【速レポ】<中津川ソーラー>ストレイテナー、胸に染みる極上のメロディー

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ひっかき傷じゃ意味がない。他のどのバンドよりも深い爪痕を残そうと、誰もが渾身のライヴを繰り広げるという意味では、中津川も他のフェスと変わらない。いや、むしろ毎回、いくつものドラマや伝説が生まれることを考えると、中津川はどのフェスよりも気合を入れ、ステージに立つバンドが多いと思うのだが、15年から毎年、中津川のステージに立ってきたストレイテナーは20周年を超えたバンドの余裕なのか、この後も熱演が続くに違いないRevolution Stageの3番目という出番を意識したのか、今回はリラックスムードで臨み、いつもとはひと味もふた味も違う魅力をアピールした。

◆ストレイテナー 画像


ジャム・セッション風に始まったファンキーな「DONKEY BOOGIE DODO」からゆるっと「Tornado Surfer」に繋げ、観客の身体を横に揺らした序盤からして、彼らのライヴでは異色だったんじゃないかと思うが、轟音の演奏で観客を圧倒する激しさも持つ彼らがそこから繋げたのも、大山純(G)がギターをキラキラと鳴らしながら聴かせる抒情系の曲の数々だった。





その後、9月の末とは思えない暑さに開口一番「夏フェスやないかい(笑)」と言ったホリエアツシ(Vo、G)が「今年最後の夏フェスですね。我々が出たフェスは<RISING SUN ROCK FESTIVAL>が台風で中止になりました。<RISING SUN>と<中津川>は太陽のフェスということで、<RISING SUN>でできなかった曲をやりたいと思います。太陽の曲です」と紹介した「クラッシュ」で大山がソロを奏でる裏で日向秀和(B)とナカヤマシンペイ(Dr)がジャム・セッション風の演奏を繰り広げ、それまでの穏やかなムードに熱を加える。そこから「太陽のフェスに音楽の嵐を!」(ホリエ)と繋げた「Melodic Storm」から演奏はがぜん加速。観客がそれに応えるように手を振り、曲間を空けずにギターをかき鳴らしながらホリエが歌い始めたのが「シーグラス」というところがなんとも心憎かった。


疾走感に満ちた演奏に乗せ、ホリエが歌うのは、夏の終わりを惜しむせつなさだ。ふと気づけば、暑い暑いと思っていたが、風は意外にヒンヤリと冷たい。

「最後の夏フェスですね」

さっきホリエが言った言葉を思い出しながら、夏がいよいよ終わることと秋がもうそこまで来ていることを思った。ライヴのクライマックスでやることが多い人気曲もシチュエーションが変われば、そのせつなさがこんなにも胸をかきむしるのか。





ラスト・ナンバーは、2018年1月に開催した20周年記念ライヴ<21st ANNIVERSARY ROCK BAND>で初披露した配信シングル「スパイラル」。バンドの成熟を物語るポップ・ソングを聴きながら、この日、ストレイテナーがアピールしたメロウな魅力を噛みしめた観客は少なくなかったはずだが、それができるのは彼らの曲が聴く者の胸に染みる極上のメロディーを持っているからだ。


取材・文◎山口智男
撮影◎上山陽介

【ストレイテナー セットリスト】

01. DONKEY BOOGIE DODO
02. Tornado Surfer
03. From Noon Till Dawn
04. タイムリープ
05. DAY TO DAY
06. クラッシュ
07. Melodic Storm
08. シーグラス
09. スパイラル

■<中津川 THE SOLAR BUDOKAN 2019>

9月28日(土) 岐阜県 中津川公園内特設ステージ
9月29日(日) 岐阜県 中津川公園内特設ステージ
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