2ndアルバム『CANDLE』インタヴュー ~大人の男のロック・スピリッツ~

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NEW ALBUM


『CANDLE』

2005年11月23日発売
GZCA-5075 \3,059(taxin)

1. キャンドル
2. 僕は君を壊したりしない
3. 君だけに気づいてほしい
4. ハッピーエンディングじゃ終わらない
5. 夜空はきらめいて
6. I wannaknow your soul
7. シェリー
8. 危険なカーブ
9. 青い果実
10. 自転車少年
11. ハレ

のついている曲はPV視聴できます。



曲作りは、日々の排泄みたいなもの

――他のアーティストへの楽曲提供も多くしてますけど、ヴォーカリストが違うことで曲の作り方に違いはでてくるんですか?

徳永:いや、なんにも違わないですね(笑)。

――自分から生まれた曲はかわいい子供のようなものだから「自分で歌いたい」と思うでしょう?

徳永:曲? 子供じゃないですよ…日々の排泄物みたいなものです。毎日出てくるし、出ないなぁと思ってもトイレに行ったらなんとなく出るじゃないですか。だからなんとなく楽器を触ってれば出てくるし。どんな形のものが出てくるかは出してみないと分からないし(笑)。

――えぇ? コントロールはできないんですか?

徳永:そうするとぜんぜん違うのが出てきちゃうんですよ。狙うとだめですよね。

――“アレンジ”は後学的な技術で会得できますが、“歌詞とメロディ作り”というのは、天性であってテクニックではないと思うんですけど、どう思いますか?

徳永:それは“音楽”じゃない部分ですよね。ネタとなる部分。たとえば、自分のフラストレーションとか、単純に映画を見て感動したとか、メンタルなネタが埋まってくると、それが何かに変換されて曲になっていく、みたいな。僕は、音楽から音楽を生み出すことはできないけど、生活から音楽が生まれるんです。何かに感動しても「すごかったんだよ!」って人に言えるタイプの人間ではないので、感動したものを家に持って帰って暗く一人で曲にしてるっていう感じですね(笑)。

――いつから音楽がライフワークになったんですか?

徳永:うーん、中学生ぐらいですかね。僕、学校が大嫌いだったんですよ。特に高校が進学校で、勉強していることと将来やりたいこととのギャップが大きすぎて、違和感を感じたまま勉強してたんです。「こんなに音楽がやりたいのに、どうして1日のうちの8時間以上を違うことに費やさなきゃいけないんだろう?」って。そう思って学校をサボッたりしたときに、じゃあ自分は余った時間の余ったパワーをどこに向けるんだ?っていうと、やっぱり音楽しかなかったんですよね。

失われた10代への憧れが、
曲を生み出してるのかもしれない

――典型的なミュージシャン(笑)。

徳永:僕は10代に青春できなかったコンプレックスがあるんです(笑)。文化祭も出たことなかったし、卒業式も出てないし修学旅行も行ってない。学校嫌いで行ってないし友達もいなかったんで、失われた10代に対しての憧れっていうのがずーっとある(笑)。そういうコンプレックスが曲を生み出してるのかもしれないなって、最近思うことがあります。今回のアルバムの最後に入ってる「ハレ」っていう曲は、高校の頃、学校をサボってしょっちゅう海ばっかり行ってたときのことを歌っているんです。この曲を書いて、当時のことをちょっと思い出したりしてます。

――doaはいまだにティーンみたいな連中ですが……。

徳永:ははははは(大爆笑)。

――ギターの大田さんとのプレイヤー同士の会話っていうのはどんな感じなんですか?

徳永:僕はうるさいですよ(笑)。僕はギタリストじゃないんで、僕の弾く仮ギターはすっごい変なんです。ギタリストじゃ思いつかないようなボイシングとかリフとかを弾いているらしくて、大田さんに「何これ? どうやってんの?」って言われる(笑)。

――迷惑な話ですね(笑)。

徳永:大田さんというギタリストと何故やってるかっていうと、大田さんもヴォーカリストで、歌を引き出せるギターをわかってる、というところですね。そこにベクトルが向いているので、二人で話しててもぶつかることがないんです。「こっちのほうが歌がよく聞こえるね」とか「ここはこのほうが盛り上がるね」っていう意見がわりと一緒なんで。

――今作の「歌」に関してはどうですか?

徳永:今回は、最初の歌入れの段階で吉本くんが自分の世界を持ってきてたんです。“こう歌いたい”っていう詞の世界をはっきりさせてからレコーディング・ブースに入るので、ものすごく進みが早かった。気に入らないところは、自ら指摘してセルフ・ディレクションした部分もありました。

――レコーディングは、スタッフとかマネージャーさんはラクなんでしょうかね。

徳永:どうなんでしょうね?(笑)

スタッフ:(苦笑)

――自分達でツボが分かってるから、経験豊富なスタッフが手助けしなくちゃいけないような必要性がないでしょう?

徳永:そうなのかなぁ。まぁ、自発的にやっていたいですよね。バンドはね、レーベルのために音楽を作ってたらダメですよ。えらそうですけど。ミュージシャンとか、何かを表現する人間は、誰かに「やれ」って言われて作るんじゃおかしい。そこをずっと続けていくことが自分の課題ですね。

――今作によって、さらに今後の展開が楽しみになってきました。

徳永:3人がパートごとにリードヴォーカルをとる曲があってもいいねっていう話をしていますよ。この2ndが完成したことで、1stと2枚合わせて“これがdoaです”って言えるものができたと思います。ヘヴィなこともメロディアスなものもできる、自分らの枠が広がりましたね。

――歌詞もずいぶん変わりましたよね。虚勢を張ってない大人の男のラブソングだと思います。

徳永:そのとおりです。よりリアリティというか、すっぴんになった感じですね。
取材・文●烏丸哲也

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