川田まみ、2ndアルバム『SAVIA』特集内インタビュー

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──いろんな曲調があるぶん、歌で表現するのも難しかったんじゃないですか?

まみ:ええ、確かに私としては「sense」や「JOINT」みたいにスコーンと抜けるような伸びやかな歌が気持ちよく歌えたりするので、「Get my way!」のようなテンポの早い曲は苦労しました(苦笑)。それに、こういう歌は自分らしくないんじゃないか? というのもあって…。実は、前作『SEED』が川田まみを象徴する作品になって嬉しかったんですけど、と同時に、そこででき上がった川田まみというアーティスト像に自分自身が囚われるようになってしまってたんですね。<川田まみは切なくてクールで、歌は伸びやかでファルセットやビブラートに特徴があるアーティストなんだ>ってことに。もちろん、そういう川田まみを期待する人達の声に応えたい、っていうのはあったんですけど、自分自身、もっといろんなことにチャレンジしたいし…このままじゃ自分自身がダメになってしまうんじゃないか? と思って悩んでいて。そんな時、2007年に出した3枚のシングル「赤い涙/Beehive」「Get my way!」「JOINT」が川田まみのイメージも、自分の悩みも打ち砕いてくれたんです。特に「Get my way!」はファンの方が驚くくらい、私のイメージにはない感じだったと思うんですよ。私自身もどう向き合ったらいいか? 悩んだ曲でもあったし迷いもあったし。けど、歌ってみて気づいたんです、結局何を歌っても私らしさは出てしまうモノなんだなって。

──おぉ、それこそ『SEED』(種)の殻を打ち破った瞬間!じゃないですか。

まみ:ですね(笑)。今思えば、この3枚に出会えたことで歌と向き合って本心でぶつかって伝えることの大切さがわかったし、そこでの心境の変化が本作にも繋がってるんじゃないかと…。本作の最後に「portamento」という曲を収録してるんですが、『SAVIA』は『SEED』からの2年間の心境の“portamento”(音楽用語で“音から音へ少しずつ移りゆく様”の意)だなって思うんですよ。

──なるほど。そういった意味でも、成長した川田まみに出会える作品なんですね。

まみ:はい! 『SAVIA』には今、私が表現できることすべてを詰め込むことができたと確信しています。

──了解。で、初回限定盤には「portamento」のPVと、今年1月に行われた台湾ライヴのドキュメンタリー映像が収録されたDVDが付いてますね。PV拝見しましたが、かなり寒そうなシチュエーションだったのでは…?

まみ:“寒そう”ではなくて“寒さで痛かった”くらい(笑)。いつもは信頼してる監督さんにPVのことはお任せしちゃうんですけど、「portamento」に関しては曲をいただいた時に見えた幻想的で広がりのある綺麗な風景のイメージが強くて。今回だけは監督さんに“こういうイメージのPVが撮りたい”と伝えていたんです。それで北海道の層雲峡で撮影することになって、私のイメージにピッタリだ! と思ったんですけど、撮影当日は今年一番の寒気がきていて最高気温がマイナス15度(笑)。下から吹き上げるような風が吹いて防寒用のテントも設置できないし、スタッフ全員、寒さで顔が腫れ上がってしまうし、髪の毛は凍ってパカパカいってるし(笑)、生まれも育ちも北海道の私でさえ体がガタガタ震えるのを通り越して、心臓がブルブル震えて…。“監督さん! 私、今スゴく生きてる感じがします!”みたいな(笑)。けど、スタッフの方が大変だったと思う…。みんなの頑張りに心を打たれたし感謝の気持ちでいっぱいですね。あまりにも強烈な撮影で、このことが本作制作中の一番のエピソードになるくらい(笑)。

──(笑)。1月の台湾ライヴは?

まみ:こっちは逆に熱気がスゴかったです。歓迎されまくりで、“自分はスターか?”と勘違いするくらいに。一所懸命、覚えた中国語でMCしても“日本語で話してもいいよ!”って温かい言葉が返ってくるし…思い出すとライヴしたくなりますね。

──アルバム『SAVIA』を引っさげてのライヴ、ぜひ見てみたいです。

まみ:私も早くライヴをやりたいです! 特に『SAVIA』はライヴを意識した曲の流れになってるので、聴いているとステージで歌いたくなっちゃうんですよ。

●取材・文 増渕公子

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