フォックスボロ・ホットタブス、遂にその正体を表わす

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覆面バンドとはいえ、さすがグリーン・デイだ。

当日BOXオフィスでしか販売されないチケットを求め、8時間並びようやく会場入り。キャパがわずか300人のRoxyはまさにすし詰め状態で早くもすごい熱気だ。この日のオープニングはGirls With Gunsと、Mystic Knights Of The Cobraの2バンドが出演、ほどよく会場があったまった午後11時、ついにフォックスボロ・ホットタブスがステージに登場だ。

オープニングはアルバムの1曲目を飾る「Stop Drop And Roll」、そして1stシングルの「マザー・メアリー」へと続く。伸びた髪に金のメッシュを入れたビリー・ジョーはいきなりエンジン全開で、狭いステージをせわしなく動き回る。ステージ上にはビリー、トレ、マイクの3人に加え、ツアー・メンバーでお馴染みの2人+1人が脇を固めた合計6人が小さなステージにひしめき合う状態だ。

この日のビリーはヴォーカルに徹し、オーディエンスを煽りまくる。ステージから客席にダイヴするわ、客はステージで踊りまくるわ、カオス状態でありながら楽しさがあふれる最高の雰囲気だ。アルバム『ストップ・ドロップ・アンド・ロール』の全曲はもちろん、アルバムに収録していない曲も演奏。それに加え、中盤でグリーン・デイの「ブラッド・セックス・アンド・ブーズ」、彼らのもうひとつの覆面バンドであるザ・ネットワークの「スーパーモデル・ロボッツ」、アンコールではザ・フーの「Quick One」を含めて全16曲を演奏したのだった。

ライヴはもちろん全力投球に間違いないが、スタジアムを一体化させる事が出来るグリーン・デイの3人にしてみれば、300人の規模は余裕だったに違いない。ビールをがぶ飲みし、何度もステージ・ダイヴしながらも完全にオーディエンスをコントロールするビリーとそれに身を任せてコントロールされて心底ライヴを楽しむオーディエンスの息がぴったり合ったライヴだった。

2008年の頭から『アメリカン・イディオット』に続く新作のレコーディングを再スタートしたといわれているグリーン・デイの3人、オーディエンスとの距離を狭めて初心に戻りモチベーションを上げるにはこれ以上ない今回のミニ・ライヴ・ツアーだったのではないだろうか。

北藤俊介

フォックスボロ・ホットタブス@LA Roxy 2008/5/27
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