<EZO ROCK 2003>総括レポ Part 1。北海道は快晴に恵まれ、濃紺の空に吸い込まれるように響く…!

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8月14日、小雨がパラつく東京を離れ、北海道に発つ。「どの曲やるかな?」「天気大丈夫かな?」などと、翌日から始まる<RISING SUN ROCK FESTIVAL in EZO 2003>、通称<エゾロック>を心待ちにする人たちの会話を聞きながら、約1時間のフライトで新千歳空港に到着。北の大地は、曇天ながらも思っていたほど寒くはなく、涼しい風が心地よい。この日は札幌の街を少し観光して、早めに寝た。

8月15日、薄曇り、のち晴れ。午前9時過ぎ、当日合流する友人からメールが入る。「今、羽田。東京は土砂降り。目の前にCharがいます!」。その10分後、再び同じ友人から「民生が目の前でうどん食べてる!」と、SAMURAI IIIのうち2人を羽田で目撃してテンションが上がっている。

札幌のホテルからライヴ会場に向かうツアーバスの中では、FM North Wave から<エゾロック>情報が流れてくる。DJが『次の曲はJUDE「かき氷は宇治金時、海水浴はやだ」』と紹介した。ベンジーは何を想ってこの歌を書いたのだろう? フックのフレーズは“真夏”だけれども、なんとも言えない寂寥感にとらわれる不思議な曲だった。

駐車待ちの渋滞を抜けて、昼過ぎに会場に到着。レジャー・サイトに腰を下ろして、ビールを呑みつつ開演を待つ。午後3時、今年のメインステージであるSUN STAGEのオープニングを飾る氣志團が夏仕様の学ラン姿で登場。ステージ前のスタンディング・ゾーンは早くも人が溢れ返っていた。青空の下でこだまする「ワンナイト・カーニバル」の掛け声を聴きながら、THEATRE BROOKを観るためにRED STAR FIELDへ移動。長めのインスト曲から「なにもないこの場所から」「ドレッドライダー」と続く。そしてROVOの勝井祐二を招いての「One Fine Morning」では、タイジのギターと勝井のヴァイオリンが躍動的なハーモニーを奏で、そのプログレッシヴな演奏に中条卓のベース、森俊之の鍵盤、沼澤尚のドラムがピタリと寄り添う。インプロヴィゼイションによるその演奏に心酔した。

再びSUN STAGEに戻り、スガ シカオのステージを満喫する。キッチリと作り込んだ完成度の高いステージをラフな雰囲気で見せる、という彼のライヴの根幹を見た気がした。

夕暮れ時のRED STAR FIELD付近でEGO-WRAPPIN'を聴きながらビールを呑む。本当はちゃんと観たかったのだけど、ステージの真横あたりまで人が溢れ返っていたので観ることを諦めた。ほろ酔い気味でゆったりと聴くエゴは、実に気持ちよかった。

気が付けば、すっかり陽が落ちてステージの照明が美しく映えている。SUNRISE AREAからSUNSET AREAに戻って来る途中の高台からJUDEを観る。濃紺の空に吸い込まれるように響く「シルベット」は素晴らしいと、心の底から思った。

※<EZO ROCK 2003>総括レポ Part 2へ続く。
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