【速レポ】<中津川ソーラー>一青窈、面目躍如と言える40分間

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「楽しい時間はあっという間です。また来年も呼んでもらえるといいな」という思いを込め、原曲の魅力を活かしながらしっとりと歌い上げた「ハナミズキ」ももちろん素晴らしかった。実際、ライヴが終わった直後、観客の口に上るのは、やはり「ハナミズキ」がいかに良かったか、それを歌った一青窈の歌がいかにうまかったかということだった。

◆一青窈 画像

それに異論はこれっぽっちもない。そりゃそうだろう。永遠の愛を、それが不可能だからこそ希求する気持ちを歌った、あまりにもせつない「ハナミズキ」には筆者だってぐっと来た。しかし、中津川SOLAR SPECIALと謳っているわけだから、このレポートではそこにこだわってみたい。実際、SPECIALと謳うにふさわしい共演が、このRESPECT STAGEでまたひとつ実現したのである。SPECIALの7文字は決して伊達じゃあない。



今回、中津川2回目の出演となる一青窈のバックを務めたのは、沼澤尚(Dr)と中条卓(B)という佐藤タイジ率いるシアターブルックのリズム隊の2人と彼らと共演歴がある森俊之(Key)、そして安藤裕子他のサポートで知られる山本タカシ(G)という腕っこきたちだ。

その彼らと「ハナミズキ」やこの日、はねるリズムが印象的なアレンジで披露した「もらい泣き」といった名唱の数々で多くの人を魅了してきた一青窈が共演するんだから、「ハナミズキ」良かったねの一言で語ることができるライヴで終わるわけがなかった。



今回、彼女が歌ったのは、「もらい泣き」「月天心」「ハナミズキ」といったオリジナルに井上陽水の「海に来なさい」他のカヴァーを加えた全7曲。

「大学時代から歌いたかったこの曲を、このバンドでやりたかった」と一青窈が言い、念願だったコール&レスポンスにも挑戦したポインター・シスターズの「yes we can」のカヴァーに顕著だったように、彼女の元に集まったバンドが得意としているのはもちろんファンキーな演奏だが、それだけが今回の見どころだったかと言うと決してそんなことはない。じゃあ一番の見どころは何だったのか?それは曲の盛り上がりとともに音がぐっと前に出るバンドの演奏と、そこに芝居がかったアクションとともに歌謡曲のけれんを加える一青窈の歌が繰り広げるスリリングな駆け引きと、その見事なフュージョンだ。


その魅力が最も表れたのが、某テレビ番組で披露して、世間をザワつかせた近藤真彦の「ギンギラギンにさりげなく」と、SOIL&"PIMP" SESSIONSから社長(Agitator)、ダブゾンビ(Trumpet)、栗原健(Sax)を迎え、懐かしい(と思うのは筆者が昭和生まれだから)振り付きで歌った金井克子の「他人の関係」のカヴァー。テレビドラマに主題歌として提供した後者では大きな歓声が沸いたが、前者でも大勢の観客が身体を揺らしながら拍手喝采し、ディスコ歌謡なんて言ってみたいユニークな魅力に応え、今回のハイライトであることを印象づけたのだった。歌いおわったとき、一青窈が言った「マッチ先輩ありがとう!」という一言も思わずニヤリだった。


昭和の歌謡曲の魅力を後世に伝える歌手、一青窈の面目躍如と言える40分間は、彼女も言っていたとおり、本当にあっという間だったが、昭和の歌謡曲には、名曲がまだまだいっぱいある。「来年も呼んでほしい」と思ったのは、彼女だけじゃなかったはずだ。


取材・文◎山口智男
撮影◎木村泰之

【一青窈 セットリスト】

1.もらい泣き
2.海へきなさい
3.yes we can(カバー)
4.月天心
5.ギンギラギンにさりげなく(カバー)
6.他人の関係 feat. SOIL&“PIMP”SESSIONS
7.ハナミズキ

■<中津川 THE SOLAR BUDOKAN 2019>

9月28日(土) 岐阜県 中津川公園内特設ステージ
9月29日(日) 岐阜県 中津川公園内特設ステージ
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