【ライブレポート】BUDDiiS、絆深めた初の野外ワンマンライブ「こんな景色を見られるとは思っていなかった」

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BUDDiiSが、東京と大阪で初の野外ワンマンライブ<BUDDiiS vol.05 - MAGiiCAL ->を開催した。ここでは、6月17日に東京・日比谷野外大音楽堂で行われた公演のレポートをお届けする。

◆<BUDDiiS vol.05 - MAGiiCAL ->ライブ画像

コロナ禍真っ只中の2020年9月に結成したBUDDiiSにとって、今回のグループ初の野外ワンマンライブは特別な位置付けだ。声出しの制限が一切ない、屋外の開放的な空間でバディ(ファンの呼称)と触れ合える。この瞬間を誰もがずっと待ち望んでいたのだ。

BUDDiiSは最新曲「Magic」や、「The One」「Dream Love」などアンコール含め計19曲を披露。バディへの愛情と、メンバー同士の絆の深さを存分に感じることができた圧巻のステージだった。もっとも、この2つは私たちの想像を大きく超えるものだったと、先に記しておこう。


雲ひとつない青空の下、チケットがソールドアウトした会場は最後列までぎっしりと埋まり、バディたちはペンライト片手に開演を今か今かと待ち侘びていた。

事前にオフィシャルサイトで告知されていたとおり、今回の2公演は、メインボーカルを務めるメンバーのひとりであるKEVINが、腰椎椎間板ヘルニアおよび坐骨神経痛と診断されたため出演を見合わせることに。BUDDiiSは9人で初の野外ライブに臨んだ。


▲MORRIE

メンバー紹介のVTRが流れたあと、「皆さん最高の一日にしましょう」と呼びかけるリーダーのFUMINORIとともに、白シャツや半袖姿のメンバーが颯爽と登場。夏を感じさせる歌詞と軽快なリズムが印象的な「Under The Sea」でライブは爽やかに幕を開けた。

▲HARUKI

SHOOTの甘くハスキーな歌声から始まる「To The Top」では、早くも序盤から全員の魅力を存分に堪能することができた。SEIYA、FUMIYA、FUMINORIのクールなラップ、中音域が気持ちいいSHOWの歌声、TAKUYA、YUMA、HARUKIの躍動的なダンスと、それぞれが持ち味をこれでもかと発揮する。そして極め付けはメインボーカルであるMORRIEの存在感だ。サビ前では特技の美しいロングトーンを空高くまでこれでもかと響かせる。メンバーそれぞれの個性が輝きを放ち、見るものを片っ端からバディへと仕立てあげる。もちろん、男の私も例外ではない。圧巻のパフォーマンスに野太い声援を送っていた。男だろうが女だろうが関係ない。BUDDiiSの魅力は性別を超えて伝わるのだ。

▲SHOOT

▲SHOW

バディから熱く支持されている「Dream Love」が始まると、一段と大きな歓声が響き渡った。MCでは、メンバーそれぞれがユニークな自己紹介を披露。SHOOTが「どうもBUDDiiSの短パン小僧です。こんなに暑かったら足出したくもなりますよ」と裾を捲り上げると、「はい、この顔で、すね毛バリ濃いから短パン履けませーん。リーダーのFUMINORIです」と謎のカミングアウトが飛び出してしまう。ほかにも「ライブが楽しみすぎて髪が白くなっちゃった」(SHOW)「開始3曲で気合い入りすぎて結構へとへとです」(YUMA)と場を和ませるメンバーたち。しかしMORRIEが「今日のために“ツルツル坊主”を作って、今日晴れたということでね」と少しボケると、「てるてる!」「変な間違いしないでください」とすかさず厳しいツッコミが入っていたが、バディの爆笑を一挙にさらったのであった。

▲SEIYA

「ここからどんどんギア上げていきましょう。最高の魔法にかかっていきますよ」とFUMINORIの呼びかけで始まったのは「ENCHANT」。曲中でSHOOTがウインクを決めると、会場は一段とヒートアップした。その後ライブはダンス曲あり、ラップ曲ありの攻撃的なゾーンに突入。「YO HO」「RISE IN LOVE」「BEAST2」「Mr.FREAK OUT」のスペシャルメドレーでは、SHOWの前転やFUMINORIのキレキレのソロダンスがバディを夢中にさせていた。

▲YUMA

ここで、9thデジタルシングル「Magic」の衣装に着替えたメンバーが披露したのは、KEVINが作詞作曲したBUDDiiS初のR&Bバラード「her+art」。「KEVINを感じながら、気持ちは10人でステージに立っている」とメンバー全員がMCで語っていたとおり、美しく夕日が差し込む中、お互いをカバーし合うかのように、スケールの大きいバラードを丁寧に歌い上げていた。

