ASKA、5年ぶりのシングル「UNI-VERSE」を読み解く(前編)

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ファンが心待ちにした、ASKAのシングルがリリースされた。

前作「心に花の咲く方へ」から数えて5年ぶりとなる今回のソロシングルは、タイトルが「UNI-VERSE」。UNI=one、VERSE=musicという、ある種の “ASKA哲学” が織り込まれた楽曲となっている。

「UNI-VERSE」の楽曲試聴

「UNI-VERSE」で歌われているテーマはいくつもある。まずは、“輪廻転生”というべきか。ヘラクレイトスの言葉として伝えられている “万物は流転する” というもの。万物は流転しつつも、それでも再び同じ場所へと戻ってくる。そんな想い、思想、哲学は、この曲に限らず、近年のASKAのテーマなのだろう。少し前から、彼の作品に色濃く出ている。

前作シングル「心に花の咲く方へ」では<今も遠くも 人は誰も / まっすぐ伸びた 円を歩く>と歌われ、さらに、2005年リリースのアルバム『SCENEIII』収録曲「birth」では、<僕はここに来ることを知ってた / 透明な糸をたぐり / すべては過去 すべては未来の跡 /戻ってゆく 戻ってゆく>と歌われている。これら楽曲の延長線上にあるのが今回の「UNI-VERSE」。この「UNI-VERSE」自体も、いにしえの人が見上げた星を、今、我々が見上げるように、過去の楽曲から大きな哲学を受け継いでいるのだ。

もうひとつの大きなテーマは、誰かとのつながり。「UNI-VERSE」では、ひとりひとりの輪廻転生、過去から未来へ、未来から過去への連続性を表すとともに、心と心の共鳴、共振、連鎖をも歌われている。そして、この人と人のつながりは音楽によって成し遂げられる、音楽によってひとつになれる(UNI=one、VERSE=music)、という。

<あの人は「朝のリレー」だ / 僕らは「願いのリレー」だ>。

敬愛する谷川俊太郎の作品と対比させるように、人と人との結びつきを訴えるASKA。“問題を解決するのに必要なのは、人の「気」のような気がしている” と、かねてから発言していた彼らしいフレーズともいえるかもしれない。

ASKA、5年ぶりのシングル「UNI-VERSE」を読み解く(後編)
「UNI-VERSE」のCD情報(c/wについてはこちらで)
CHAGE and ASKA オフィシャルサイト
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