【ライヴレポート】L'Arc-en-Ciel、アリーナツアー<UNDERGROUND>開幕「マニアックなメニューになってます」

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▲2月10日(土)@国立代々木競技場第一体育館

L'Arc-en-Cielにとって約2年ぶり、念願の声出し解禁となる全国ツアー<ARENA TOUR 2024 UNDERGROUND>が開幕した。これまでライヴで披露する機会が少なかったレア曲が一挙解禁されると同時に、L'Arc-en-Cielの多面性を証明するアリーナツアー<UNDERGROUND>より、2月10日(土)および11日(日/祝)に行われた国立代々木競技場 第一体育館公演のオフィシャルレポートをお届けしたい。

◆L'Arc-en-Ciel 画像

2月8日(木)のファンクラブ会員限定公演を皮切りに、2月10日(土)、11日(日/祝)まで、国立代々木競技場 第一体育館3Daysを開催。周年記念公演ではシングルヒット曲を連打するのと対照的に、今回のツアーでは、これまでライヴで披露する機会の少なかった楽曲群を掘り起こし、スポットを当てるというコンセプトを掲げている。

事実上の初日となった一般公演10日、11日両日を取材したが、次々と繰り出されるレア曲にファンは歓喜、会場は絶え間なくどよめいていた。これまで欠かさず披露されていた代表曲を外した大胆不敵なツアーであり、L'Arc-en-Cielのアグレッシヴな変化を感じ取れる間違いなく魅力的なツアーでもある。ネタバレを回避するため具体的な表現は最小限に留めつつ、以下、見どころをレポートしていく。





▲2月10日(土)@国立代々木競技場第一体育館

2021年のアリーナツアー<30th L'Anniversary TOUR>で好評を博したメンバーとの圧倒的近さを体感できるセンターステージを本ツアーでも採用。メリーゴーランドを想起させる回転式円形ステージを中心に、十字型に東西南北へと花道が伸びていた。ライヴが始まる前から会場には雨音や雷鳴が響き渡り、LEDモニターに投影される映像がムードを高め、暗い森の奥へと迷い込んだような心地になっていく。ヨーロッパの古城や地下室を思わせるモチーフのオープニング映像は、壮大なダークファンタジー映画のワンシーンのようで、<UNDERGROUND>というタイトルにふさわしい。

ライヴはいくつかのチャプターから成る壮大な物語のように、一連のテーマを感じさせる映像を織り込みながら、MCで多くを語ることなく進んでいく。ミステリアスで不穏な暗黒世界から、光に満ちた平和な未来へと向かう“再生”のストーリーを読み取ったが、映像中にも解説は皆無。あくまでも観客一人ひとりのイマジネーションに働き掛け、読解を委ねているように感じられた。





▲2月10日(土)@国立代々木競技場第一体育館

セットリストは予想以上に攻めたチャレンジングな内容で、20数年、10数年ぶりの曲がひしめき、とにかく驚きの連続。10日と11日とで数曲の入れ替えがあり、幕開けの曲も異なるため、両日狂喜のどよめきの中、ライヴはスタートした。3Daysのうち3日目だけ披露したレア中のレア曲もあり、今後ツアーの中で新たな隠し玉があるのだろうか?と期待が高まる。MCでhyde(Vo)は「思い出すのが大変でした。28年ぶり(に披露する曲)とか。びっくりしちゃった」とコメントしたが、「今歌うと逆に新鮮だったりしますね」とも語った。

声色の表現領域を拡大し続け、19年振りとなる「Ophelia」ではサックス演奏も披露したhyde。懐かしい楽曲に時には新たなアプローチを取り入れ、より多彩さを増したギターサウンドで空間を色付けていくken (G)。メロディアスなベースフレーズを華麗に紡ぎ、コーラスでの活躍も飛躍的に増しているtetsuya (B)。要塞のようなドラムセットを定位置に、360度どの方位から見ても隙のないプレイを繰り広げるyukihiro(Dr)。4人のテクニックと表現は2024年の今なお向上と深化を続けており、久しぶりの披露となる曲たちは、最新鋭のヴァージョンに磨き上げられていた。


