羊たちの回想:メリーのツアー総括(5)
ネロの「もう1曲やりたい」発言が波紋をよんだ、さいたまでのライヴを皮切りに、関東近郊でのライヴが続くことになった。当然ながら水戸や横浜でのライヴ終了後は、メンバーたちはホテルに泊まるわけではなく、自宅に帰ることになる。ただ、「自宅がいちばんくつろげる」というのは一般論としては正しいのかもしれないけども、すべての人間にそれが当てはまるわけではない。さて、そこで問題です。メリーのメンバーのうち「自宅のベッドの寝心地が悪い」のは誰でしょう?
12月8日(土)水戸・LIGHT HOUSE
12月9日(日)横浜・BAY HALL
――いよいよここで関東シリーズに突入。やっぱりライヴ終了後に自宅に帰れると、気分的にラクだったりするわけですか?
テツ:……いや。実はそっちのほうが、ライヴが終わってからクルマで長距離移動しなきゃならなかったりするじゃないですか。それがむしろ、しんどいですね。自分的には地方でやってその土地に泊まるほうがラクかな。
健一:俺の場合もネロ(=前回、「自宅のベッドは世界一」と発言)とは逆で、自分ちのベッドよりもホテルのベッドのほうが寝やすいというか、寝心地がいいんで。とりあえずホテルのベッドのほうがデカいし。
ネロ:俺、ホテルのベッドって何もかも真っ白でピシーッとしてるから緊張するんだよ。
健一:確かに“初めて行く友達の家”みたいな緊張感はあるよね(笑)。ちょっと落ち着かない感じがするところはある。それは俺もわかる。だけどやっぱり、ホテルのベッドのほうが寝心地はずっといいな(笑)。
――ベッドのことはともかくライヴの話(笑)。水戸・ライトハウスは確か、お客さんとの間に距離がほとんどない会場なんですよね?
ガラ:ええ。かなりファンは近いですね。最前列なんか、もろに“目の前”な感じ。
結生:ただ、天井は高いんですよ。2階席みたいなのもあるし。とにかくこの日は熱いライヴになりましたね。
ガラ:水戸と横浜でのライヴは、“ステージが狭いから動けない”とか、“デカイところなら動ける”とか、そういうことじゃないんだなってことについて改めて考えさせられる切っ掛けになりましたね。“この5人でやってるんだ”ということ自体は、そこが何処だろうと、どんな会場だろうと変わらない。そういうことを熱のぶつかり合いのなかで感じてたというか。実際、ここに至るまでの各地でのライヴはどれも良かったと思うんですよ。それで本拠地の関東に帰ってきて、客席のなかには実は何度も今回のツアーに足を運んでくれてるようなお客さんもいて……。そこでメリーを見せつけようと思ったとき、動けるとか動けないとか、調子がいいとか悪いとか、そんなことはもう言ってらんないなって思ったんです。
ネロ:俺個人のことで言うと、ちょっと喋るのが怖くなってた頃でしたね。さいたまでの一件があって、意識ばかり先走った状態で何でも口にしてしまうのは良くないなと思って。でも、かといって冷めた状態でコントロールに徹してても良くないわけですよ。この2本あたりでは、そういうことを意識しすぎてしまってたというか。でも、言うべきことをアタマのなかでまとめて、一呼吸置いてから発言すべきだなとは思いましたね。
ガラ:個人の意見のつもりで言ったことでも、それがバンドの意見としてとられてしまうことってあるじゃないですか。それは良くないなと思うんで。結果的に余計な誤解を生むことにも繋がり兼ねないし。
――そういえば横浜公演終了後は、どこかで打ち上げでもするのかと思っていたら、全員で事務所に戻ってミーティングしてましたよね?
ガラ:ええ。ああいう出っぱなしのツアーだと東京にいる時間が短いし、どう考えてもあの時期しか東京にいられなかったんで、そこで一気にまとめて“今後のこと”について話し合ってましたね。
増田勇一
12月8日(土)水戸・LIGHT HOUSE
12月9日(日)横浜・BAY HALL
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テツ:……いや。実はそっちのほうが、ライヴが終わってからクルマで長距離移動しなきゃならなかったりするじゃないですか。それがむしろ、しんどいですね。自分的には地方でやってその土地に泊まるほうがラクかな。
健一:俺の場合もネロ(=前回、「自宅のベッドは世界一」と発言)とは逆で、自分ちのベッドよりもホテルのベッドのほうが寝やすいというか、寝心地がいいんで。とりあえずホテルのベッドのほうがデカいし。
ネロ:俺、ホテルのベッドって何もかも真っ白でピシーッとしてるから緊張するんだよ。
健一:確かに“初めて行く友達の家”みたいな緊張感はあるよね(笑)。ちょっと落ち着かない感じがするところはある。それは俺もわかる。だけどやっぱり、ホテルのベッドのほうが寝心地はずっといいな(笑)。
――ベッドのことはともかくライヴの話(笑)。水戸・ライトハウスは確か、お客さんとの間に距離がほとんどない会場なんですよね?
ガラ:ええ。かなりファンは近いですね。最前列なんか、もろに“目の前”な感じ。
結生:ただ、天井は高いんですよ。2階席みたいなのもあるし。とにかくこの日は熱いライヴになりましたね。
ガラ:水戸と横浜でのライヴは、“ステージが狭いから動けない”とか、“デカイところなら動ける”とか、そういうことじゃないんだなってことについて改めて考えさせられる切っ掛けになりましたね。“この5人でやってるんだ”ということ自体は、そこが何処だろうと、どんな会場だろうと変わらない。そういうことを熱のぶつかり合いのなかで感じてたというか。実際、ここに至るまでの各地でのライヴはどれも良かったと思うんですよ。それで本拠地の関東に帰ってきて、客席のなかには実は何度も今回のツアーに足を運んでくれてるようなお客さんもいて……。そこでメリーを見せつけようと思ったとき、動けるとか動けないとか、調子がいいとか悪いとか、そんなことはもう言ってらんないなって思ったんです。
ネロ:俺個人のことで言うと、ちょっと喋るのが怖くなってた頃でしたね。さいたまでの一件があって、意識ばかり先走った状態で何でも口にしてしまうのは良くないなと思って。でも、かといって冷めた状態でコントロールに徹してても良くないわけですよ。この2本あたりでは、そういうことを意識しすぎてしまってたというか。でも、言うべきことをアタマのなかでまとめて、一呼吸置いてから発言すべきだなとは思いましたね。
ガラ:個人の意見のつもりで言ったことでも、それがバンドの意見としてとられてしまうことってあるじゃないですか。それは良くないなと思うんで。結果的に余計な誤解を生むことにも繋がり兼ねないし。
――そういえば横浜公演終了後は、どこかで打ち上げでもするのかと思っていたら、全員で事務所に戻ってミーティングしてましたよね?
ガラ:ええ。ああいう出っぱなしのツアーだと東京にいる時間が短いし、どう考えてもあの時期しか東京にいられなかったんで、そこで一気にまとめて“今後のこと”について話し合ってましたね。
増田勇一
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