【速レポ】モンパチフェス<WWW!! 18>、サンボマスター「あの太陽より輝け!」

ポスト

「沖縄、準備いいのか、このやろう! おめぇら、すげえ沖縄を見させてくれ! 1曲で世界を変えさせてくれ! サボってんじゃねぇぞこのやろう! いきますよ! さあみなさん、踊りまくってくださいよ!」

もう、乱暴なのか、丁寧なのか、訳が分からない。だがこれが、サンボマスターの激しい“愛”と“優しさ”なのだ。こうやって、「世界をかえさせておくれよ」を歌い始めると、すぐさま山口隆(Vo,G)は、怪訝な表情を見せながら、「あれ? あれ? ここは沖縄ですよね? ……オレの知ってる沖縄って、もっと最高なとこなんですけど! 全然聞こえませんよ、みなさん!」と叫び、一秒たりとも観客をサボらせない。いや、サボってるヤツなんて誰ひとりいない。みんながサンボマスターの“愛”に夢中なのだ。

◆サンボマスター画像

「おめぇら50背負っても14歳に、43でも14歳に! 「青春狂騒曲」! ピークもってきていただきましょうか、みなさん!」

山口が言葉で観客を煽れば、近藤洋一(B,Cho)はメロディアスでグルーヴィなベースプレイで、そして木内泰史(Dr,Cho)は、タイトかつラウドなビートで観客を煽る。そうした2人のプレイに山口まで煽られたのか、「ギターソロ、弾いてもいいですか、みなさん? 弾いてもいいすかっ!?」と叫び、大歓声を浴びながらソロを弾き終えると、「オレ、めちゃめちゃギター上手いんですからっ!」と、もう何でもアリのサンボ・ワールドが渦を巻く。その渦に、遂に上空の雨雲までもが巻き込まれ、その切れ間からマングースSTAGEに光が降りそそいだ。




「沖縄最高っす! <What a Wonderful World!!18>にお越しのみなさま、今、太陽が顔を出しましたよ! “What a Wonderful World”って、“素晴らしい世界”って意味ですよ。この音楽が鳴り続ける限り、素晴らしい世界にしましょう! ロックンロール! ロックンロール! ロックンロール!」

そして、こう続けた。

「この太陽はな、ミラクルを起こすんだ! いいか、よく聞け。オリンピックの優勝はただ一人。甲子園の優勝も、ただ一校。でもロックンロールはな、全員優勝できるんだ!」

そこから始まった“全員優勝”コールに続いて「ミラクルをキミとおこしたいんです」が始まった。だがしかし、「ウソでしょ? ウソでしょ? あの最高のバンド、MONGOL800が、しかも沖縄で主催している<What a Wonderful World!!18>ですよね? そんなんで優勝できんのか! 全員優勝するぞ、このやろう! あの太陽より輝け!」と、まだまだこんなもんじゃないだろうと、観客の魂を、より高みに誘う。



「もっと最高の沖縄、できるはずだろ! おめぇら、できないと思ってんのか? おれはできると思ってここに来てるよ。おめぇたちの力が必要だ。必ずできるから、みんなの力を貸してくれ! ミラクル呼び込むぞ! マキシマム ザ ホルモン・ナヲちゃんと、MAN WITH A MISSION・Tokyo Tanaka!」

まさにミラクルと呼ぶに相応しい超サプライズで始まった、「できっこないを やらなくちゃ」で、会場のテンションは、太陽に向かって“青天井”で上がっていく。そして突然のブレイクの後、山口が「じゃあ、ナヲちゃんからひと言いただきましょうか」と話を振ると、ナヲはしばし沈黙の後、「めんそーれ。……広瀬すずです!」と笑顔で叫び、そして「また必ず帰ってきます!」と、サンボマスターからの“愛”に全力で応え、観客からは“愛”に満ち溢れた大きな拍手が贈られた。

それでもまだまだ、山口は満足していない。

「さあ、本気出していきましょうか! おめぇらサボってんじゃねぇ! 愛と平和! 愛と平和! 愛と平和! みなさん、笑ってますか!?」

この前フリで始まる曲は、もちろん、「世界はそれを愛と呼ぶんだぜ」だ。会場は大合唱となり、そこに那覇空港への着陸態勢に入ったジェット機の轟音まで加わってきた。

「あの、ずっと<What a Wonderful World!!18>に誘ってくれていて、こんな光栄なことないと思って、沖縄のあんたがたに会えたことが、オレにとってすげぇ嬉しいことです。みんなの笑顔が見られたらもっと嬉しいし、ここですげぇ美しい空間ができて、陽がバーッと差してきて、みんなの笑顔が陽に当たってキラッとなって、これが本当に“What a Wonderful World”、美しい世界だと思いました。ありがとうございました」



そして、最後に山口は、こう語った。

「あの、11月の4日になってくると、この1年間、365日が毎日“What a Wonderful World”って世界ではないと思うんだ。オレたちも、350日は“What a Bad World”の中で生きてるわけで、あんたらとそんなに変わらないと思うんだ。だから言わしてくれ。この一年間……ごくろうさまでした。本当にがんばったね。オレが言うことじゃないけど、ありがとうな。毎日生きてるとよ、クソみたいな一日が始まったり、誰かをぶっ殺そうと思ったりとか、そんなことがあると思うんだ。オレなんか、いなくなっちまってもいいとか。そんなこと思っちまうかもしれねぇけど……見てみろよ、また陽が出てきたよ。な、誰かをぶっ殺そうとかさ、そんな場所にいるのは、今日でやめようぜ。おめぇの居場所はここだろ? おめぇがニコニコ笑う所はここだろ? 今、おめぇのことがどう見えてるか、言ってやっか? 言ってやるぜこおのやろう! 沖縄の太陽に照らされて、おめぇのことが、あんたのことが、あなたのことが……とっても輝いてみえるんです」

こうして最後に歌われた「輝きだして走ってく」がエンディングを迎えると、「また一緒にいこうぜ。ありがとう! ロックンロール! ロックンロール! ロックンロール!」と、沖縄の空に大きな愛のエールを送った。


取材・文◎布施雄一郎
撮影◎(c)WWW18 OFFICIAL

【サンボマスター@マングースSTAGE セットリスト】

01. 世界をかえさせておくれよ
02. 青春狂騒曲
03. ミラクルをキミとおこしたいんです
04. できっこないを やらなくちゃ
05. 世界はそれを愛と呼ぶんだぜ
06. 輝きだして走ってく

■<MONGOL800 ga FESTIVAL What a Wonderful World!!18>


2018年11月3日(土・祝) 沖縄県 豊見城市 豊崎 美らSUNビーチ 特設会場
2018年11月4日(日) 沖縄県 豊見城市 豊崎 美らSUNビーチ 特設会場

この記事をポスト

この記事の関連情報