▲2月10日(土)@国立代々木競技場第一体育館

忘れ難いのは、天体の自転を思わせるゆっくりとした速度でステージが回転する中で披露した6分30秒超のメランコリックなバラード「a silent letter」。2000年にリリースされたオリジナルアルバム『REAL』収録曲で、24年ぶりの披露となる。LEDモニターの映像、会場全体を美しく構築する照明演出に加えて、ファンの手元ではオフィシャルグッズのL'ライトが無線制御で瞬いていた。それらの放つ光はむしろ暗闇を際立たせ、ステージはまるで銀河に輝く巨星のように幻想的に浮かび上がった。音楽、演出が融合して結実するそのような美しい場面を、このツアーでは幾つも目撃することになるだろう。


▲2月11日(日/祝)@国立代々木競技場第一体育館

メンバーが花道に歩み出るとファンは熱狂的に名前を呼んで迎え、その一帯が遠景でもパッと明るくなっているのが分かるほど、晴れやかな笑顔で溢れていた。「声を出せるようになって初めてのツアーだもんね。4人揃ってる姿はどうですか? これが観たいんでしょ?」と語り掛けるhyde。L'Arc-en-Cielとしては約4年掛かって辿り着いた、待ち兼ねた声出し解禁ライヴである。

「マニアックなメニューになってますが、ドエル(※ファンの総称)の皆さんはお好みでしょうか?」との問い掛けに客席から大きなリアクションがあり、「良かった」と安堵したhydeは、演出を手掛けたのはtetsuyaであることを明かして讃えた。

2021年、コロナ禍の真っ只中にリリースした「ミライ」は本来、結成30周年を祝し、ファンとライヴで合唱するイメージで生み出された曲だったが、当時は叶わなかった。暗闇の中でピンスポットに照らされてhydeが独唱するパートの後、kenのギター、tetsuyaのベース、yukihiroのドラムが加わるごとに光が強くなっていき、やがて会場は虹色に染められていく。ファンによる合唱が今回ついに実現したラストはエモーショナルで、心を激しく揺さぶるものだった。





▲2月11日(日/祝)@国立代々木競技場第一体育館

<UNDERGROUND>という響きからダークな世界観をイメージするかもしれないが、ツアーが始まって判明したのは、暗い曲をピックアップするという意味では全くない、ということである。例えばアルバムリリース時のツアー以降、披露していないなど、ライヴで陽の目を見ることが少なかった、という点で共通する多種多様な楽曲たちで編み上げたセットリストには、L'Arc-en-Cielというバンドが元々持っている多面的な魅力が反映され、むしろ自然な姿を取り戻したとも言える。

ヘヴィロック、退廃的なゴシック、ニューウェーヴ、ポップ、エレクロトなど挙げればきりがないほどレパートリーは幅広く独創的。曲中に一瞬スリリングなジャズアンサンブルを織り交ぜるなど、1曲の中にも豊かなグラデーションを持つ、美しき楽曲たち。その素晴らしさを浴びるように次々と体感できるツアーとなるだろう。





▲2月11日(日/祝)@国立代々木競技場第一体育館

MCでは、歓声が鳴り止まない客席を見渡して「すごい元気だよね。うれしいな。そんなに好き?」とhydeはいたずらっぽく笑い掛け、結成33年を迎えてなお熱烈に応援し続けてくれるファンに対し、tetsuyaも「うれしいね。幸せ。ありがとう」と感謝を述べた。35周年が視野に入ってくるこのタイミングで、これまでに生み出してきた名曲群と向き合ったツアーを開催するのは、バンドにとって意義深いことである。MCではメンバー間のクロストークが何度も生まれ、yukihiroは無言を貫いたがhydeにそのキャラクターをいじられて笑顔も見せ、4人の醸し出す空気感は温かく、会場を和ませていた。

開演前の体験型テーマパーク風アナウンスメントに始まり、次の展開への興味を惹かれる映像、L’ライトの色を観客自ら切り替えて回答するクイズコーナー“THE L’ArQuiz”も含め、ライヴの構成としては、小さな子どもから大人まで楽しむことができる間口の広い設計となっていた。コアファンを満足させると同時に、エンターテインメント性を保持した枠組みを用意することで、たとえ聴き馴染みはない曲であっても、圧倒的なクオリティーと“今”の4人の実力によるパフォーマンスで魅了していく。


