Chee、『Voice of Chee』インタビュー

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──待望の1stミニ・アルバム『Voice of Chee』を完成させました。通常バージョンとダンスホール・バージョンの2スタイルで収録した『FRIENDS-桜前線07- 』を聴いたときは、とてもラヴァーズな温もりに心包まれ癒されゆくような心地好さを覚えました。

Chee:元々この『FRIENDS』は、9.11のテロをきっかけに誕生した、FLY-T/HI-DEMUSという2人のDJと一緒に制作した戦争反対の歌だったんです。それをベースにしたうえで、一人バージョンの歌として、友達に向けリリック(歌詞)を変えて制作したのが、この『FRIENDS』なんです。

──歌詞に出てくる“誰かが今日も闘ってる”という言葉は、戦争反対の意識から出てきた想いなんですか?

Chee:それよりも、“自分との闘い”という意識のほうが強いです。普通に仕事をしていく中でも、ちょっとした闘いって生活の中あると思うんですよ。もちろん中には、そのときの時事的なことから生まれた想いも入ってます。たとえばニューオリンズやインドネシアで起こった災害によって幸せを奪われた人たちに対してとか…。とくにその2つの国は、私自身も足を運んだことのある地だけに、より身近さを感じていたこともあった。そんな想いも踏まえつつ、“桜”という幸せの象徴をモチーフに、“桜が咲いたら、今年もなんとか頑張っていけるんじゃないか”“幸せの象徴である桜吹雪が風に乗って遠くまで届いたらいいな”という想いを歌詞へと込めながら、その気持ちを伝えたかった友達へ向けた歌として作りあげました。

──なんかジーンとしちゃいますね。

Chee:私、音楽は言語や宗教を超える力を持っているって信じてるんです。私も放浪していて目の当たりにした経験がありますけど。何もかもなくなったときって、誰しもが生きていくことに必死だから、音楽なんて必要ないんです。だけど、その気持ちに少しの余裕ができたときに触れた音楽ほど、心の力になっていくものはない。そんなどん底の中でも、音楽を通し触れ合いながら笑顔をくれた子供たちって、すっごく素敵だったんですね。それを感じるたびに、音楽の素晴らしさを私は実感してしまいます。

──アルバムには、オリジナル/カヴァーと多彩な表情を詰め込んでいますね。

Chee:もともとレゲエ自体が、カヴァーさえ飲み込んで自身の色に変えてしまう力を持っている。そこへ敬意を表し、カヴァーに関しては大好きな楽曲を選びました。しかもフィンガー5の「恋のダイヤル6700」を「WIPE OUT」のトラックをベースに表現したり。「見上げてごらん夜の星を」のリディムを、星を通した想いの数々へと変えて歌ったり。スライ・ストーンの名曲「RUNNIN'AWAY 」を大好きなレゲエ・バンドのFRISCOと共演したり。オリジナル歌でも、「HAPPY BIRTHDAY TO YOU」は、S CawaiiとのコラボCD『S Lovers!』にも収録して7インチEPとして発売し、即完してしまった楽曲なんです。これは、友達の子供にプレゼントしたくて書いた歌。歌詞には、男の子が大好きなお姉ちゃんの誕生日をお祝いしたいという気持ちを描いています。「SUNSET WANTED」は、夕暮れの海の美しさに魅了された想いをベースに、一番近くにいる大好きな人との、良いときも悪いときもすべて受け入れ、波のような日々を過ごしたいという気持ちを歌にしています。

──とても素敵なアルバムです。Cheeさんにとって、この『Voice of Chee』は、どんな1枚になったと思いますか?

Chee:“私には、この声しかない”“私は、歌うことで生きていける”。そんな真っ直ぐな想いを大好きなレゲエに乗せて宣言した1枚になりました。ぜひ、いろんな方々と私の作品や歌声を通し、触れ合っていきたいですね。

取材・文●長澤智典

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