▲FUMINORI

▲TAKUYA


本編ラストの曲は全員歌唱の最新曲「Magic」。メンバーそれぞれの声質と華麗なダンスを楽しみながら、私も「Magic」ポーズに挑戦してみた。メンバーやバディを真似て、Mの形を作った指を動かしてみる。曲に合わせて“Magic、Magic”。とても楽しい。振り付けは簡単なので初めてライブに来るバディにもおすすめだ。

全員がSEIYAデザインのTシャツを着て臨んだアンコールでは、サプライズがあった。「The One」の電話パートに登場したのはなんとこの日不在のKEVIN。「もしもーしKEVINでーす」とスピーカー越しに明るい声が聞こえると、会場からは驚きのあまり悲鳴に近い歓声が。メンバーも驚く中、「本当に出たかった。でもね、一番良いところ僕とっちゃうからね」と宣言し、「本当に好き(笑)」と畳み掛けた。「ありがとう。まさかの電話KEVINでした」と目を丸くさせるFUMINORIと、「声聞けてよかった」と感激するメンバーたち。会場はこの日一番の歓声に包まれ、嬉しさのあまり泣きそうになっているバディの姿も見られた。

▲FUMIYA

「(KEVINがいないと)こんなに大変かって、ボーカルきついですね。倒れそうになる」と公演中、弱音に近い胸の内を明かしたのは、この日一人でメインボーカルというポジションを務めあげたMORRIE。バディから「頑張って」との声援があったが、「(俺よりも)KEVINをもっと応援してあげたら」と気遣う。間髪入れず会場中から「KEVIN!」と声があがると、「喜ぶ喜ぶ」と笑顔を浮かべていたシーンは、深い友情がこちらまで伝わる美しい光景だった。

ラストの曲は、メンバーからバディへ愛を届ける楽曲「OZ」。KEVIN作の楽曲をアンコールに2曲繋げてきたところにも絆を感じる。「KEVINのパートをみんなで歌いましょう」とリーダーが合図を送ると、夕闇に染まる直前の日比谷に大合唱が響き渡った。

初ワンマンライブが、新型コロナ感染拡大の影響で無観客からスタートしたBUDDiiSにとって、この光景は格別であっただろう。最年少のFUMIYAが「結成してデビューしたころは、こんな景色を見られるとは思っていなかった」と振り返る。「頑張ってよかった」とSHOOT。「KEVINくんの思いも載せてここまでライブしてきました」とHARUKI。「次こそ10人でここに立ちたい」とTAKUYAは決意を述べた。


最後に、「楽しかったひとー」「また会いたいひとー」とFUMINORIが全員に念願のコール&レスポンスを求める場面もあった。バディも声を存分に出し「はーい」と元気よく返す。コロナ禍では考えられなかった素敵なシーンだ、と思った。ここまでは。

突然、「俺のが会いたいー」とリアル弟キャラのSHOOTが可愛らしく叫び出した。FUMINORIはすかさずSHOOTの耳元に顔を近づけ「今日、泊まりにきていいよ」とささやき、バディは歓喜の絶叫。それに「なんで、なんで?」と困惑するFUMIYA。「ごめん、ごめん」と謝るFUMINORIに、もう一度「なんで、なんで?」とFUMIYAが問うと、「はい締めますよー」と有耶無耶にするのだった。

公演が終わったあと、長い時間バディに「ありがとう」「見えてたよ」とお礼を伝えていたメンバー。長いコロナ禍を乗り越えたBUDDiiSとバディの快進撃はここからはじまる。それを強く印象付ける魅力たっぷりのステージだった。

なお、BUDDiiSは10月14日と15日の2日間、千葉・幕張メッセ 幕張イベントホールで単独ライブを開催することが決まった。また、7月28日には新曲「Glow Gold」を配信リリースすることも発表された。


進化を続けるBUDDiiS。次はどんな景色を見せてくれるのか楽しみで仕方がない。

取材・文◎東 純史(BARKS)
撮影◎笹森健一、小坂茂雄

<BUDDiiS vol.05 - MAGiiCAL ->セットリスト

2022年6月17日(土)東京・日比谷野外大音楽堂
M1. Under The Sea
M2. To The Top
M3. Dream Love
M4. ENCHANT
M5. Beautiful
M6. JEALOUS
M7. YO HO
M8. RISE IN LOVE
M9. BEAST2
M10. Mr.FREAK OUT
M11. her+art
M12. HOT CHEESE
M13. ALRIGHT
M14. P.A.R.T.Y
M15. SUNSHINE
M16. SM:)LE
M17. Magic
ENC1. The One
ENC2. OZ

リリース情報

10thデジタルシングル「Glow Gold」
2023年7月28日(金)配信開始
※詳細後日発表

ライブ情報

<BUDDiiS ワンマンライブ>
2023年10月14日(土)、15日(日)千葉・幕張メッセ 幕張イベントホール
2Days / 3公演
※詳細後日発表

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