【ライブレポート】BabyKingdom、「次の夢は武道館!絶対立ちたい!」

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BabyKingdomが全12公演を廻ったツアー<BabyKingdom spring oneman tour『真剣×将舞』>のファイナル公演を5月5日に東京・神田スクエアホールで開催した。

◆ライブ写真

“MUSIC THEME PARK=音楽のテーマパーク”をコンセプトに掲げ、毎回、様々な趣向を凝らせて楽しませてくれる彼らは、3月22日にリリースされた新アトラクション(15thマキシシングル)「我武者ライジング」をひっさげて各地を廻り、実在した戦国武将をモチーフにした衣装も話題となった。

今回が3度目のワンマンとなる神田スクエアホールに和楽が鳴り響く中、刀を抜いて各自ポーズをキメて登場した4人。咲吾(Vo)は真田幸村、志記(G)は伊達政宗、もにょ(B)は武田信玄、虎丸(Dr)は上杉謙信をイメージとした衣装で、戦国時代のスターがステージに揃うという格好だ。

声出しが解禁になり、BabyKingdomのライブと切っても切り離せない振り付けも思いきり身体を使って楽しむことができたライブのオープニングは、ステージにスモークが派手に噴射され客席に扇子が舞った「我武者ライジング」。エンターテインメントなバンドであると同時に全員が実力を兼ね備えているところが彼らの武器だ。厚みがあってアンサンブルが確立されたサウンドが鳴り響いた。


「神田スクエアホールにお集まりの“ばぶりーず”(ファンの呼称)のみなさま、大変、お待たせいたしました。俺たちが戦国時代からやって参りましたBabyKingdomです。よろしくお願いします。真剣×将舞(真剣勝負)するぞ!」──咲吾

そして早速の“べびきん”コール&レスポンスとメンバーの名前を呼ぶやりとりで場内を盛り上げ、爽やかさすら感じられるポジティブポップチューン「マワリマワッテ」を演奏。ジャンプしたり、ハンドクラップしたりと振り付けもきっちりマスターしているばぶりーずをのっけから楽しませる。

「BabyKingdomのミュージックテーマパークは決して俺たちが遊園地のようなバンドであるわけではなく、1曲、1曲がみなさまの乗り込むアトラクションです。続いてのアトラクションはみなさまを恐ろしいカリブ海へとご招待したいと思います。準備できてますか? クルーたちよ。海賊になるぞ」──咲吾

「戦国武将がカリブ海に行っちゃうの?」と一瞬、頭が混乱するが、歌詞には日本海も出てくるし、咲吾が言う通り、これはアトラクションなのだ。「さあ! 出港だ!」という掛け声で「首領!BURACO」へと突入。志記のギターのフレーズが海の波間を感じさせる。曲の読み方も“どんぶらこ”と、関西を拠点に活動していたバンドだけあって、笑いの要素があちこちに盛り込まれている。そして、2022年の12月にツアーファイナルで開催された神田スクエアホールでのセットリストとかぶる曲はほとんどなかったのが本ライブ。同じアトラクションがないのもリピーターが増える要因なのかも。


「みんなが大好きな曲を持ってきました」と前振りして披露された「めっちゃアーメン」では志記ともにょがポジションをチェンジし、踊れるポップチューンに笑顔がこぼれる。バンドの大黒柱としてジャンルレスな楽曲たちのリズムをしっかりキープする虎丸、指弾きでメロディックなフレーズを際立たせながらも安定感のあるベースを弾くもにょ、ヘヴィメタルからポップスまで華のあるギターで魅了する志記、ハイトーンで伸びのあるボーカル、屈託のない笑顔でBabyKingdomのフロントマンとして場内の空気を引っ張っていく咲吾。4人4様なのだが、その息はピッタリである。

改めて挨拶した咲吾は「歴女のみなさん」と呼びかけ、「男のコも多いじゃない? 暦男もいるんだね?」と嬉しそう。今回のツアーを廻ってお城めぐりをしている中、志記が年号に疎いということが発覚したという話題になり、「本能寺の変は?」と問題を出され、「イチゴパンツ(1582年)やろ?」と1問目は正解したものの「平安京は?」「平城京は?」と次々に攻めこまれ、次第に動揺していく志記。虎丸やもにょもフォローするものの最終的には咲吾に「過去の歴史がオマエを作ってるのや」と怒られていた。

「このツアー、1曲、1曲、みなさんと真剣に向き合って斬りかかりに行きますので、よそ見をせずにかかってきてください。戦に向けて出発しましょう」──咲吾


場内から拳が上がった「SAMURAI-BLUE MIND」では志記が面目躍如でアグレッシブなパフォーマンスと共にハードで男前のギターを響かせ、再びスモークが噴射され、ヘヴィゾーンに突入。重厚感のあるサウンドとサビのキャッチーなメロディが同居する「GOLD」、「アンクドファラオ」では咲吾がシャウト 。エキゾティックなギターが響き、虎丸ともにょが向かい合って呼吸を合わせ、ハードロックや歌謡曲など多様なジャンルを縦横無尽に取り入れ、ばぶリーずもコロナ禍で抑圧されていたものを昇華させるかのように盛り上がる。

