【連載】Hiroのもいもいフィンランドvol.73「もうすぐ来日!マイケル・モンローインタビュー:素晴らしい君たちみんなを愛してる。日本に戻るのが待ちきれない」

ポスト

8月にサマー・ソニックで来日!その来日時にシークレットライブを行い「Last Train To Tokyo」のミュージックビデオの撮影を東京で行ったマイケル・モンローですが、その曲も収録されたニューアルバム『One Man Gang』先月10月18日に発売になりました。その少し前に電話インタビューに応じてくれました。


──ニューアルバム『One Man Gang』がもうすぐ発売になりますが、今の気分は?

マイケル・モンロー:とってもいい気分だ。このアルバムは強力なアルバムだ。アルバム全体を通してとっても満足してるよ。新しい曲をライブでやるのが待ちきれないな。

──「Last Train To Tokyo」のミュージックビデオが大好きなんですが、8月に来日した時にこのビデオ撮影のためにElectric Eel Shockのライブにスペシャルゲストで出演してシークレットギグをしたのですよね。これは誰のアイデアだったのですか?

マイケル・モンロー:それはリッチ・ジョーンズと俺だけど、最初に提案したのはリッチだった。クラブでのライブシーンを入れたくて、撮影のために何回か演奏して、最終的にはフルセットのライブをやったんだ。信じられないぐらいに素晴らしい最高のライブになったよ。観客も最高だったしね。


──リッチがソーシャルネットワークでこのシークレットギグのヒントを出してたように思うんですが、それに気がついた人は多かったようでしたか?

マイケル・モンロー:告知はElectric Eel Shockのライブで、スペシャルゲストがくわえられてたんだけど、口コミで噂が広がったようでとってもたくさんの人が来てくれた。150人ぐらいを予定してたんだけど、300人ほど集まってくれた。最高の気分になったな。

──このビデオ見ると観客がとっても熱狂的ですね。この曲のビデオ撮影で何か思い出に残ったことはありましたか?

マイケル・モンロー:天井にパイプがあって、それにぶら下がったら観客もぶら下がって一緒に歌ったりしたんだ。最高だったよ。

──この後のUKツアーではこのシークレットライブの時のElectric Eel Shockがサポートバンドに決まっていますが、彼らとどうやって知り合ったのですか?

マイケル・モンロー:サポートバンドの候補に挙がってきてて、どういう経路でそうなったかはよくわからないんだけど、ツアーエージェント経由だったのかな。サミとリッチはそれ以前に会ったことはあるようなんだけど。とってもいい面白いロックバンドで、彼ら独自のものを持ってて、どこかのグラムロックバンドをサポートに迎えるよりずっといい。よく俺たちがグラムロックバンドだと誤解を与えてるようなグラム系バンドをサポートの候補にあげられるんだけど、自分たちはロッケンロールバンドであって、彼らのパンクロックスタイルのほうがグラム系よりずっとぴったりくる。

──夏に日本のサマー・ソニックにひさびさに出演しましたが、どうでしたか?

マイケル・モンロー:とってもうまくいったよ。東京と大阪2会場に出演したけど、すごくうまくいった。とにかく暑かったけどね。これまでやったライブの中で一番暑かったかな。特に東京は室内だったからよけいにね。でもうまくいったよ。

──ニューアルバムのタイトル曲「One Man Gang」ではザ・ダムドのキャプテン・センシブルがリードギターで参加してますが、同じくサマー・ソニックに出演した彼らのライブに飛び入り出演したという話を聞きましたが?

マイケル・モンロー:自分の好きなバンドだからもちろん彼らのライブを観に行ったんだ。キャプテンは友達でもあるし。そしたら「Jet Boy, Jet Girl」の時にステージに呼んでくれたんだ。最後にはギターまで渡されて騒いだってわけだ。最高の経験でとっても楽しかった。俺が思うに彼ら世界で最も素晴らしいバンドの一つなのに、評価が低すぎると思うな。もっと高く評価されていいバンドだ。

──サミ・ヤッファはバンドのメンバーですが、このニューアルバムにはハノイ・ロックスのメンバーの一人でもあったナスティ・スーサイドが「Wasted Years」にギターで参加してますが、ナスティはあなた達のヘルシンキ公演によくゲスト出演してますよね。

マイケル・モンロー:ハノイの初期の頃、サミとナスティと俺の3人はストックホルムのストリートに住んでたことがあって、2人とはずっといい仲が続いてて、俺たち3人の絆はとっても深いものがあるんだ。この週末も出演するかもしれないよ。

──ニューアルバムではApocalypticaのエイッカ・トッピネンが最後の曲「Low Life In High Places」でチェロを弾いてますね。ソロ活動30周年記念ライブのヘルシンキ公演でエイッカが登場して「Don't You Ever Leave Me」を演奏したのを覚えてますが、あなたの50歳の誕生日祝いのライブがRuisrockフェスであったとき、Apocalypticaがゲスト出演してましたが、エイッカと知り合ったきっかけは何だったのですか?

