身もまだ見えていない。まずは10年間の歩みの集大成を、この日のライブへすべて注ぎ込む。それがHEROと一緒に歩み続けてきたヒロイン(ファンの呼称)たちへの一番の恩返しになることをメンバー4人はわかっていた。


――素顔の心で「めっちゃ好き」と叫べるって最高じゃない。

開演前にスクリーンへ映し出されたHEROからのメッセージ。彼らは未来ではなく、「今」を生きようとしていた。「今」感じるすべてが、未来へ繋がる答えになることを知っている。だからこそ4人は「今」を楽しもうとしていた。

「思い出を作ろう、ZEPP TOKYO楽しもう!」と幕開けを飾った「色合せの法則」が放たれると同時に生きた命を抱いた音に触発され、場内を埋めつくしたヒロインたちが右へ左へ身体を揺らし、この日を、この瞬間の記憶を身体へ刻もうと騒ぎだした。「何年経った時も僕たちは笑いあって居るんだろうな」と歌う彼らの願いを、誰もが胸の内に記憶していた。駆けだした「feeling」の演奏。思いきり走りたい、悲しみを忘れてしまうほど頭を振っていたい。両隣の人たちと一緒に飛び跳ねながら、誰もがその瞬間、楽しいという思いで心を満たしていた。


「BEST FRIEND」が流れたとたん、会場のあちこちに生まれたサークルモッシュ。HEROの演奏を最高の遊び道具に変え、誰もがクシャクシャの笑顔を浮かべ思いきり身体を揺らす。YU-TA(B)の唸るベース演奏から始まった宴は、「罪と罰」へ。ヒロインたちは「ハイ!ハイ!ハイ!ハイ!」と声を上げ、飛び跳ね、頭を振り続けていた。冒頭から一切演奏を止めなかったのも、仲間たちと一緒にこの瞬間を一瞬たりとも途切れさせたくない気持ちから。悲しみを心に滲ませるくらいなら、HEROらしく騒ぎ続けたほうが“らしい”。

「Ring a Ding a Song」では、「今日をずっと忘れられない想い出にするんだ」と歌う彼らの想いが会場中に広がる。そして会場から響いた「めっちゃめっちゃめっちゃ好き」の叫び声。気持ちを有頂天なくらいハッピーに染め上げてゆく「めっちゃ好き」が披露される。会場中のヒロインたちが「好き」という気持ちの告白を、熱狂に変え届けてゆく。「ばかやろう」と、照れた気持ちを歌を通して返すJIN(Vo)。このように誰もが素顔の心で「めっちゃ好き」と叫べる空間は、なかなかないだろう。HERO流の煽りナンバー「Listen to me」では、メンバーとヒロインが互いが感情を剥き出しに。「10年間で一番楽しい日にしてくれ」という言葉通りの気分を存分に味わっていた。

ファンキーなポップンロールナンバー「ロン」では、会場中の人たちが両隣の人たちの腰に手を重ね、「ロンロンロロンロロンロンロン」と声を張り上げはしゃぐ姿も。「セツナウタ。」でもヒロインたちが両隣の人たちと一緒に全力で跳ねる。楽しいだけでなく、JINは思いやりと優しさをたっぷりに「カゾエウタ。」も届けてくれた。HERO流の関白宣言ナンバーであるこの曲では、「大事なのは何千回何万回「ありがとう」って君に言える事~出会ってくれて、ありがとう」という想いが心を優しく濡らしていく。そしてライブの最後を飾ったのは、「大きな声で」「出てこいや!!」の掛け合いが楽しいHEROの大定番ナンバー「超過激愛歌-Super Ultra Lovesong-」。誰もがこの瞬間、一緒に愛し合おうとしていた。


アンコールの演奏前にはメンバーがひとりひとり想いを語る。yusuke(Dr)は「HEROは今日で一体活動停止になります。今になっても、自分で実感が沸かないんですよ。うちのメンバーは一緒にいたら笑いが絶えないんで、今日もずっと一緒に笑ってたし、ずっと笑いの絶えない時間を一緒に過ごしてきました。すごい自分自身好きなバンドなんで、HEROが出来て本当に良かったなと思ってます」、YU-TAは「中学生の頃にバンドを好きになって、そっからずーっとバンドのことしか考えてない人生の中、こうやってHEROがあるんですけど。そのバンドが、まさか10年続くとは…。今日はこんなに人が集まってくれて、曲始まりのときにはグッときてましたが、真ん中あたりはいつものライブだなと思ってたんですけど…。せっかくライブへ来たんだから、最後まで楽しんでいってください」と。

SARSHI(G)は「今日ライブを演って思ったのが、すっごい何時も通りのHEROだなってこと。休止を掲げたライブなのに、こんなにも笑顔のライブって他にはないなと思って。それが出来てる俺ら、すごいなと思いました。HEROの音楽はこれからも続いていくし、またこの4人でステージに立つときは、よろしくお願いします」。そしてJINは「今回の活休は僕のせいなんですよね。毎週歌ってきて精神的にちょっと可笑しくなってしまいまして。ときどき、倒れそうになるんですよ。だから、「ちょっと休ませて欲しい。先のことは正直どうなるかわからない」とメンバーに話をしたら、3人ともそれを受け入れてくれたように、このメンバーで本当に良かったなと思ってる。今はまだ、定期的に続けるにはちょっと。でも、今後のことは自分でもどうなるかわからないので…祈っててください」と活動休止の理由を明かした。


そこからアンコールでは「タイムカプセル~10年後の君へ~」、「Life」などを披露。「最後一緒に歌ってくれるか、10年間ありがとう。自慢のバンドだったぜとみんなに言ってくれ、いいか」といって最後の最後に届けられたのは「ソプラノ」だ。最後の最後まで、何時ものHEROらしくヒロインたちと声を交わし合う。でも、いつも以上にハートは熱い。「世界で1番君に出会って良かった」の歌詞が、本気でそう思えた。

「本当に愛してる。ありがとう、バイバイ!」。その声を合図に、胸の涙腺を暴走させる人たちも。終りを惜しむように演奏を止めないメンバーたち。でも、これが最後とは限らない。あくまでもしばしの別れ。だから最後まで、お互いに笑顔で想いを交わしあっていた。それが一番、HEROに似合うユニフォームだ。

取材・文◎長澤智典
編集◎BARKS
写真◎菅沼剛弘

セットリスト

「色合せの法則」
feeling
BEST FRIEND
罪と罰
Ring a Ding a Song
めっちゃ好き
Listen to me
「相対性理論」
自分応援歌
ロン
セツナウタ。
カゾエウタ。
「to you...」
人間定義
超過激愛歌-Super Ultra Lovesong-
-ENCORE-
「タイムカプセル~10年後の君へ~」
カントリーロード
「Life」
「ソプラノ」

HERO 10周年記念アニバーサリーフェア

2月1日(木)~3月17日(土)ライカエジソン全店

・ZEPP TOKYOにて会場限定発売したHERO初のアーティストブック92ページ・オールカラーを¥3,900(税込)にて数量限定再販売
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HERO商品(「BEST-タイムカプセル-」以外)いずれか税込1,000円お買い上げ毎に「個人アーティスト写真」をプレゼント。メンバーセレクト可能

【対象店舗】
・ライカエジソン東京店
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■ライカエジソンPCサイト:http://ktai.la-edison.com

◆HERO オフィシャルサイト
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