【ライブレポート】VALSHE、<ACOUSTIC LIVE>で「正しい意味で曲を伝えたい、正しい言葉を伝えたい」

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VALSHEが9月29日、<ACOUSTIC LIVE TOUR 2019 [UNplugged DocumeNts.]>のファイナル公演を神田明神ホールで開催した。全編アコースティックという編成で全国12ヵ所を回った同ツアー最終日のオフィシャルレポートをお届けしたい。

◆VALSHE 画像

<ACOUSTIC LIVE TOUR 2019 [UNplugged DocumeNts.]>は“TheTA (シータ)”と“mu (ミュー)”といった2つのステージタイプに分かれており、この夜は“TheTA (シータ)”。活動10周年という大きな節目を見据えたツアーファイナルは、優しく響くピアノの音、そしてアコースティックギターの音色から始まった。オープニングナンバーは「Myself」だ。深黒に花を散りばめた甘美な燕尾服に身を包んだVALSHEは、自らが歩んで来た、長いようで短かった時間を語り聞かせるかのように歌い上げた。

「歌を、言葉を、音楽を届け、音楽に寄りかかってもらえるようなツアーにしたい」


2曲目は2ndアルバム『V.D.』収録曲から「RAGE IDENTITY」。怪しげなアコースティックサウンドから始まった同曲を儚げに歌い上げるVALSHEは、1曲目の「Myself」と相反するように、自らと戦い続ける姿を見せた。静まる会場にクレッシェンドによるオルガンから始まった「Prey」。訝しげなライティングとアコースティックギターの音色に包まれながら歌うVALSHE。

「いい感情も、悪い感情も全部吐き出してください。今日ここをそういう場所にしたい」

このMCから、最新アルバム収録曲「Chain Smoke」へ。真っ赤に染まる会場に鳴り響く詩。甘美な余韻に浸っていると、天を衝くようなVALSHEのロングトーンから始まったのは「Roma」。曲中の物語を切々と歌い上げるVALSHEの歌声は繊細で美しい。アコースティックギターから始まったのは「Moon-reveal & sequel-」。VALSHEの歌声は今までの楽曲とは打って変わって優しく、柔らかに包んでいく。アコースティックギターで歌われる「Moon-reveal-」、ピアノで弾き語られる「Moon-sequel-」。2曲が交わり、ライブならではの一続きの構成になっていた。

厳粛で格調高く始まったライブだが「次の曲はみんなの力を借りて成立する曲」というVALSHEの掛け声から、最新ミニアルバム「今生、絢爛につき。」収録曲より「インスタントセレブリティ」へ。「グランドファイナル、コール&レスポンス1000点でしたっ!」とVALSHEが声高に叫ぶほどの一体感があった。


今回のツアーはセットリストの中に“会場限定楽曲”が用意されていた。“TheTA”公演では、神奈川公演で「Leopardess」、北海道公演で「破戒の枝」、兵庫公演で「PANIC ROOM」、京都公演で「Blissful Jail」、愛知公演で「君への嘘」を披露。そして、東京公演で歌われたのは「Butterfly Core」だ。6thシングルにして『名探偵コナン』のオープニングテーマに抜擢されたVALSHEの代表曲のひとつ。曰く、「辛い時も楽しい時もどんな時でもずっと歌っていた」という同曲は、感情がダイレクトに反映されるアコースティックアレンジによって、その内に秘められた熱量の高さが伝わるようだ。続いて毎公演ごとに1曲披露されていたカバーへ。

「みなさんにとって、自分自身が誠実な人間であれたらいいと、ずっとそういう風に思ってきました。誠実であることはすごく難しい。だけど、だからこそあなたにもそれを求めたいんだと、そう歌っている楽曲があります。みなさんにもVALSHEにそれを求めて欲しい、そういう気持ちで今日ここに立っています」──そう語って演奏されたのはBilly Joelの「honesty」だった。実はこのカバー楽曲は、事前に2曲準備されていたそうで、会場の空気、その場の盛り上がり、そしてVALSHE自身の心と相談して選んでいたとのことだ。