その光景を目の前にして感謝の言葉を述べた咲吾は「次の曲、この神田スクエアホールで絶対、やりたかったことがあります。途中、みんなで一緒に歌いたいところがあるので歌ってください」と呼びかけ、曲が小学校の運動会のダンスに採用されたこともあるBabyKingdomらしいキラキラポップワールドが広がる「TOY&MAGIC」は首を振りながらベースを弾くもにょがチャーミング。後半でみんなが歌う声が会場に響きわたった。

引き出しの多さをあますことなく見せてくれるのが彼らのライブだ。虎丸のメリハリの効いたドラミングと情緒溢れる世界観のミドルバラード「月夜のシンデレラ」が演奏されると大きな拍手。

「暁とは夜が明けて朝になるまでの時間帯のことを言います。1日の終わりに“あんなことしなきゃよかったな”とか“あんなこと言わなきゃよかったな”とか、そうやって自分の中で後悔ができるということは自分の中でひとつの成長なのかなと。そういうふうに思って、この曲を書きました」──咲吾

そんなエピソードから咲吾がアコースティックギターを奏でながら歌った「アカツキ」はBabyKingdom初の楽器編成での披露となった。


MCコーナーでは咲吾と志記が刀で対決(?)のやりとりで笑わせ、咲吾が「俺、剣道3段やで」と返したり、ツアーを振り返ったりと全員でのわちゃわちゃしたやりとりも。喉のアクシデントなど様々なことを乗り越えて活動してきた日々のことを振り返ってなのか、今のような環境でやれているのは去年、大変な想いをしてきたからこそだと咲吾がバンドとして自信がついたこと、そして7周年を迎えることについて目を輝かせて語っていたのも印象的。「(今は)バンドもせずにメシ食ってます」とボケた後、メンバーに突っ込まれ、「バイトもせずに」と言い直し、昔からの夢が叶ったと笑顔。次なる夢について宣言した。

「次の夢は武道館立つぞ。絶対立ちたい! 先輩のライブで武道館、見にいったことあんねん。立てると思ったから! 立ちましょうね! みんなの驚きとワクワクをこれからも生み出すようなバンドでありたいと思ってますので、これからもついてきてください」──咲吾

後半戦は場内に再び、扇子の花が咲いた「忍☆すぱいちゅ」から志記が下手、 もにょがセンター、咲吾が上手へと移動し、みんながタオルを振った賑やかな「泥酔曜日〜DAY SWIM DAY〜」から「UZA-No.39」、ラップも盛り込まれた理屈抜きに楽しい「大阪ちんぷんかんぷんROCK」と何でもアリ感がBabyKingdomらしいナンバーを連続投下。本編最後の曲を1stシングル「ハイカラ」で締めくくった。

アンコールではスクリーンに新アトラクションのことがメンバーの動画と共に次々と発表され、神田スクエアホールは喜びの声に沸いた。警察をモチーフにした新衣装のメンバーが追っている謎の怪盗団のことについて語り、7月12日にリリースされる両A面16thマキシシングル「ハイ逮捕 / FAKE in PHANTOM」もいち早くファンに届けられた。


<summer oneman tour『太陽と月光の反響音』>が7月15日の名古屋 ell.FITS ALL 公演を皮切りに、ファイナルの9月6日、9月 7日のSHIBUYA PLEASURE PLEASUREまで開催されることが告知され、さらには7月26日には<BabyKingdom 7周年記念 LIVE『HAPPY☆SEVEN』>が渋谷 duo MUSIC EXCHANGEにて開催。そして、7月30日のKYOTO MUSE、7月31日には京都MOJOにて<咲吾生誕記念 LIVE 前編『ワガママ王子のお遊戯会2023』>・<咲吾生誕記念LIVE後編『はんなり音楽祭』>が、9月21日の名古屋 ElectricLady Landでは<志記バースデーONEMAN LIVE『志記生誕祭 2023 ~アイアムギターヒーロー~ The Adventure』 >が開催されるなど、精力的すぎる夏から秋にかけての活動が明らかになった。

そしてメンバーがステージに登場し、「我武者ライジング」の天下統一のポーズで会場のばぶりーずと一緒に写真撮影。なごやかな雰囲気の中、咲吾が新アトラクションについて“警察”と“怪盗”、追う者と追われる者をコンセプトに音源が制作され、ツアーもほとんどの箇所が2デイズ、“警察DAY”と“怪盗DAY”に分かれていることに言及。シングルには4曲が収録されること、その内の1曲は告知スクリーンで流れていたダンスミュージックのトラックがヒントになることが明らかにされた。

