【インタビュー】10-FEET、5年ぶり9thアルバムを語る「25周年の集大成みたいなことで言うなら“コリンズ”」

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10-FEETが12月14日、約5年ぶりの9thオリジナルフルアルバム『コリンズ』をリリースした。アルバムには全15曲を収録。映画『THE FIRST SLAM DUNK』エンディング主題歌「第ゼロ感」、<THE MATCH 2022>大会テーマソング「aRIVAL」、ドラマ『バイプレイヤーズ』オープニングテーマ「アオ」、「シエラのように」「ハローフィクサー」などシングル曲をはじめ、「SLAM」「深海魚」ほか8曲の新録曲が収められた。さらには、完全生産限定盤および通常盤Bには映画『THE FIRST SLAM DUNK』劇伴全5曲をDisc2に追加収録。加えて、完全生産限定盤および初回生産限定盤には<京都大作戦2022~今年こそ全フェス開祭!~>よりライブ映像10曲と各日のオフショット映像が収録された特典DVDが同梱されるなど、あまりにも破格で豪華な特大ボリュームにて届けられる。

◆10-FEET 画像 / 動画

2022年、結成25周年。「やれることは全てやって頑張りたい」「ちゃんと前に進む方向に行っている」とは、今年3月発表のコラボレーションアルバム『10-feat』インタビューでメンバー自身が語った言葉だ。そして完成した『コリンズ』は、前オリジナルアルバム『Fin』が持つ重厚感とダイナミックさはそのままに、より自由によりソリッドに、全15曲すべてが鋭くパワフルなロックソング。ますます広がった楽曲バリエーションの豊かさは痛快ですらある。25年間、止まることなく転がり続け、そのたびに角を鋭くしてきた奇跡のバンドの現時点での集大成であり、この先の未来を示すアルバムの完成だ。

注目は、新たな地平を切り拓いた3人のサウンド&アレンジにもある。ドラムンベースなアプローチをフックとした「SLAM」やEDMテイストがエキセントリックな「第ゼロ感」など、同期やデジタルと生身のバンドサウンドとの融合は10-FEETらしさの新たな扉を開いた。イントロを短くする傾向にあるサブスク時代に50秒越えのイントロでたっぷりと演奏のドラマを聴かせる「和」、アコースティックギター弾き語りを核としたショートチューン「まだ戻れないよ」「おしえて」、疾走するギターロック「ブラインドマン」、三線や沖縄テイストを採り入れた感動のバラード「深海魚」などなど、1曲1曲の聴きどころをピックアップすれば枚挙に暇がない。

BARKSは、同アルバムのマスタリング終了数時間後、まさにできたてホカホカの状態で10-FEETの3人に話を訊いた。「今回の合言葉は“まずやってみて、聴いて決めよう”だった」というアルバム制作秘話について、じっくりと3人に語ってもらったロングインタビューをお届けしたい。その前に、2時間半越え全33曲の熱演を繰り広げた<25th ANNIVERSARY ONE-MAN TOUR 2022 FINAL in 太陽が丘>の振り返りから。


   ◆   ◆   ◆

■10-FEETっていろんな曲があるんやな
■いろいろ思い返しながらやってました

──ニューアルバム『コリンズ』のマスタリングが終わって、まだ5時間ぐらいだそうで。聴かせてもらいましたが、みんな言うと思いますよ、「いいアルバムだよ」って。

TAKUMA:ありがとう(笑)。

──いいアルバムは、何回も聴かなくても一発目で分かる。流れといい、曲といい。

KOUICHI:さっきから立ったまま話してますけど、今日は最後まで立ちトークですか(笑)?

──立ちっぱなし=興奮が収まらないから。しかも11月12日の<10-FEET 25th ANNIVERSARY ONE-MAN TOUR 2022 FINAL in 太陽が丘>の直後だから、すごく力強く新しい第一歩が始まったなという感動もある。

TAKUMA:あっ、本当ですか。嬉しいな。


▲TAKUMA (Vo, G)

──アルバムの話の前に、その<太陽が丘ワンマン>だけど、予定外の曲が演奏されたり、TAKUMAの土下座シーンもあったりとか、盛りだくさんのライブでした。そのライブから3日後の今日、どんな感じだったか語ってもらいましょうか。

