【インタビュー】ポタリ、四人がロックと正面から向き合って作り上げた会心作『ポタリの2』
■好きな人のことを妄想するのは分かるけど
■好きじゃない人とかでも妄想したりする(笑)
――続いて、プレイに関する話をしましょう。
茄子川:今回は制作の後半で、みんなで“せーの!”で録ろうということになったんです。なので、それぞれの曲を身体にしっかり入れ込む期間を取ったんですけど、レコーディングの1週間前くらいに、この曲はこういうドラムにしたほうが良いんじゃないかという提案が来たことがあって。それが、夜中の12時か1時くらいに、スタジオのリハが終わったところに来たんですよ。もうね、一瞬固まりました(笑)。“ええっ、今になって?”と思ったけど、やってみないと良いかどうか分からないじゃないですか。それに、次の日には新しいパターンで、みんなと合わせられるようにしたいというのがあって、今からやり直そうと思って。それで、そこから次の日の朝の7時半まで一人で練習したことが、今回の制作では一番記憶に残っています(笑)。それが、「カメレオンガール」と「走る」だったかな。「カメレオンガール」はもうちょっと単純だったけど、いろいろやってみようという話になって。その時は大変だったけど、結果的に良くなったので、がんばって良かったなと思います。それに、「カメレオンガール」は、スネアの音に一番こだわっていて。今の音源は機械的な音のスネアが多いですよね。そのカッコ良さももちろんあるけど、この曲は10年くらい前のバンドっぽい“パーン!”としたスネアの音が合うよねという話になって。イメージした音で録れたのも良かったなと思う。なので、ドラムの面で一番印象が強いのは「カメレオンガール」です。
内田:全体的に今回思ったのは、音作りとかもあるけど、結局ベースが一番良い音になるのは、キックとかスネアとかと全く同じ瞬間にベースを鳴らした時だなということだったんです。そのことに、「ハルノカゼ」という曲のレコーディングをした時に、メッチャ気づいたんですよね。そこで、自分はどうしたら一番良いのかが分かった気がしたんです。だから、アルバムのレコーディングでは、ずっとそのことを意識してベースを弾きました。まだまだですけど、そういう面で成長できたというのはありますね。ベースのフレーズ的には、歌詞もそうですけど、曲が形になっていく中で、自分なりにイメージをつけるというか。これを私のベースで良くできるとすれば、こうだなという考え方を全曲でしていったというのがあって。ボトムを支えつつ面白さとか、カッコ良さとかも感じてもらえるベースになっているんじゃないかなと思います。
中西:私は「最終列車」でアコースティック・ギターを弾いているんですけど、全部のパートをアコースティック・ギターで弾かなかったということが良い結果を生んだと思います。バンド・サウンドで聴かせるというのがあったし、ギター1本だし、でも曲の雰囲気は出したいというところにこだわったんです。イントロの入りはアコースティック・ギターが良いなというのがあって、そこを活かしつつ上手く落とし込めた曲になりましたね。「最終列車」は歌詞も自分で書いていて、曲自体は展開していくわけじゃないけど、歌詞で展開していっているというところにも愛着があります(笑)。
▲内田愛子:B(アイコ)
――「最終列車」の歌詞からすると、エミさんは“純情系”ですね。
一同:そうなんですよ!(笑)
中西:いや、私はすごい妄想家で、常日頃めちゃくちゃ妄想しているんです(笑)。
茄子川:エミの妄想はすごい(笑)。なんか、好きな人のことを妄想するのは分かるけど、好きじゃない人とかでも妄想したりするんですよ(笑)。
中西:そう、好きじゃない人を好きな体(てい)で妄想するんです(笑)。
一同:もう意味が分からない(笑)。気持ちの持っていきかたが謎すぎる(笑)。
中西:アハハ(笑)。それくらい妄想するのが好きで、「最終列車」の歌詞も妄想で書きました(笑)。あと、ギターに関してはフレーズももちろんそうですけど、音にこだわりました。私のメインギターはレスポールで、昔からハムバッカーの音がすごく好きなんですね。でも、それぞれの曲の良さを出すために、レコーディングではいろんなギターを使いました。特に、「走る」は唯一メインのレスポールを使わなかったんです。この曲は出したい音が、どうしてもレスポールでは出なくて。「走る」の世界観を出したい時に、太い音ではないというか、いかにコード感をきれいに出すかが重要だなと思って。それで、「走る」はテレキャスターで弾きました。あと、「AGFG」とかは、ファズに近いくらいのゲインで録ったりしたし。レコーディングする時にエンジニアさんと相談して、攻撃力の強めな音にしたんです(笑)。「AGFG」のギター録りは、すごく楽しめました(笑)。
