<SUMMER SONIC 06>トゥール、ソニック・ステージを泥酔させた怪演

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8月13日、マリン・スタジアムがリンキン・パークの熱演で一体感に包まれている頃、ソニック・ステージ界隈ではトゥールの怪演に泥酔するロック中毒患者たちが波打っていた。

ステージの背景には4面のスクリーン。観る者を錯乱させながら音楽そのものの体感刺激度を高めていくかのような鋭利でイビツな映像を駆使しつつ、ステージ両端にそびえたつアダム・ジョーンズ(G)とジャスティン・チャンセラー(B)のツイン・タワーは緻密に混沌を描き、ダニー・ケアリー(Dr)のビートがオーディエンスの鼓動に揺さぶりをかける。そして怪人メイナード・ジェイムズ・キーナン(Vo)は、やはりステージ後方のフロントマンらしからぬ定位置で、明らかに常人とは異なったオーラを漂わせながら完璧かつ形容し難いヴォーカル・パフォーマンスを繰り広げている。

異様だ。ステージ上ももちろんだが、こんな特異なたたずまいをしたバンドが、これほどまでの熱狂をもってここ日本でも支持を集めるようになったという事態そのものが普通じゃない。もちろん僕自身、そうした状況の到来を心から歓迎し喜んでいるわけだが、正直、この日の観衆のトゥールTシャツ着用率の高さには驚かされたし、勿体つけることもなく次々と演奏される楽曲たちへの反応の速さには、このバンドの作品が本当によく聴き込まれている現実を確認させられもした。ようやくトゥールが、彼ら自身に似つかわしい地位と状況をこの国で手に入れた事実が、ここで証明されていたと言えるかもしれない。

次は、言うまでもなく、単独公演でじっくりと彼らの音楽に対峙してみたい。その場にいた誰もがそう感じていたであろうことは、終演後、アンコールを求める声の大きさからも明らかだった。ステージを去る間際、メイナードは“See you in February!”と口にした。その約束が果たされることを祈りつつ、僕は2日間を締めくくる最後のビールを呑み干した。

文●増田勇一


SUMMERSONIC 06 TOKYO
2006.8.13
SONIC STAGE

※セットリストは非公開

◆SUMMER SONIC 06特集はこちらから
https://www.barks.jp/feature/?id=1000025892
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