TAKUMA:そうやな、なんかでも、アルバム制作と平行してやってたんで。制作しながら、ワンマンに向けての準備も、みたいな流れだったんです。今までは一個一個と向き合うようにしてきたけど、今回はたまたま重なったんですよね。言ってみれば、ひとつのことに集中できずやってた。それがバンドマンとして、<太陽が丘ワンマン>を迎えるにあたっては良かったんちゃうかなと今は思ってますね、言い方は良くないかもしれないけど。太陽が丘となったら余計に力んで構えてしまうと思うので。まぁそれはそれでやってみたいですけどね、<太陽が丘ワンマン>に集中して、その準備だけに1〜2ヶ月掛けるとか。

──それは29周年ライブ(※<太陽が丘ワンマン>レポ参照)のときにね(笑)。

TAKUMA:そうですね、29周年のときまで取っておきます(笑)。でも25周年ワンマンは、いろんなことが平行しながらやったんで、バンドマンとして一番あるべき状態で迎えられたと思う。

NAOKI:ライブが終わって、「3時間近くやってた」ということをスタッフから聞いて、ビックリしたぐらいで。「そんなにやってた?」って思うぐらい一瞬のことやった。集中していたのと、コンディションも含めて、終始、いい感じでできたから。体感的には、時間が巻いてんのかぐらいの感覚でしたもん。

──しかもライブ直前の舞台裏でも、全然緊張してなかったですよね(笑)。

NAOKI:いや、いつも開演5分前ぐらいから急に緊張するんで、僕は(笑)。

──嘘っぽい(笑)。ヤバTのもりもりもととガンズ・アンド・ローゼズの話してたし。

NAOKI:してましたね。もりもとが「ライブに行った」っていうんでね。そういう話をするぐらいリラックスしてたってことはたしか(笑)。コンディションも含めて、今までで一番良かったんちゃうかなってぐらいでした。

KOUICHI:集大成やったと思います。曲数も、曲目も。このタイミングであの太陽が丘でできたのは良かったんかなと、終わってから思いましたね。純粋に楽しかったし。10-FEETっていろんな曲があるんやなって、改めて思いました。通して、あのセットリストをやったのはライブのときだけやったんですよ、ぶっ通しのリハはしなかったので。だから、本番は一層いろいろ思い返しながらやってました。


▲NAOKI (B, Vo)

──この<太陽が丘ワンマン>のステージの配置場所も、ステージ規模も<作戦>と同じだったでしょ。

TAKUMA:<京都大作戦>のことを<作戦>と呼ぶ人は初めてや(笑)。

KOUICHI:ほんまやで、誰もいないですよ、<作戦>と呼ぶ人は(笑)。

NAOKI:今、3人全員が引っかかりました(笑)。まずそこに。

TAKUMA:“大”がないだけで、急にアーミーな感じになるな。しかも迷彩柄を着てるライターさんが言うから、司令官みたいに見えるって(笑)。

KOUICHI:隊長感が出てるもんな(笑)。

NAOKI:隊長、どうぞ(笑)。

──だから<作戦>では(笑)、太陽が丘のゲートから源氏ノ舞台にオーディエンスが集まる光景を、15年近く見てきたわけですよ。でも11月12日は、全員が10-FEETのファンだけっていう。

TAKUMA:そうですよ、あれは嬉しかった。NAOKIの話を聞いて思ったんだけど、過去に2時間半とか3時間近いライブって何回かあるんですよ、ワンマンで。<野外ワンマンライブ2019 in 稲佐山>とかね。そのときは、“たっぷりやったね”とか、“長いことやったね”って感じがあった。それがあの日、3時間が一瞬やったと思えるのは、もちろん楽しい時間はあっという間に感じるから短かったというのも大いにあるんですけど、やっぱりね、“<大作戦>酔い”してたんですよ。いや、“<作戦>酔い”(笑)。だって普段の<作戦>では、あそこに朝から夜8時過ぎとかまでいるわけじゃないですか。ライブも朝からずっとやってるわけでしょ。それが夕方からの3時間やったら、不思議と短く思えるってのはあったかもしれない。



──ライブを終えて、新しく沸き上がった気持ちや思いなどはあります?

TAKUMA:いや、特別なものはないですね(笑)。

──でも終演後に出口ゲートに掲げられてましたね、2023年7月に<京都大作戦>を開催することが。

NAOKI:来年の<作戦>が。

KOUICHI:次なる<作戦>やね。

TAKUMA:<作戦>はね、毎年できるように頑張ってるんです。あとライブ中にも言いましたけど、来てくれたみんなとあんなに楽しくて嬉しい気持ちになれるのであれば、またワンマンを太陽が丘でやりたいって思いましたね。47歳と45歳のおじさんたちはこれからも頑張るぞと(笑)。

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