鈴木:歌は、今回は歌詞を書いてもらった曲が多かったから、どういう気持ちで歌うのかというのがあって。たとえば、「最終列車」はエミが丸々書いた歌詞を持ってきてくれて、こういう風に歌って欲しいということも言ってもらったんです。その結果、自分が想像していた範囲の歌を超えられるきっかけの曲になったんですよね。他の人が書いた歌詞は、読んだ時に分かるところと分からないところがあるんですよ。だから、どういう気持ちでこの言葉を選んだのかとか、主人公がどういう状況にいるのかということをまず聞いて、すごく想像して歌ったなというのが今回のアルバムですね。今まで以上に、それぞれの曲の世界観に入り込んだなという印象があります。あとは、「走る」はサビの頭をファルセットで歌い始めるということに、すごくこだわりました。私はファルセットが苦手なので、レコーディングの時に歌のディレクションをしてくれる方に「地声で張ったほうが、サビ頭だし気持ち良くいけるんじゃない?」と何回も言われたけど、練習して、こだわってファルセットにしたことにすごく意味があって。迷っているけど、でも自分を信じて進むということの“迷い”を表現するうえで、ちょっと不安定なファルセットで入ったほうが絶対に良いというのがあったから。そうやって、変えればと言われてもチャレンジして、ちゃんと音源にできたこともすごく嬉しいです。
▲茄子川:Dr(ナスカワ)
――それぞれが新しいことに挑戦した結果、よりスキルアップできたレコーディングになりましたね。『ポタリの2』リリース後のライブ展開も楽しみです。
鈴木:私達は、ポタリは定期的にフル・アルバムを出せるバンドであると同時に、ワンマンライブをし続けられるバンドでありたいと思っていて。今の私達は自分達で機材車を運転して、いろんなところに行っているんですけど、それは対バンの人達から受ける刺激とか、その日だけの科学反応みたいなものをまだまだ体験したいという気持ちがあるからなんです。そういう部分を大事にしつつ先のことを見据えてワンマンをする力もつけていきたいなというところで、今度のツアーは対バンで廻った後、ファイナルとして東名阪でワンマンをするという流れにしました。『ポタリの2』で曲調の幅が広がったので、ワンマンでは今まで以上にいろんな顔を見せられると思うし、今後はライブをよりパワフルにしたいと思っているというのがあって。次のツアーでは、また新しいポタリの姿を見せることになるので、期待していて欲しいです。
中西:今度のツアーは新しい曲を演奏するので、ライブの雰囲気が必然的に変わると思うんですよ。それに、ライブの作りの面でもいろんなことに挑戦しようという話を、みんなでしているんです。だから、ツアーは楽しみでしょうがないですね。新しいポタリのカッコ良さだったり、ポタリのライブじゃないと味わえないものだったりを追求する場にしたいなと思っています。
内田:今回のアルバムを作ったことで、やり方がいろいろ見つかったというのが私はすごく嬉しくて。だから、今度のツアーもポタリのライブをより良い方向に変えていけるやり方を見つけられると良いなと思います。すでにセットリストをどうするかという話をしているんですけど、一つ決めるのにメッチャ話し合ったりして終わらないんですよ。すごく深い話し合いになるし、どの曲で決めるのかということでもすごく悩む。もう、本当にめんどクサいんですよ(笑)。
一同:アハハッ! めんどクサいよね(笑)。
内田:でも、それはみんな真面目だから、めんどクサいんですよね。私は自分達のそういう部分が伝わるライブをしたら、絶対に勝てると思っていて。今度のツアーでは、毎回そういうライブをすることを目指していきます。
茄子川:私達はツアーをまわる時に、同時進行でレコーディングをするということがメッチャ多いんですよ。だけど、去年の年末くらいにやったツアーは、ツアーだけに専念できたんです。その時にすごく良いツアーだなと思ったし、身になったことを強く感じたんです。やっぱり私は二足のわらじは履けないんだなと思った瞬間でもあったし。年末のツアーは見えるものが沢山あったから、今度のツアーはもっと良いものになると思います。だから、早くツアーに出たいし、来てくれる人も楽しみにしていて欲しいです。
取材・文●村上孝之
リリース情報
2018.1.17 OUT
\2,500(tax in) / 全12曲
TRISE-0025 / TREASURISE RECORDS
01. MUSIC
02. Scope
03. 君とアワー
04. AGFG
05. セツナジェットコースター(Album ver.)