7周年記念ライブが渋谷 duo MUSIC EXCHANGEで開催されることに関しては、「周年も渋谷やし、ファイナルも渋谷やし、俺ら完全に東京モンですよ」(志記)「パリピですね」(咲吾)「そういうことじゃなくて、O-EASTの下ですよ。次はEASTで」(志記)とボケツッコミもありつつ、2人のバースデーライブに対する思い入れも語られ、とにかくレアなエピソードがてんこ盛り。つけ加えると制作中の新曲(カップリング)では虎丸がドラムを叩かず、前に出て踊るかもしれず、「ついに俺、前の人になってまうねん」と虎丸も興奮気味であった。

このまま告知とトークで終わってしまうかもしれないと思われたが、もちろん、そんなことはなく、「さあ、これからも俺たちと一緒に最高の夏を過ごそうぜ!」と煽り、レゲエのエッセンスも盛り込まれたパーティチューン「ライドンザ・ビーチ」に始まり、サビでお化けポーズをする「ユーレイ☆になっても愛してる」などたて続けに4曲を演奏。


「限られた人生の中、少しでも元気に少しでも笑っていけるようにミュージックテーマパークをどんどんどんどん大きくしていくので、みんなも俺たちをもっと楽しませてください。最後の曲はこれからも俺たちがみんなを引っ張っていくよという意志を込めた曲です」──咲吾
 
 そんなメッセージと共にラストナンバーは発射された金テープが神田スクエアホールに舞った「誰かのヒーロー」。最初から最後まで場内を満たしていたのは幸せな空気。子供から大人までべびきんはこれからも誰かを笑顔にするヒーローたちであり続けるだろう。

取材・文◎山本弘子
写真◎菅沼剛弘

リリース詳細

両A面 16th maxi single「ハイ逮捕 / FAKE in PHANTOM」
2023年7月12日(水)4type Release

夏ツアー詳細

<BabyKingdom summer oneman tour『太陽と月光の反響音』>
2023年
7月15日(土)名古屋 ell.FITS ALL(警察)
7月16日(日)名古屋 ell.FITS ALL(怪盗)
7月22日(土)新横浜 NEW SIDE BEACH!! (警察)
7月23日(日)新横浜 NEW SIDE BEACH!! (怪盗)
8月4日(金)INSA Fukuoka (警察)
8月5日(土)INSA Fukuoka (怪盗)
8月8日(火)広島 SECOND CRUTCH (警察)
8月12日(土)OSAKA MUSE(警察)
8月13日(日)OSAKA MUSE(怪盗)
8月15日(火)SHIZUOKA Sunash(怪盗) 8月19日(土)仙台 MACANA(警察)
8月20日(日)仙台 MACANA(怪盗)
8月26日(土)柏 PALOOZA(警察)
8月27日(日)柏 PALOOZA(怪盗)

TOUR FINAL
9月6日(水) SHIBUYA PLEASURE PLEASURE (警察)
9月7日(木) SHIBUYA PLEASURE PLEASURE (怪盗)

全公演共通、開場・開演時間
【開場 / 開演】17:30 / 18:00
チケット情報(※ファイナル公演を除く)
【前売 / 当日】¥5,500/ ¥6,000(税込)※Drink 代別
【e+プレオーダー】2023年5月24日(水)12:00〜5月31日(水)23:59
【一般発売】2023年6月13日(火) 12:00〜 ファイナル公演・チケット情報
【前売 / 当日】¥6,000/ ¥6,500(税込)※Drink 代別
【e+プレオーダー】2023年6月21日(水)12:00〜6月28日(水)23:59
【一般発売】2023年7月13日(木) 12:00〜

ライブ情報

<BabyKingdom 7周年記念 LIVE『HAPPY☆SEVEN』>
【日程】2023年7月26 日(水)
【会場】渋谷 duo MUSIC EXCHANGE
【開場 / 開演】17:30 / 18:00
【前売 / 当日】¥5,500/ ¥6,000(税込)※Drink 代別
【e+プレオーダー】2023年6月21日(水)12:00〜6月28日(水)23:59
【一般発売】2023年7月13日(木) 12:00〜

<咲吾生誕記念 LIVE 前編『ワガママ王子のお遊戯会 2023』 >【日程】2023年7月30日(日)
【会場】KYOTO MUSE

<咲吾生誕記念 LIVE 後編『はんなり音楽祭』>
【日程】2023年7月31日(月)
【会場】京都 MOJO
※以下2公演共通公演情報
【開場 / 開演】17:30 / 18:00
【前売 / 当日】¥5,500/ ¥6,000(税込)※Drink代別
【e+プレオーダー】2023年6月21日(水)12:00〜6月28日(水)23:59
【一般発売】2023年7月13日(木) 12:00〜

<志記バースデーONEMAN LIVE 『志記生誕祭 2023 ~アイアムギターヒーロー~ The Adventure>
【日程】2023年9月21日(木)
【会場】名古屋 Electric Lady Land
【開場 / 開演】17:30 / 18:00
【前売 / 当日】¥5,500/ ¥6,000(税込)※Drink代別
【e+プレオーダー】2023年7月17日(月)12:00〜7月24日(月)23:59
【一般発売】2023年8月4日(金) 12:00〜

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