ヤマハから「MOTIF XS」のサウンドを継承しつつ軽量化したMIDI/オーディオインターフェイス内蔵のシンセ「MOX6」「MOX8」

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ヤマハは、デジタル楽器の新製品として、ヤマハ ミュージックプロダクションシンセサイザー「MOX6(写真:上)」「MOX8(写真:下)」を5月16日より発売する。

「MOX6」「MOX8」は、2005年発売の「MOシリーズ」の後継モデル。プロのステージで使用され続ける「MOTIF XS」のサウンドを継承しつつ軽量化を実現したワークステーションタイプのシンセサイザーだ。USBオーディオ/MIDIインターフェースの内蔵やDAWソフトウェアのリモートコントロール機能の充実など、コンピューターとの親和性を向上、初心者にも上級者にも使いやすいワークステーション・シンセサイザーとなっている。鍵盤は「MOX6」が61鍵セミウェイテッド鍵盤、「MOX8」が88鍵GHS鍵盤で、鍵盤以外のスペックは同様だ。価格はいずれもオープンプライス、予想実売価格は「MOX6」が100,000円前後、「MOX8」が150,000円前後になる見込み。

音源は、エンジンは上位グレードのMOTIFシリーズの最新モデル「MOTIF XF」と同様のもので、波形などは1代前のフラッグシップ「MOTIF XS」からの移植となる。以前のフラッグシップのサウンドがミドルグレードに降りてきたかっこうだ。音色はあらゆるジャンルの音楽に対応する多彩な1,217音色を搭載。クラシックの世界で高い評価を得たヤマハのコンサートグランドピアノをサンプリングしたピアノ音色を始め、世界中のアーティストから支持を受けた「MOTIF XS」の音色波形355MBを移植。アコースティック楽器メーカーならではの高品位なストリングス、ブラス、ドラムなどのサウンドとアナログシンセ、パッド、リードなど幅広いシンセサウンドを収録し、ステージ演奏から楽曲制作まで、幅広いジャンルの音楽を「MOX」1台でカバーする。

作曲時にも威力を発揮する最大4つのボイス(音色)を重ねて演奏できるパフォーマンスモードでは、重厚なオーケストラからドラム、ベースのバッキングに合わせたソロパフォーマンスまでさまざまな演奏表現が可能。プリセットはさまざまなジャンルに対応した256種類。キーボードでは表現が難しいブラスのシェイク奏法など楽器特有の奏法を再現するXA(Expanded Articulation)機能やキーボードメガボイスも搭載する。このパフォーマンスを簡単な操作で作成できるパフォーマンスクリエーター機能の他、4パートを同時に録音するパフォーマンスレコード機能の搭載も注目だ。エフェクトは、ロボットボイスを生み出すボコーダーをはじめ、キーボードに欠かせない97種類を搭載する。

本体のみでプログレードの音楽制作が行えるシーケンサーも内蔵する。リアルタイム録音はもちろん、パフォーマンスモードでの演奏もボタン一つで録音可能。数小節ずつのフレーズをパートごとに重ね、それを繋げて曲を作成するといった「MOTIFシリーズ」のコンセプトとなったパターンモードでの作曲スタイルも健在。さらに要望の強かったステップ録音機能に加え、データ入力が難しいギターのスライド奏法などを再現するXA機能・キーボードメガボイスに対応した6,720種類のアルペジエーターを組み合わせれば、キーボードの弾けない人でも指一本で作曲が可能だ。

DAW環境への対応も抜かりはない。USBオーディオ/MIDIインターフェース搭載により、USBケーブル接続されたPCのソフトシンセの再生とMOX本体のサウンドを1系統でシームレスに出力できる気軽さはほかでは得られないものだろう。付属のSteinberg社製DAWソフトウェア「Cubase AI」を使えば、本体の音やボーカルやギターなどをPCに録音できるだけでなく、ノートPCと「MOX」をステージに持ち込んで、あらかじめ「Cubase AI」に録音したコーラスパートを再生することも可能だ。また、Steinberg「CC121」などにも搭載している「AI KNOB」を搭載。「Cubase AI」などの対応ソフトウェアの操作子にマウスカーソルを重ねるだけで、自動的にパラメーターが割り当てられ値の調整を可能にするなど、従来のハードウェアでは考えられなかった快適な操作性を実現する。さらに、「Cubase AI」に標準装備の音源「HALion ONE」の他、バーチャルアナログソフトシンセSteinberg「Prologue」、新開発のオルガンエミュレーターYamaha「YC-3B」や、サードパーティ製のソフトシンセもカバー。アナログシンセやオルガンサウンドも自由に扱え、「MOX」のノブから直感的なパラメータ編集も可能だ(各ソフトシンセはWEBサイトからのダウンロード)。

鍵盤は鍵数以外にも大きな違いがある。「MOX8」には、ヤマハのアコースティックピアノ作りのノウハウを活かした88鍵盤GHS鍵盤を搭載。グランドピアノのデリケートなタッチ感、低音部と高音部の微妙な鍵盤の重さの違いを指先に感じさせ、特にピアノタイプの音色演奏時には自然な表現を実現しする。「MOX6」には、新開発のセミウェイテッド鍵盤を採用。軽く滑らかなタッチで演奏することが可能だ。「MOX6」は7.0kg、「MOX8」は14.8kgと、前モデルの「MO6」「MO8」と比較しても約30%の軽量化を実現しているのも非常にうれしいところ。とくに「MOX6」なら女性でも楽に持ち運べる軽さだ。

4月7日に行われた発表会には三浦大知をはじめ多くのR&B系アーティストのサポートなどで活躍するキーボーディストのガクシ氏が登場。普段使用しているという「MOTIF」シリーズと変わらないサウンドと評価。「MOX6」の鍵盤でもピアノがしっかり弾けるとしたほか、複数の音色を重ねるレイヤーや、鍵盤を分割して異なる音色を鳴らすスプリットなどが非常に簡単にセッティングできるパフォーマンスクリエイター機能の有用性を語ってくれた。

◆MOX6
価格:オープン
発売日:5月16日
◆MOX8
価格:オープン
発売日:5月16日

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