DOUBLE、「残り火-eternal BED-」リリース・インタビュー

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――「BED」で恋人同士だった二人が迎えた結末が、ここで描かれてますよね。サビの“最後の夜はふたりで泣きながら抱き合ったね”というフレーズが本当に切なくて、一体どういうドラマが二人に訪れて最後の夜に到ったのかと、非常に想像力を掻き立てられました。

DOUBLE:そうですよね。実際“最後の夜に泣きながら抱き合った”なんて経験はないんですけれども(笑)、その部分は私もすごく気に入ってます。あとは、1stヴァースで二人が重ねてきた歴史を歌っているあたりも、抽象的なのに感性に響くというか。気になっていた言い回しも松尾さんが最終的に変更していて、そう意味では感性が似ているなと思いましたね。

――そんな“別れ”や“悲しみ”を前面に押し出した歌なのに、トラック自体はストリングスを使ったアレンジで華やかな仕上がりになっているのが面白いなと。

DOUBLE:実は最初に作ってもらったデモを聴いたとき、男性用に
作られた曲みたいな印象を受けたんですよ。そこで“私は女性
なので、トラックにも女性的な要素が欲しい”と松尾さんにお話し
して、参考になるような洋楽の曲をお渡ししたんです。音の成分として、高域の部分を多く使ってほしい。中域から低域が強いと男性の曲に聴こえるから……ってことを松尾さんに説明したら、“なるほど!”と唸ってましたけれど(笑)。

――作曲・作詞は全面的にお任せしたとはいえ、やはり今までずっとセルフで制作してきたわけですから、いろんな場面で譲れないこだわりは当然出てきますよね。

DOUBLE:ま、こだわりというか、自然と蓄積されてきた経験があるから提言できる。デビューした頃は同じように自分の要望を言っても、やっぱり聞き入れてもらえなかったんですよね。逆に今は、むしろ誰もが私の顔色を窺うくらい信頼してくれているというか、そういう状況にしていったというか(笑)。ヴォーカル・ディレクションをしてくれていたJinさんが“今のでOKじゃない?”と言っても、歌い方に納得いかない部分は歌い直しましたし、そういう意味では自分の欲求は満たされていますね。

――それが10年の成果ですよね。出来上がったものを聴かれて、どんな風に感じました?

DOUBLE:やっぱり自分でプロデュースしてきた曲と違って、歌うことに専念できているなということと、あとは、だいぶ歌謡的な要素が出てるなと思いましたね。でも、それは決して悪い意味ではなくて、ま、松尾さんらしいなというか。個人的にはカップリングに収録されている「残り火-eternal BED-(D.O.I.Mix)」のほうが好きなんですけれど(笑)。こっちのミックスのほうが、グルーヴィーなんですよね。ただ、今回はヴォーカルを際立たせたかったので、その点ではリード曲のほうが適ってます。

――当然、この曲も収録されであろうベスト・アルバムのほうも楽しみにしています。

DOUBLE:ミニ写真集やDVDが付いたりと、パッケージとして面白いものになると思いますよ。DOUBLEのブランディングにおいて、ヴィジュアルは重要な位置を占めてますからね。いわばコレクターズ・アイテム的なものになる予定です。今のところは。

――ちなみにデビューしたとき、10年続けられると予想してました?

DOUBLE:まったく考えてなかったですね。ひたすら目の前のハードルを一つ一つ飛び越えていくだけで、先のヴィジョンは考えていない……っていうことは、デビュー当時から言っていましたし。ハードルというより、ベストを尽くして山を登頂しきると言ったほうがいいかな。それが最初はナントカ山から始まって、今は富士山くらいまで来た感じ(笑)。

――富士山まで来ても、まだモンブランやエベレストもありますからね。

DOUBLE:そうですね。だから“まだまだだな”って思う一面もあれば、“伊達に10年やってきてないな”っていう気持ちもあったりで。10年というと一つの節目に思われるかもしれないですけど、意外と微妙な時期なのかもしれない。いずれにせよ、まだ“過程”ですね。これからやりたいことも色々あるし、この仕事だけやっていると、なかなかできないことにも挑戦できたらいいなと。ま、欲張りなんでしょうね。女の子は(笑)。

取材・文●清水素子

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