06. ナイショ ナイショ
07. カメレオンガール
08. 最終列車
09. ハルノカゼ
10. scratch
11. 夏の言い訳
12. 走る
ライブ・イベント情報
2018年2月8日(木) 愛知@名古屋CLUB UPSET
[出演] ポタリ / セプテンバーミー / Bentham / YAJICO GIRL
[INFO] サンデーフォークプロモーション TEL052-320-9100
2018年2月10日(土) 愛知@豊橋club.KNOT
[出演] ポタリ / リアクション ザ ブッタ
[INFO] サンデーフォークプロモーション TEL052-320-9100
2018年2月11日(日) 福井@福井CHOP
[出演] ポタリ / QOOLAND / POETASTER / VOI SQUARE CAT
[INFO] 福井CHOP TEL0776-34-3558
2018年2月12日(月・祝) 岐阜@柳ヶ瀬ants
[出演] ポタリ / EARNIE FROGs / QOOLAND / POETASTER
[INFO] サンデーフォークプロモーション TEL052-320-9100
2018年2月15日(木) 大阪@心斎橋Pangea
[出演] ポタリ / あいくれ / POETASTER / 絶景クジラ
[INFO] 心斎橋Pangea TEL06-4708-0061
2018年2月16日(金) 山口@周南RISE
[出演] ポタリ / 高倉周作 / 野口奨平 / 大久保光涼 / and more…
[INFO] 周南RISE TEL0834-27-5607
2018年2月17日(土) 福岡@福岡graf
[出演] ポタリ / SHIT HAPPENING / CRAZY VODCA TONIC
[INFO] 福岡graf TEL092-733-1199
2018年2月20日(火) 広島@広島セカンドクラッチ
[出演] ポタリ / FERN PLANET / and more…
[INFO] 広島セカンドクラッチ TEL082-249-7363
2018年2月23日(金) 静岡@浜松FORCE
[出演] ポタリ / EARNIE FROGs / POETASTER / and more…
[INFO] 浜松FORCE TEL053-415-9988
2018年2月24日(土) 群馬@高崎clubFLEEZ
[出演] ポタリ / HIHG BONE MUSCLE / POETASTER / TENDER TEMPER(ex.知る権利) / and more…
[INFO] 高崎clubFLEEZ TEL027-345-7571
2018年2月25日(日) 神奈川@横浜BAYSIS
[出演] ポタリ / CHERRY NADE 169
[INFO] 横浜BAYSIS TEL045-227-5528
2018年3月1日(木) 石川@金沢vanvanV4
[出演] ポタリ / あいくれ / POETASTER / MELLOW SHiP
[INFO] 金沢vanvanV4 TEL076-223-7565
2018年3月2日(金) 富山@富山Soul Power
[出演] ポタリ / あいくれ / POETASTER / MELLOW SHiP
[INFO] 富山Soul Power TEL076-492-7830
2018年3月7日(水) 岡山@岡山image
[出演] ポタリ / and more…
2018年3月9日(金) 兵庫@神戸 太陽と虎
[出演] ポタリ / POETASTER / I-RabBits / 絶景クジラ
[INFO] music zoo KOBE太陽と虎 TEL078-231-5540
2018年3月10日(土) 三重@四日市CLUB CHAOS
[出演] ポタリ / EARNIE FROGs / POETASTER / I-RabBits
[INFO] サンデーフォークプロモーション TEL052-320-9100
<ポタリing Tour 2018 ~走れポタリ!みんなとの友情を証明するっP~ 東名阪ワンマン編>
2018年3月24日(土) 大阪@心斎橋Pangea
[INFO] 心斎橋Pangea TEL06-4708-0061
2018年3月25日(日) 東京@渋谷TSUTAYA O-Crest
[INFO] TSUTAYA O-Crest TEL03-3770-1095
2018年3月29日(木) 愛知@名古屋CLUB QUATTRO
[INFO] サンデーフォークプロモーション TEL052-320-9100
<見放題東京2018>
2018年3月3日(土) 東京@東京新宿歌舞伎町界隈9会場
[出演] ポタリ / and more…
[INFO] 見放題東京2018 WEBSITE
<5th ANNIVERSARY「OTOEMON FESTA 2018」Supported by Eggs>
2018年3月18日(日) 大阪@LIVE SQUARE 2nd LINE
[出演] ポタリ / Amelie / 神はサイコロを振らない / THURSDAY’S YOUTH / MINT mate box / reGretGirl
[INFO] 詳細・チケットなど詳しくは OTOEMON FESTA 2018 WEBSITE
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