【レポート】＜THE SOLAR BUDOKAN＞DAY4、Char「じゃあ、本番いこうか！(笑)」

無観客生配信と事前収録配信のハイブリッドで開催された＜THE SOLAR BUDOKAN 2020＞。今年のテーマは“FUTURE CHILDREN”だ。「私たちは未来の子どもたちに「イェー！」と言ってもらう為に太陽の力で世界中に向けオンラインフェスをやりたい」という佐藤タイジの言葉に、全34組のアーティストが集った。そんなフェスの大トリを務めたのはCharである。西多摩のキャンプ場、多摩あきがわライブフォレストに設置されたステージより、生中継にて配信された。

◆Char 画像

直前のアクトである仲井戸“CHABO”麗市のステージから画面が切り替わると、おもむろに「COLD AIR IN HOUSE」を弾き始めるChar。ドラムに古田たかし、ベースに澤田浩史を擁し、太陽をかたどった装飾を背に、ゴキゲンなライブを進行していく。続く「CHANGE」は巻弦の図太いリフと、アームによるダイナミックなビブラートを生かしてフェンダームスタングらしさを聴かせ、「MOVING AGAIN」では歌うようなコード崩しを披露。ラン奏法でニヤリと頬をゆるめる場面もあった。



一転、マイナー調で歌い上げたのが「MISSIN' YOU」と「THE LEADING OF THE LEAVING」だ。当たり前だがレコーディング当時のトーンと違い、ローミッドが豊かな分、よりうっとり甘い演奏に感じる。やはりアンプのドライヴのさせ方がピカイチで、指先で森羅万象を描いてしまうタッチの妙たるや。ボリューム奏法での締めもさすがである。

「MR.LIAR」に入ると、ピックを口にくわえ、手拍子を促す。そして火を噴くカッティング！ さらに16分裏のニュアンスが絶妙な「ONE MORE MILE」、“ハッ！”の咆哮で勢いづく「B･Y」が中盤のハイライトとなった。




ここで突然、セッション参加が事前アナウンスされていた佐藤タイジがオンステージ！ タイジはすぐさまギターを手に取り、Charと向き合ってジャムを繰り広げる。掛け合いで同じフレーズを弾きつつも、音の切りぎわにニュアンスをつけるCharと、タイトなタイジ。お互いの個性をケミストリーさせながら「DRIVE ME NUTS」へ。ソロでタイジはニカッと白い歯を出しっぱなし、Charも笑顔だ。テンポもダイナミクスも自由自在、6本の弦で会話するふたりの姿。生で音を合わせる楽しさ、言わばバンドの醍醐味とも言える魅力を存分に体現している。

「HEAR ME IN HEAVEN」を終え、ここまでノンストップだったライブも軽くひと段落。しかし汗を拭うタイジに、「冷や汗？」とすかさず茶化しを入れるChar。



そしてライブのラストは「SHININ' YOU, SHININ' DAY」だった。メジャーセブンのアーバンな響きのなかでも、ブルージーなロックソロを弾きまくるのが彼らならでは。“SHININ' YOU”と叫ぶタイジのしゃがれ声もいいアクセントとなっている。

ここで終演かと思われたが、少し間を置き、「相撲取りやる（笑）？」とChar。そう、締めはやっぱり「SMOKY」である。国内ロックの金字塔にて、それぞれが拳を合わせる大団円とあいなった。



去り際、佐藤タイジが語り始める。「ここでやれたこと、我々のかけがえのない財産になっています。必ずコロナを押し返す力になると思います。ありがとうございました！ ＜THE SOLAR BUDOKAN 2020＞、最高だったぜ！」。しかし、4日間にわたるこのフェスを締めくくったのは、主役の挨拶に続くCharのひと言だった。「じゃあ、本番いこうか！（笑）」。

取材・文◎秋摩竜太郎
撮影◎柴田恵理