▲2月11日(日/祝)@国立代々木競技場第一体育館

広く愛されるポップさと深遠な芸術性とを併せ持つL'Arc-en-Cielの強みが最大限に活かされた実験的かつ発明品のようなツアーがいよいよ始まった。次なる開催地は、2月28日(水)、29日(木)の大阪城ホール2Days。4月13日(土)、14日(日)の横浜アリーナでのファンクラブ会員限定公演でファイナルを迎えるまで12公演を行ない、L'Arc-en-Cielは全国のファンに会いに行く。

取材・文◎大前多恵
撮影◎Takayuki Okada/Kazutoshi Oguruma/Hiroaki Ishikawa

■<L'Arc-en-Ciel ARENA TOUR 2024 UNDERGROUND>


▼東京公演
2月08日(木) 国立代々木競技場第一体育館
※[LE-CIEL PRESENTS]ファンクラブ会員限定
open17:00 / start18:30
2月10日(土) 国立代々木競技場第一体育館
open16:00 / start17:00
2月11日(日) 国立代々木競技場第一体育館
open15:00 / start16:00
(問)SOGO TOKYO 03-3405-9999
▼大阪公演
2月28日(水) 大阪城ホール
open17:30 / start18:30
2月29日(木) 大阪城ホール
open17:30 / start18:30
(問)キョードーインフォメーション 0570-200-888
▼東京公演
3月06日(水) 国立代々木競技場第一体育館
open17:30 / start18:30
3月07日(木) 国立代々木競技場第一体育館
open17:30 / start18:30
(問)SOGO TOKYO 03-3405-9999
▼福岡公演
3月16日(土) マリンメッセ福岡A館
open16:00 / start17:00
(問)キョードー西日本 0570-09-2424
▼名古屋公演
3月23日(土) ポートメッセなごや 第1展示館
open16:00 / start17:00
3月24日(日) ポートメッセなごや 第1展示館
open15:00 / start16:00
(問)サンデーフォークプロモーション 052-320-9100

■追加公演<L'Arc-en-Ciel ARENA TOUR 2024 UNDERGROUND>

▼福岡公演
3月17日(日) マリンメッセ福岡A館
open15:00 / start16:00
(問)キョードー西日本 0570-09-2424
▼埼玉公演
4月06日(土) さいたまスーパーアリーナ
open16:00 / start17:00
4月07日(日) さいたまスーパーアリーナ
open15:00 / start16:00
(問)SOGO TOKYO 03-3405-9999
▼横浜公演
4月13日(土) 横浜アリーナ
open15:30 / start17:00
※[LE-CIEL PRESENTS]ファンクラブ会員限定
4月14日(日) 横浜アリーナ
open14:30 / start16:00
※[LE-CIEL PRESENTS]ファンクラブ会員限定
(問)SOGO TOKYO 03-3405-9999

【チケット】
一般チケット(全席指定)
¥12,000 (tax in) /枚
Official Fan Club LE-CIEL会員とDigital Fan Club LE-CIEL会員(年会費コース)の方(W会員含む)で、一般チケットをファンクラブ経由で購入された方のみを対象に、後日「プレミアムチケット」の申込みを抽選で受付けます。詳細はARENA TOUR 2024 UNDERGROUND特設サイトにて。
▼プレミアムチケット
「プレミアムチケット」は一般チケットからのアップグレードになります。各ファンクラブチケット先行を通して、一般チケットを申込みいただき、当選、入金された会員の方の中から、「プレミアムチケット」の申込みを抽選で受付けます。アップグレード代金として追加で¥12,000 (tax in) /枚をお支払いいただきます。
▼プレミアムチケット特典内容
特典①:アリーナ席保証
特典②:プレミアムチケットオリジナルグッズ付(当日お渡しのみ、後日発送不可)


