“庭”を音で表現したコンセプトアルバムを清水靖晃がリリース

ポスト
独自な感性で音楽の新しい可能性を切り拓いているアーティスト清水靖晃が、現在静岡県で開催中の<浜名湖花博 パシフィック・フローラ2004>庭文化創造館において、サウンド・インスタレーション「音庭」をプロデュースし、そのコンセプトをアルバム『セブンス・ガーデン』としてまとめ上げた。

このインスタレーションは、庭文化創造館の中に作られた新たな庭の可能性に挑戦する6つの庭(花見の庭・料理の庭・風水の庭・雪見の庭・ロボットの庭・月見の庭)に続く7つ目の庭。“エリザベス”と名づけられた多チャンネル・サラウンドスケープ・スピーカーを始めとする30個以上のスピーカーをところどころに配置し、静寂な庭という空間に10秒~60秒の音のピースが流れるというもの。この音の断片を再構築したのが、5/26にリリースされたアルバム『セブンス・ガーデン』。「庭といっても実際の庭というより精神の庭」(清水氏)ということで、庭という概念からインスパイアされた音の断片がコラージュされている。

アルバムは10曲からなり、清水靖晃はプロデュース、作詞、作曲、サックス、木琴、バーチャイムなどを手がける。ひばり合唱団による雑草の名前のコーラスをつなぎ合わせた「雑草」、メロトロンのさざめきが懐かしいメロディを奏でる「モモノハナ」、マライア時代の名曲を語りで聴かせる「花が咲いたら」、花の名前をイタリア語でソプラノ歌手が歌う「Industria Botanica」。目を瞑って耳をそばだてると、音と音の間に漂う空気までもが感じられる。「静寂は音の基本であり、無音をコンセプトにしている」(清水氏)というように、形而下の庭そのものではなく、空気感をも内包した精神の庭を表現した特異な作品になっている。

この作品から6曲を試聴してもらおう。さまざまな断片で提示された庭空間のメタファー。きっと心の中に、どこにでもあって、そしてどこにもない“庭”が出現するはずだ。曲タイトルをクリックしてください。また、'96~'99年に世界で始めてテナーサックスで録音されたバッハ「無伴奏チェロ組曲1-6」からのコンサート映像も必見。荘厳なパイプオルガンとテナーサックスの組み合わせはこれまでになかったバッハの世界を垣間見せてくれる。

清水靖晃とは…
'78年にアルバムデビュー後、日本のジャズ・ロックを革命的な音作りで牽引し、『マージナル・ラブ』『うたかたの日々』などのアルバムを発表したバンド、マライアの実質的なリーダーであり、バンド解散後は、プロジェクト“サキソフォネッツ”をスタートさせ、『北京の秋』『スターダスト』『ラテン』などのアルバムを発表して、その先進的な感性が絶賛された。その後も、海外で様々なアーティストとコラボレーションを行いアルバムを発表したり、'96年に、バッハの「無伴奏チェロ組曲」を世界で初めてテナーサキソフォンで録音し、97年に発表された『バッハ・ボックス』でレコード大賞企画賞を受賞するなど、実験的なサウンドにより様々な方面で評価の高いサックス奏者およびサウンド・プロデューサー。

コンサート映像はコチラ
無伴奏チェロ組曲

試聴はコチラ
雑草

モモノハナ

花が咲いたら

Industria Botanica

Elizabeth

Destiny No.1

清水靖晃 公式HPはコチラ
http://www.yasuaki-shimizu.com/

しずおか国際園芸博覧会 浜名湖花博 公式HPはコチラ
http://www.flora2004.or.jp/
この記事をポスト

この記事の関連情報