豪圧な熱気をしっかりコントロール! machine全国ツアー最終日ライヴレポ

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よく熱く激しいステージングに対し“暴走しまくった”や“ネジの切れた”という表現が使われる。感情のボルテージをレッドゾーンまでブチ込んだステージングや、一心不乱にノリまくる観客たちの姿を伝えるうえでは、確かに似合う言葉といえようか。もちろん、新作アルバム『superb』を引っさげた全国ツアー最終日となった6月26日・SHIBUYA-AXのライヴも、先へ上げた言葉が似合う、終始熱狂の渦に包まれたものだった。

だからと言って彼らのライヴに対し、安易に“暴走マシーン”という表現だけは避けたいと思っている。何故って? 彼らはもともと重厚な排気量を持った、バイクで例えるならハーレーダビッドソン級のモンスターな存在であり、安定感を持った重量級なエンジンを終始轟かせつつ、豪圧な熱気をしっかりコントロールし続けている連中なんだもの。そう、あれだけの圧勢ビートを巧みに操ってゆくからこそ、2時間以上も観客たちを一心不乱に熱狂させられるというわけだ。

ツアー・タイトルに<LOUD ON SUPERB!>と名付けたようにこの日は、新作アルバムを中心に、"This is the machine style" とも言うべきデジタルビートを主軸に据えた重厚なヘヴィ・ロック・ナンバーが、ほとんどMCを挟むことなく次々と放熱しまくっていた。冒頭を飾った「Baby Blood」から「Lard & Bleed」までの1stブロックでは、COLA(Com.)の編み上げたトライバルなデジビートと、Kiyoshi(G)お得意の歪み猛りまくったギター・サウンド、ウネリを上げ凄まじいグルーヴを導き出すJOE(Dr)とChirolyn(B)によるリズム隊、そしてHAKUEI(Vo)のヒステリカルなシャウト声とがスクエアしながら作りあげゆく、熱狂ヘヴィグルーヴ・チューンが次々とブーストアップしていた。

2ndブロックでは、「RED SUNDANCE」や「Blind Circle」とスケール感にあふれた雄大な楽曲を敷きつめながら、観客たちへ体感的のみならず、内面的な高揚性も提示。

終盤となった3rdブロックでは、「CROWNING」「Loud」「Sorrow」など、アクセル全開フルスロットルなモンスター・ビートを豪快に操りながら、観客たちをヘッドバンキングや拳振り上げ熱狂してゆく恍惚な状態へと導いていった。

もちろん、我を忘れ熱狂を生み出した狂熱的な本編だから、メンバーはもちろん、観客たちの興奮も納まらない。この日はなんと3回もアンコールへ登場。観客たちへ激烈な音の洪水を浴びせながら、身も心もヘトヘトになるまで恍惚の海の中へと溺れさせていったmachineだった。

しかしながら、ここまで鋼のよう激圧で豪快なモンスター級ヘヴィネス・デジビート・バンドへ進化していたとは…。あの音のウネリに飲み込まれたら、熱狂しないわけがないというのが、素直な感想。これがまだ再始動したばかりのmachine の序章ということは、これでギアを2速や3速に上げていったら、一体どうなってしまうんだろう。なんか末恐ろしい嬉しさだ。

文●長澤智典
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