これまでの常識を打ち破るFMシンセの新定義、コルグから6オペレーターの新開発音源を備えた「opsix」登場

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コルグから新開発の6オペレーターの音源を備えたFMシンセサイザー「opsix(オプシックス)」が登場。11月下旬に発売される。

「opsix」は6オペレーターの“オルタード”FMシンセサイザー。驚異的なアクセシビリティを体現するオペレーター・ミキサーと、FMの音源の領域を大幅に超えたフレキシブルなサウンド・エンジンが、デジタル・シンセの持つポテンシャルを最大限まで広げる。「wavestate」(2020年1月発売)のウェーブ・シーケンスで、クラシックなデジタル・シンセサイザーに光をあて、新世代のフィールドへと引き上げたコルグ。デジタル・シンセシスの再発見となるその試みは、「opsix」のFM音源へと展開することとなった。


代表的なクラシックFMシンセサイザーと同じ6オペレーターのFM音源構造を持ちながら、決して再現ではなく大胆なリイマジンを行った、新しいデジタル・シンセサイザー「opsix」。その新たな音源システムは「オルタードFM音源」と名づけられた。多彩なウェーブフォーム、FMにとらわれないオペレーター・モード、サブトラクティブ(減算合成)・シンセシスを融合したフィルターを備え、難解であるはずのFMシンセに直感性を導入。FMでありながらシンプルなアナログのようであり、さらに複雑なモジュラー・シンセのようでもある。見通しがよくしかも広大な音を探求できるシンセサイザーとなっている。


ソフトウェアではけっして得られない、ハードウェアならではの操作感の追求の象徴といえるのが、「OPERATOR MIXER」と名づけられたパネル左側に配置された6組のノブとスライダー。キャリアかモジュレーターか。アルゴリズムによって変化するオペレーターの役割と関係性をひと目で認識できる2色のLED照明を搭載。それはキャリアならピッチ/音量を、モジュレーターなら音色の明るさ/倍音の強さを、ダイレクトに調整できる。まさにミキサー、またはドローバーのように音を足し引きすることで、予測不可能なFMのサウンド・コントロールを、指で支配できるものへと一変させる。さらにパネル右のエンコーダーと中央の大型OLEDのグラフィカルなパラメーターでフルエディットも迷わず行える。

「opsix」にはFMシンセシスの魅力のすべてが詰まっているが、それだけではない。サイン波のみでなく多種多様なリストに拡大されたウェーブフォームは、より複雑な倍音を含むサウンドの追求や、フィルターによるシンプルなサブトラクティブ・シンセとしても機能。さらにFMの以外の変調で音作りできるオペレーター・モードにより、伝統的なFM音源からはるかに逸脱したサウンドを生成することも可能。FM、Ring Modulation、Filter、Filter FM、Wave Folder の5つのオペレーター・モードの組み合わせと、多彩な波形のセレクトが、格段に広い音作りのレンジを提示する。

アルゴリズムはクラシックFMシンセの範疇に収まらない40種類ものプリセットを用意。硬派なサウンド/デザイナーのために、一から自由に組み立てられるユーザー・アルゴリズム機能も備える。オペレーターとは独立した3つのEGと3つのLFO、12系統のバーチャルパッチにより、サウンドのうねりや激しい動きを実現する広範なモジュレーションも特徴の一つ。FILTERセクションは、過激なMS-20のローパス/ハイパス・フィルター、強力でありながら柔らかさも兼ね備えたPolysixローパス・フィルターなど豊富に用意、アナログ・シンセサイザー・ライクな減算合成の音作りをフォローする。エフェクトはスタンダードなコンプレッサーやEQから特徴的なロータリー・スピーカーやグレイン・シフター、さらに美しいサウンド・スケープを生み出すシマー・リバーブなど30種類から3系統まで同時に使用可能だ。


使い勝手に優れた37鍵のキーボード・シンセでありながら、グルーヴ・マシンに匹敵するシーケンサーも搭載。パネル右下の緑に輝く16のボタンが万能な16ステップ・シーケンサーとなっている。1ステップに6音までレコーディングできるポリフォニック・ノート・シーケンサーはベロシティやゲート・タイム、再生タイミングをノートごとにエディット可能。一般的な16ステップでは作れない長尺フレーズや、タイミングを微妙にずらしたストラムやロールなどの表現も可能。さらに最大6つまでパラメーターの動きを記憶できるモーション・シーケンサーも備える。

さらに意外な発見を望む人には、予測不能なランダム機能を用意。「ダイス(サイコロ)」アイコンのボタンを押せば、ランダマイゼーション機能により新たなサンドを生成。ランダムはサウンド全体だけでなく、オペレーターやアルゴリズム、あるいはシーケンスといいうように、一部だけをランダムにすることも可能だ。


鍵盤はベロシティおよびリリース・ベロシティ対応。最大同時発音数は32ボイス(設定によっては最大24ボイス)。プログラムは500(工場出荷時250プリセット+250ユーザー・プログラム)、フェイバリットは64(16スロット×4バンク)。入出力はヘッドホン(6.3mm、ステレオ・フォーン)、オーディオ出力(L/MONO、R、6.3mm TRSフォーン)、DAMPER(6.3mm フォーン/ハーフ・ダンパー非対応)、MIDI IN/OUT、USB B端子。電源は付属のACアダプターを使用する。本体サイズは565×338×90mm(W×D×H)、重さは2.9kg。

製品情報

◆opsix
価格:87,000円(税別)
発売日:2020年11月下旬
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