【連載】Hiroのもいもいフィンランドvol.108「若手ロック・メタルバンド」

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1月も半ばになりましたが、あけましておめでとうございます。今年最初のHiroのもいもいフィンランドは気になる若手ロック・メタルバンドをいくつか紹介したと思います。


今から20年ほど前HIMやThe Rasmus、Negative、リボーン時代のHanoi Rocksなどが全盛期だった頃、フィンランドから多くの歌詞英語のバンドが登場してきました。ちょうどその頃フィンランドにはいいバンドがたくさんいることに気が付き、なんとか日本のロックファンにそれを伝えることができないかとフィンロック普及を始めたのですが、2010年ごろになると歌詞英語バンドの勢いはだんだんと落ち着いてきて、フィンランド国内では歌詞フィンランド語のほうが一般的に人気が出る傾向になってきたように思います。

ただ国外進出を狙うバンドは当然のことながら歌詞は英語になってきますが、それまでに知名度のあったバンドやそのバンドメンバーたちをのぞいて新たに無名から知名度を上げるのはなかなか厳しい時代になってきたように思います。もちろんどの時代でも新しいバンドにさっそうと目をつける目ざといファンもいるものの、オープニングアクトなどでヨーロッパツアーなどを行い、まず国外で注目され始めるとフィンランド国内でも徐々に注目され始める傾向にあるように思います。

というわけで頑張れ!という意味も込め、最近目についた歌詞英語の若手フィンバンド紹介することにします。

Rock-Criminals


photo by Markku Nykanen

昨年1度紹介しましたが首都のヘルシンキから約145㎞東に位置する人口2万人ほどの小さな町ハミナで結成されたロックバンドRock-Criminals!2018年リアリティ音楽オーディション番組「X Factor Suomi」で、先には進めなかったもののマイケル・モンローがメンターのバンド部門に最初のオーデション突破ができました。昨年12月念願かなって彼らのライブを観る機会がやってきました!Hanoi Rocksのカバーで「Tragedy」もやってましたが、とにかく元気いっぱいで、若かりし頃のHanoi Rocksをちょっと思い起こすようなかっこいいロッケンローなライブでした。今から20年ほど前の英語歌詞バンド全盛期に登場していたら若い女の子たちが黄色い歓声をあげていたに違いない。そのライブ会場でメンバーから動画メッセージをもらいました。こちらです。


新曲を待つ間こちらは昨年リリースになった「Red Roses」のMVです。


DIRT


photo by Studio 1851

2018年から活動を始めたヘルシンキ出身のロックバンドDIRT!2019年4曲入りのEP『Low Life』をリリースし、シングルリリースになったタイトルソングはSpotifyのストリーミング回数がすでに140万回を超えているそうです。昨年フィンランドのレーベルRanka Kustannusと契約して今年デビューアルバムリリース予定!このレーベルの設立者リク・パーッコネンはその昔Spinefarm Recordsを設立し、NightwishやChildren Of Bodom、Sonata Arcticaなどを見つけ出し最初に契約したことで知られる人物です。昨年彼のレーベルからBlind Channelが大ブレイクしたのは記憶に新しいところ。その彼の目に留まったということは要注目!Temple BallsやShiraz Laneといった若手バンドとも歳が近く知り合いのようで、すでに何度かオープニングアクトでライブ観たことがあり、気になっていたバンドです。昨年12月今年リリース予定のデビューアルバムから先行シングル「Real World」がリリースになりMVも公開になりました。こちらです。


Rebellix


photo by Niko Amadei

Rebellixは2016年にヴォーカル&ギタリストのサムエル・ホンカヴァーラによってヘルシンキで結成されたメタルバンド!彼らのサウンドはモダンとオールドスクールのヘヴィーメタルを混ぜ合わせ、チージーなグラムメタルの要素を統合し、パンクロックにインスパイアされたキャッチャーなコーラスを持ち合わせているとのこと。ヘルシンキの人気ロックバーThe Riffに行ったことがある人は、バーカウンターでバーテンダーしてるヴォーカルのサムエルを見かけたことがあるかも?昨年リリースになったReckless LoveのMV「Outrun」をみてたら3:14あたりで女の子達に混ざってちらっと出演してたのも目に付きました!バンドからは昨年10月に新EP「Serpent’s Kiss」がリリースになり、その中からセカンドシングルとしてリリースされたのがこの曲!MVはヘルシンキの街角で撮影されていてユニークなリリックビデオにもなっています。


Rust N' Rage


photo by Hannu Ikonen

フィンランド西海岸沿いの町ポリ出身の4人組ハードロックバンドRust N' Rage 。このバンド以前どこかで見かけて気になってFBとインスタフォローしていたのですが、昨年フロンティアーズ・レコードと契約し、最新シングル「Prisoner」のMVをフロンティアーズのFB投稿でたまたま見かけチェックしてみたら、80年代っぽいキャッチャーなハードロックサウンドでかっこいい。影響受けたバンドはGuns n’ Roses、Judas Priest、Motley CrueやDokkenなどとのことで、80年代好きな方には受けること間違いなし!3月11日にニューアルバム『One For The Road』リリース予定です。


今回は4バンド紹介しましたが、気になったバンドがあればぜひチェックしてバンドのソーシャルメディアなどイイネまたはフォローして今後の情報ゲットしてくださいね。探せば他にもまだまだお気に入りのバンド見つかるかもしれませんよ。

さてフィンランドのライブ状況ですが、昨年は夏ぐらいから少しづつライブも可能になり、秋にはコロナパスポート(ワクチン接種2度済みの証明、半年以内に新型コロナに感染証明、または72時間以内の検査で陰性証明)導入で制限なしにライブができていたのもつかの間。12月後半新型コロナのオミクロン株感染者が急増でコロナパスポート導入では制限解除ができなくなり、今現在またまたライブができない状況になっています。実は自分も家族そろって新年早々コロナに感染してしまい、ある意味一生忘れられないであろう年明けとなりました(苦笑)。フィンランドでは2月末ぐらいまでに10~69歳の国民の80%ぐらいがコロナに感染するだろうという予測が出ているぐらい、今急激に感染が拡大していて今やだれがどこで感染してもおかしくない状況になってきています。できれば感染しないのが一番だと思うので、どうかお気を付けくださいね。早くまた安全にライブが開催できる日が戻ってくるよう強く祈ってます!

文:Hiromi Usenius

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