マイケル・モンロー:エイッカはThe Voice Of Finland(2014年シーズン3でコーチをしていたマイケルのアドバイザーでもありました。)で、俺のチームのファイナリストSiru Airistola(シル・アイリストラ)と「Say Something」をデュエットした時も彼がチェロ弾いて共演してる。彼は昔からの知り合いで、最初にいつ知り合ったのかははっきり覚えてないけど、とってもいい奴で、彼が奥さんとやってる別のプロジェクトのバンドCherry & The Vipersにも出演したことがあるんだ。ずいぶん昔にどこかでばったり会って知り合ったんだったと思う。

──このニューアルバムではバンドメンバーみんな曲作りに参加していて、リッチ・ジョーンズが曲作りの才能があることに気が付いたと語っているのをどこかで見かけたのですが、皆が参加することでバンドの絆が強くなったりありますか?

マイケル・モンロー:あぁ。そうなるようにしてる。バンドメンバー皆才能あるやつがそろってるから、みんなに曲を作るように勧めて、その中からベストな曲を選んだんだ。誰が作った曲とかは関係なしに。最終的にそのほうがいい仕上がりになる。俺にはすべての曲を自分でかき上げなきゃならないなどというエゴはないよ。びっくりしたことにリッチがいい曲をたくさん提供してきて、自分が作った曲を下げることになったりもした。そういう感じで一番ベストな曲がアルバムに収録された。

──ニューアルバムの中で「In The Tall Grass」という曲ではとっても柔らかく歌っている部分がありますね。新しい試みですか?

マイケル・モンロー:そうなんだ。ヴォーカルがどこまで広がるか可能性を試してみた。歌詞ではティーンエージャーになって、この世界はそんなに安全な場所じゃないってことに気が付き、子供の頃の無邪気さが終わることについて語ってるので、最初はちょっと子供っぽく優しく歌って途中から激しくなるように歌ってみたら、あとでリッチがきいてびっくりするほどぴったりきた。どこかのインタビューでこれはいったい誰が歌ってるんだ?って聞かれたぐらいだよ(笑)。

──では8月に日本に行った時、ライブ会場とホテル以外どこかに行く時間はありましたか?

マイケル・モンロー:あぁ、東京で原宿のお店に行ったよ。ゼンモールってお気に入りのお店があって、ビデオでもライブで着てる赤いベストはそこで買ったものなんだ。そのお店じゃいつも何か新しいものが見つかるんだ。他に街を歩いたり。大阪でも街を歩いたりしたけどあまり時間はなかったな。

──ではもし日本に行った時充分な時間があったら行ってみたい場所とかありますか?

マイケル・モンロー:京都の公園とか、映画村。広島には2回ほどいったことがあるんだが、涙がでてきたよ。そこの資料館ではどんなにひどいことが起こったかが時間を追ってとてもよくわかる。誰もが訪れてみるべき場所だと思う。今の地球が進んでる方向を考えてみたら、過去に何が起こったのかを忘れてはならない。武器を作ることより安全に過ごせ、病気を治すことに力を注ぐべきだ。大国のお偉いさんたちがどうやって滅ぼすかばかりを考えてることは全く理解ができない。とにかく過去を忘れてはいけない。話がずれたけど、京都に行ってみたいな。映画村や、美しい公園もあるし。あと名古屋。12月の来日では東京、大阪に名古屋も入ってるな。名古屋も訪れるのに好きな街だ。

──最後に日本のファンにメッセージをお願いできますか?

マイケル・モンロー:日本の愛すべきファンのみんな、俺を信じて、忠実でいてくれてとっても感謝する。素晴らしい君たちみんなを愛してる。日本に戻るのが待ちきれない。もうすぐ会おう!(日本語で)ドウモ・アリガトウ!