「一人一人に想いを伝えたい、たとえ上手に伝えられなくても、誠実に向き合えるように」と「AFFLICT」へ。静寂の中、続く楽曲は「PLAY THE JOKER」。ツアー中に「今はこの曲への見方が少し変わっている」と話していたが、VALSHEの活動の中では初期の代表曲のひとつでもある。


MCでは、「高島ユータものまねプレミアムステージ’2019!!」なるコーナーも。これは、12公演に参加したサポートキーボードの高島ユータがご当地ものまねをするというもの。東京公演でのものまねは森山直太朗で「夏の終わり」。ユーモアを交えつつもクオリティの高いものまねに、「おーっ!」という歓声の後、笑いが立ち込めてほっこり。

そして後半の幕開けは「夕暮花火」、さらにポエトリーから始まる「空腹」へ。どこまでも満たされない“空腹”を真っ暗なステージの中、ポツリと佇むVALSHEが表現した。アコースティックギターをかき鳴らしながら「a light」へ。後半のコーラスでは力強い声が客席から響いた。「あなたが嬉しいととても嬉しくて、あなたが泣いているととても悲しい。そんなシンプルな気持ちを、実感するライブでした」と涙を流しながらVALSHEが語り、本編は「Responsive」で幕を閉じた。


アンコールが響くステージにスクリーンが降り、最速先行公開になるニューシングル「紅蓮」のミュージックビデオが流れるというサプライズ。間髪入れずにサンドカーキのライブTシャツに着替えたVALSHEが登場。「ツアーを通して一曲一曲を大事にしながら一曲ずつの想いを語って行ければいいと思って始めた」とVALSHE。「アコースティックライブ」を選んだ理由については、「今一度、基礎に戻って一曲一曲に向かい合って、VALSHEの曲である意味と向き合うために。正しい意味で曲を伝えたい、正しい言葉を伝えたい。進むためのツアーでした。進むために一つ一つ伝えてきたツアーでした。なので進むために10年目もよろしくお願いします!」と語った。

そして始まったのは「Sincerely」。心からの感謝を楽曲に乗せた同曲終了後に、バンマスである秋山健介を呼び込むと、新シングルとして発表された「紅蓮」について語られた。ミュージックビデオでは“殺陣”に挑戦、「足が折れても今回のツアーはできるから!」と全力で挑んだそうだ。さらに、もう一つ発表があると明かし、スクリーンいっぱいに「2020年2月2日 ファンクラブ限定ライブを開催」とアナウンスされた。

「このツアーが終わることによって、また新しいことができる。この終わりを最高に楽しみたい!」と語るとラストナンバー「LUCKY DAY」へ。VALSHEのライブらしい笑顔と笑いが溢れる楽曲にコール&レスポンスが響き渡る。会場がまるでひとつの音楽になっているような、そんな暖かさに包まれる歌声、そして言葉に包まれ、ツアー<VALSHE ACOUSTIC LIVE TOUR 2019 [UNplugged DocumeNts.]>の全12公演が幕を閉じた。

撮影◎Kyoichi Sugisaki

■<VALSHE ACOUSTIC LIVE TOUR 2019 [UNplugged DocumeNts.]>2019年9月29日(日)@神田明神ホール SETLIST

01. Myself
02. RAGE IDENTITY
03. Prey
04. Chain Smoke
05. Roma
06. Moon-reveal & sequel-
07. インスタントセレブリティ
08. Butterfly Core
09. honesty
10. AFFLICT
11. PLAY THE JOKER
12. 夕暮花火
13. 空腹
14. a light
15. Responsive
encore
en1. Sincerely
en2. LUCKY DAY

■13thシングル「紅蓮」

2019年11月20日(水)発売
【初回限定盤 (CD+DVD)】JBCZ-6112 ¥1,636+税
特典DVD:紅蓮 Music Clip & Music Clip off Shot
【通常盤 (CD)】JBCZ-6113 ¥1,000+税

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