PACHANGA、「Neo Rhythm」特集内 INTERVIEW

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PACHANGAは個性派集団。ストリートでもやってます!

――個性的なメンバーがそろったPACHANGAだけど、そもそもこのメンバーはどうやって集まったの?

美崎:もう10年以上前ですけど、私は地元の吹田のバーで歌ってたんです。そこに木村君が別のバンドで来るようになって、毎週対バンでやってた。そのバーはつぶれちゃたんですけど、その後再会したときに家が近所だったことがわかって、そこから曲を一緒に作ってみようということで二人で始めたんです。その後、木村君の知り合いの知り合いの高橋つね君、つねの同級生のc-c-maruに入ってもらいました。

――二人で始めたときからこういう音楽だったの?

美崎:いやそれがぜんぜん違うんです。私はカーペンターズとかキャロル・キングとか、しっとりした歌をピアノで歌うっていう感じだったんですけど、木村君は当時からブルースとかパンクとか、今の感じに近いことをやってましたね。でも木村君の作る曲がすごくよかったんで一緒にやることにしたんです。最初は木村君も私に合わせてくれてたんですけど、だんだん面白くなくなってきたみたいで(笑)、結成2年目くらいから今の方向に変わってきました。

――ロックをやることに抵抗はなかったの?

美崎:最初はありましたよ。ロックは聴くのは好きだったけど、自分では消化できないままやっててカッコ悪いなあと思ってた。でも徐々に中から変わってきたというか、じわじわとわかるようになって。今はみんなの会話もよくわかる(笑)。

――作詞専門のメンバーがいるというのも珍しい。

美崎:ゴーゴー村山は以前から木村君と一緒にやってたんです。最初は私も歌詞を書いてたんですけど、村山君に一度書いてもらって歌ってみたらすごくハマった。ずっと一緒にやってたから木村君の曲に合うんですね。それ以来書いてもらってます。私も書いてるんですけど、あまり採用にならない(笑)。

――ゴーゴー村山さんの歌詞の魅力ってどんなところ?

美崎:言葉の使い方がうまいんですよ。サビらしいサビがあるというか、みんなが覚えやすい歌詞になってるし、ライヴで振りをつけたりしやすい歌詞だったりするんで、ライヴでも乗りやすい。村山君の歌詞でやるようになってから、みんなで楽しめる曲が増えてきました。

――ところでPACHANGAというバンド名は、ラテン音楽のパチャンガから来ているの?

美崎:それもありますね。木村君がメキシコに住んでいたことがあって、スペイン語をしゃべれるんです。せっかくスペイン語を話せんねんからスペイン語のバンド名にしようと。PACHANGAって響きがいいし、宴会とかパーティという意味なんで、そういう感じのライヴをしたいなあと思って決めました。

――メキシコ帰りのギタリストってやっぱり違うなあ、なんて思ったりする?

美崎:ギターの弾き方にそんな匂いがする(笑)。フレーズとか、思いもしないようなものが出てきたりするのもそうかな。そういうのが面白いと思うし、私も木村君の影響をかなり受けましたね。私はもともとパンクとか知らなかったんですが、なんていうか、ダーっという気持ちをバーっと外に出すカッコよさみたいなの(笑)は、木村君とやるようになってから知りました。

――ストリートライヴもやってるんだって?

美崎:最初はライヴハウスばかりだったんですけど、3年くらい前からストリートもやってます。梅田の歩道橋とか難波の高島屋の前で。ギターはアコギ、ドラムはカホンにして、アコースティックスタイルでやってます。ストリートライヴはめっちゃ楽しいですよ。音楽が好きな人も嫌いな人も、不特定多数の人に聴いてもらえるし、ものすごい出会いの場だと思ってます。逆に、聴きたくもないのに聴かされている人もいるんで、目の前まで来て“このヘタクソッ”って怒鳴られたり、小銭投げつけられたりしたこともありますね。でもストリートは今後も続けるつもりです。

――これまでPACHANGAがバンドとして意識してきたのはどんなこと?

美崎:さらけ出すこと、ですね。裸になっても恥ずかしくないくらいに、色々な面でさらけ出す、それをストレートに見てくれっていう感じでやってきました。それでこそ心が動くと思うんで。気をつけてるのは、下品にならないようにってこと。今はパンクもすごく好きなんですけど、アレを同じように女がやると下品に見えてしまうんです。男のカッコよさを目指すんじゃなくて、女ならでは、それでいて下品ではないカッコよさを目指したいと思っています。

――今後の目標は?

美崎:バンドとしては、メンバーそれぞれの得意分野をもっともっと生かせるようにして、もっとカッコいい、聴く人の心を動かすようなバンドになっていきたいです。個人的には、歌にもっと爆発力を持ちたい。あと、言葉を伝えるメッセンジャーになっていきたいと思います。

取材・文●田澤 仁

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