今年2月のことですが、ホテルの朝食をマイケル・モンローご夫妻とご一緒する機会が偶然にあったのですが、そのときにニューアルバムには日本にちなんだ曲があるといって、「戻ってくるからちょっと待ってて。」と席を立ったマイケルがポータブルスピーカーをもって戻ってきました。そしてなんと朝食のテーブルでスマホにはいっていた「Last Train To Tokyo」をスピーカーに接続して聴かせてくれたのです。朝食のテーブルで聴いたこの曲、早くまた聴きたくてうずうずアルバム発売を待ち遠しくしていたらミュージックビデオになって一足早くリリースされ、日本がいっぱい詰まってて何度見ても楽しい。最新のフィンランドの音楽雑誌に載っていたインタビューを読んでも彼がどんなに日本を好きでいてくれるかが伝わってきました。

「バンドのメンバーみんなどんなに時差ぼけでくたくたな状態であっても、日本での経験は毎回とってもファンタスティックだ。空港を1歩出た瞬間に日本のエネルギーがからんでくる。日本人はどんなに時が流れようが、なぜか例外的に共感的で、純真、音楽に対してとても情熱を持っていてくれる。今だにCDが売れる国で、音楽を楽しむためにライブに来てくれ、すべてを忘れて楽しむんだ。ちょうど一昔前のフィンランドがそうだったように。」

さらに日本人は礼儀正しく敬意を払うよう育てられてて、日本はとても安全に感じるとも語っています。「Last Train To Tokyo」のミュージックビデオには熱狂的な観客、電車からの風景、街のビートなど、これが日本だってものをとにかく詰め込めるだけ詰め込みたくて、出来上がったビデオにそれが現れてるとも語ってます。ちなみにマイケルが電車に座って外の景色が流れていく風景はサミのスマホで撮影した映像だそうです。

マイケルはヘルシンキ公演がTavastiaクラブであるときは、未成年者も入れる昼の部と、お酒が飲める18歳以上の夜の部の2公演やってくれます。どこかのインタビューで、たまにはものすごく疲れててステージに出る気力がないような時ももちろんあるが、観に来てくれた人の中にはその公演のみの人もいるから、毎回それが最後の公演と思うようにして全力を注ぐことにしているといってましたが、その通り昼の部、夜の部、いつもの通りエネルギーいっぱいにステージを動き回り、飛んだり跳ねたり、観客前のフェンスに飛び上がったり。昼の部ではお父さんに肩車されてた子供にフェンス上から手を差し伸べてグーで子供のグーとタッチしたりと微笑ましい光景も。とにかく動き回るマイケルですが、ニューアルバムに入っている「Midsummer Nights」では、おとなしく歌い上げ、後ろのライトがとても効果的に輝き、うっとりしてしまいました。そして今回は昼の部、夜の部、両公演にナスティがゲスト出演!ニューアルバムで彼が参加していた曲「Wasted Years」以外にも何曲か一緒にプレイしてくれました。彼が登場するのはヘルシンキ公演ぐらいですが、それでもみんなとの息はぴったり。そして何よりも、メンバー皆が楽しそうにプレイしている。それは観てる側にも伝わってきて、時間はあっという間に過ぎていきました。










マイケル・モンロー12月に来日決まっています。追加公演”CHRISTMAS ONE MAN GANG SHOW”も加わり全4公演が予定されています。

マイケル・モンロー来日公演スケジュール:
・大阪 2019/12/2(月) 梅田 CLUB QUATTRO
・東京 2019/12/3(火) 渋谷 TSUTAYA O-EAST
・東京 2019/12/4(水) 代官山SPACE ODD (追加公演)
・愛知 2019/12/6(金) DIAMOND HALL

フィンランドでは誰もが知ってる国民的ロックスターなマイケル・モンローですが、彼が現れるとこに人が集まってくる感じします。特にライブがあると、サインしてもらうものをすごい数持ったファンもいたりですが、時間の許す限りすべてにサインして、2ショットにも応じて、あのファンに対する神対応尊敬します。余談ですが、2月に朝食をご一緒できた時、奥の席にいた私がフルーツを取りに立った時、狭くて出にくかったのですが、一緒にいた友達の話では、私が戻ってきた時通りやすいように後ろにあった棚を少し動かしてくれていたそうです。なかなかそこまでしてくれる人はいないと思うのですが、そんな心遣いまでできるマイケル・モンロー素敵すぎです。サマソニいけなかった方もいるかと思いますが、12月の単独来日公演お見逃しなく!

文&ライブ写真 :Hiromi Usenius

◆【連載】Hiroのもいもいフィンランドまとめページ
この記事をポスト

この記事の関連情報