【速レポ】<中津川ソーラー>DAY3、いとうせいこう is the poetの“言葉と音”に天井知らずの高揚感

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暑さも和らぎ、涼しさを感じさせる風も吹くRESPECT STAGEで鮮烈なメッセージと極上のダブサウンドを届けてくれたのがいとうせいこう is the poet。<中津川 THE SOLAR BUDOKAN>を主宰する佐藤タイジに「呼ぶ、呼ぶ」とずっと言われていたそうだが、念願叶っての出演となった。

◆いとうせいこう is the poet 画像


いとうせいこう(Words)は作家やタレントとしても著名だが、ジャパニーズラップのオリジネーターであり、音楽面においても開拓者。そんな彼を中心に結成されたダブポエトリーユニットであり、いとうの小説、詞、演説などを即興演奏とともに読み上げていくスタイルだ。







いとうの「ITP! ITP! ありがとう、<THE SOLAR BUDOKAN>。踊っていってください」との言葉で「Jazterpeace」からライブは始まったのだが、いやはや生で体験すると想像の何倍も食らう。吐き出される言葉は、ラップとはまた違い、定型化することなく、もっとフレキシブル。表現としての生々しさ、リアリティが凄まじい。

加えて、ストレートに飛び込んでくるフレーズの強さ。「Jazterpeace」での“血が流れているんだ”や“これは暴力反対の音”、「平和を笑うな」での“笑いで人の上に立つな”といった言葉の重みもガツンと食らうし、貫かれる。



そんな言葉とともにWatusi(B)、會田茂一(G)、佐野康夫(Dr)、龍山一平(Key)、コバヤシケン(Sax)という卓越したミュージシャンがインプロビゼーションを加えたプレイを見せ、SUGIYA-MAN(DUB MIX)がリアルタイムでダブ処理をし、極上の仕上がりとなったサウンドを浴びていくのだからたまらない。言葉と音が拮抗し、あまり味わったことのない揺らされ方。ただ、そこに嫌な緊張感はない。ここから一歩も動いちゃいけない、縛られているようなプレッシャーは存在しなく、言葉と音に身を任せ、フリースタイルで踊っていける。





また、強烈だったのが先ほども少し触れた「平和を笑うな」だった。「NO BIG POWER」のアウトロからWatusiがフレーズを引っ張り、そこへメンバーが音を重ねていき始まったこの曲。シリアスなムードではあるが、誰かや社会を嘲笑するなと真っ当に歩む人の背中を押してくれる言葉が並び、本当に大切なことを改めて再確認、再認識でき、応援歌のようにも響く。サウンドとしての熱量も尋常ではなかった。




フィナーレは始まりの龍山と佐野が織りなす音にドキドキした「DEAR A」。ゲストとして佐藤タイジも登場し、一心不乱にギターをかき鳴らしてソロも弾きまくり、いとうの演説のような言葉とサウンドの絡み方が生み出す高揚感は天井知らず。その音楽スタイルが故、曲というテーマと骨組み、そして目指す先がありつつも、いかにその道のりを素晴らしいモノにするか、ということであろう。今宵のステージはきっといい感触を手にしたに違いないと言える陶酔感に満ち溢れていた。







取材・文◎ヤコウリュウジ
撮影◎俵 和彦

【RESPECT STAGE】セットリスト

01. Jazterpeace
02. iuai
03. Conquere
04. NO BIG POWER
05. 平和を笑うな
06. DEAR A

■<中津川THE SOLAR BUDOKAN 2022>

日程:2022年9月23日(金・祝) 、24日(土)、25日(日)
会場:岐阜県中津川公園内特設ステージ

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