■LIVE Blu-ray & DVD『30th L'Anniversary LIVE』

2024年3月27日(水)発売
予約リンク:https://kmu.lnk.to/9gb2qB


【完全生産限定盤 (2Blu-ray+2CD+PHOTOBOOK+GOODS)】
KSXL-340~344 24,000円(税込)
▼Blu-ray Disc 1
01. ミライ
02. READY STEADY GO
03. New World
04. SEVENTH HEAVEN
05. Lies and Truth
06. 瞳の住人
07. XXX
08. fate
09. finale
10. MY HEART DRAWS A DREAM
11. Driver's High
12. Pretty girl
13. STAY AWAY
14. HONEY
15. いばらの涙
16. Shout at the Devil
17. Singin' in the Rain
18. LOST HEAVEN
19. 星空
20. FOREVER
21. 予感
22. Blurry Eyes
23. GOOD LUCK MY WAY
24. 虹
EXTRA TRACKS
01. 叙情詩
02. Sell my Soul
▼Blu-ray Disc 2
・Documentary of 30th L'Anniversary LIVE
▼CD Disc 1
01. ミライ
02. READY STEADY GO
03. New World
04. SEVENTH HEAVEN
05. Lies and Truth
06. 瞳の住人
07. XXX
08. fate
09. finale
10. MY HEART DRAWS A DREAM
11. Driver's High
12. Pretty girl
▼CD Disc 2
01. STAY AWAY
02. HONEY
03. いばらの涙
04. Shout at the Devil
05. Singin' in the Rain
06. LOST HEAVEN
07. 星空
08. FOREVER
09. 予感
10. Blurry Eyes
11. GOOD LUCK MY WAY
12. 虹
▼GOODS
・Special Photobook
・<30th L'Anniversary LIVE>メモリアル アクリル ジオラマ


●早期予約特典●
予約期間:1月26日(金)~2月25日(日)23:59
期間中にご予約いただいた方に『30th L’Anniversary LIVE 記念 SPECIAL GUESTラミネートパス』をプレゼント。
▼早期予約特典 対象法人
・Sony Music Shop
・タワーレコード全店 (オンライン含む/一部店舗除く)
・HMV(一部店舗除く) / HMVオンライン
・TSUTAYA RECORDS(一部店舗除く)およびTSUTAYAオンラインショッピング
・Amazon.co.jp
・楽天ブックス
・セブンネットショッピング


【通常盤 (2Blu-ray)】
KSXL-345~346 10,000円(税込)
▼Blu-ray Disc 1
01. ミライ
02. READY STEADY GO
03. New World
04. SEVENTH HEAVEN
05. Lies and Truth
06. 瞳の住人
07. XXX
08. fate
09. finale
10. MY HEART DRAWS A DREAM
11. Driver's High
12. Pretty girl
13. STAY AWAY
14. HONEY
15. いばらの涙
16. Shout at the Devil
17. Singin' in the Rain
18. LOST HEAVEN
19. 星空
20. FOREVER
21. 予感
22. Blurry Eyes
23. GOOD LUCK MY WAY
24. 虹
▼Blu-ray Disc 2
・Documentary of <30th L'Anniversary LIVE>


【通常盤 (3DVD)】
KSBL-6381~6383 8,800円(税込)
▼DVD Disc 1
01. ミライ
02. READY STEADY GO
03. New World
04. SEVENTH HEAVEN
05. Lies and Truth
06. 瞳の住人
07. XXX
08. fate
09. finale
10. MY HEART DRAWS A DREAM
11. Driver's High
12. Pretty girl
13. STAY AWAY
14. HONEY
15. いばらの涙
16. Shout at the Devil
17. Singin' in the Rain
18. LOST HEAVEN
19. 星空
▼DVD Disc 2
01. FOREVER
02. 予感
03. Blurry Eyes
04. GOOD LUCK MY WAY
05. 虹
▼DVD Disc 3
・Documentary of <30th L'Anniversary LIVE>

●店舗特典●
・Amazon.co.jp:コットン巾着(ミニサイズ / ブラック)
・他ショップ共通特典:コットン巾着(ミニサイズ / ナチュラル)
※対象店舗の発表は後日発表になります。

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