【インタビュー Vol.1】ASH DA HERO、「“ロックバンドです、よろしく!”という初期衝動が詰まったアルバム」

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■土砂降りの中を走ってきたヤツらが
■晴天を手に入れたようなアルバム

──バンドとして始動してから約9ヵ月。ライブ活動もライブ内容もすごく充実していて、<20th Orchestra Concert HYDE 黑ミサ 2021 Halloween><ASH DA HERO THREE DAYS LIVE 2021”NEW STARTING OVER”><ASH DA HERO presents “GACHINKO”>をはじめステップアップの連続で、メジャーデビューも決まった今があるじゃないですか。これは想像していたこと?

ASH:はい。このメンバーでバンドを組んだからにはそうなると思っていたし、そうならなきゃ嘘だとも思っていたから。さっきも言ったように、このメンバーになってから小さなミラクルが起こり始めていたんですよ。去年10月には、その確信もあった。当時の取材では強気の発言と受け取られることも口にしていたと思うけど、強気でもなんでもなく、そのときの事実をただ言っていただけなんです。

──ソロのときは計画的に活動や音源を発表していた面もありましたけど、バンドになってからは?

ASH:ソロのときは逆算的に考えていたんですよ。例えるなら、組み上がったジェンガの中から1本ずつ木を抜いていって、“どのバランスがベストか”、“どのぐらいの高さがいいのか”、そういったことも考えていたような気がする。でもバンドになってからは逆のことをやっているんです。つまり、箱から出して積み上がってるジェンガを、一度バーンとブッ壊して、メンバー全員で組んでいってる感じ。みんなが組んでいってるジェンガの組み方のバランスを見ながら、“Narukazeはこう挿すのか”、“WANIはそうなのか”、“Satoはこう置くんだね”、“あっ、Dhalsimは置かねえのか”と(笑)。“だったら次のターンでは俺も置かねえ”、とか。そうやっていくうちに、“これはすげえおもしろいことになるな”って。みんなで組んでいくからこそ、ですよね。ソロは一人の積み木遊びだったけど、バンドとしてみんなが集まると、自分の想像とは違うものになっていくという確信。だから自分の想像する範疇を超えた未来しか待っていないだろうな、という確信ですね。


▲Sato (B)

──バンドになってから、スタジオで作曲やアレンジなどを進めるときは、どういうムードなんですか?

ASH:楽曲に関してはNarukazeがメインコンポーザーとして、作曲とアレンジをやってくれていて。歌詞は俺が書いているので、二人でやり取りして、お互いに妥協なく突き詰めていってる感じですね。そこはヒリヒリとした雰囲気もあります。メンバーそれぞれ仕上げてくるけど、音を合わせるとなると、やっぱりシビアになります、お互いに。突き詰められるところはまだいっぱいあるから、もっとストイックにならなきゃいけないですね。

Sato:場合にもよるけど、お互いのプレイに対して意見を言い合うこともあるし。

ASH:お互いにリスペクトできるメンバーでもあるので。ひたすら意見をぶつけ合って、高め合っていこうというのは、全ての正解ではないと思っているんです。意見を言う人がいて、それに対して“待った”を言える人がいて、それも含めて推し量れる人がいて、何も言わないけど思っている人がいて。そういう絶妙なバランスがあるんじゃないかなと思います。

──ASH DA HEROがバンドになったばかりの頃と現在では、ライブでの既存曲の聴こえ方が変わってきたんですよ。ステージ経験やオーディエンスとのやり取りも大きいと思うんですけど、同じ曲でもスケール感のデカさが出てきた。なぜならメンバーそれぞれが、プレイやパフォーマンスで自己主張がどんどん強くなっていったからだと思うんです。だからリハでも厳しくやり合ってるのかなと。

ASH:いや、リハーサルは楽しく(笑)。僕らはやるべきことをしっかりやるってことに、ひたすら全力を注いでいるとは思っています。まずは、俺たち自身がどういう曲をやりたくて、どんな音楽を届けたくて、それぞれがどういう音を鳴らすべきか、だと思います。みんな、プレイで魅せられるタイプのメンバーなので、それぞれがギラついているんじゃないんですかね。


▲Dhalsim (DJ)

──そうした中でメジャー一発目のアルバム『Genesis』の制作も進めていると思いますが、メンバー内ではどんな構想で始まったんですか?

ASH:『Genesis』を作るにあたって、メンバーはもちろん、関わるスタッフたちといろんな意見を出し合って、曲をチョイスしています。アルバムの曲順も含めて、ギリギリまで練ってますね。最後の最後にNarukazeが「いや、この曲はこっちでしょ」とか変更のアイデアを出したり。コンセプトアルバムというよりも、“ロックバンド=ASH DA HEROです。よろしく”というアルバムかなと思っていて、初期衝動が詰まった作品になると思います。

──だから、“創世記”とか“起源”を表す『Genesis』というタイトルに?

ASH:まさに。いろんな激烈なる思いは、俺は全て歌詞に落とし込みました。すごく自分たちらしいアルバムになったと思うし、天気に例えるなら、土砂降りとぬかるみの中をひたすら走ってきたヤツらが、晴天を手に入れたような。そんな景色が広がるアルバムになっているんじゃないかな。それがもしかしたら今の世の中にも当てはまるかもしれない。コロナ禍という土砂降りの2年間をなんとか転がり続けて、ようやく今、光が差し込もうとしている雰囲気もあると思うんです。それを象徴するようなアルバムになっています。

──アルバムの書き下ろしナンバーを作り始めたのはいつぐらいだったんですか?

ASH:俺の記憶だと、アルバムのリード曲になる「Merry Go Round」が最初じゃなかった? バンドを結成して、Narukazeが「俺の持っているストックの中で、ASHに歌ってほしい曲があるんだ」って。俺からも「お蔵入りのデモがあるから、ちょっとアレンジしてみてくれないか」と言って。そして「Narukazeの楽曲の歌詞を俺流に変えてもいいか?」って。そんなやり取りをしながら、最初にパッと出来上がったのが「Merry Go Round」でしたね。歌詞も、あのときにしか書けないものになっています。

Narukaze:それが去年7月です。


──バンドが始まるときのエネルギーやメンバー自身の期待感、そして活動していく中で感じた成長や可能性なども、そのときどきで曲になっていったわけですか。それが全て『Genesis』に詰め込まれることに?

Narukaze:そうですね。今年4月に形になったばかりの新曲もあるし。

ASH:アルバムの収録曲候補がなんとなく揃ってきた頃に「この曲はどう?」って、俺が滑り込みで出した曲もある。だから順々に追っていくと、特にリリックからは心境の変化みたいなものも分かる。内容は正直だと思うから。それにすごく素直に歌えている気がします。

──レコーディングは今現在も続いているんですか?

ASH:演奏のほうはもう録り終わっています。あとは歌が2曲。楽しい2曲を残しているんです。みんなでワーッとやろうぜって曲を。

──レコーディングが終わった楽器陣、今の手応えは?

Narukaze:最高です!

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