IKU、境界線を越えて行き来できるモノや心を歌う「Rimless~フチナシノセカイ~」リリース大特集

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IKU TVアニメ『とある魔術の禁書目録』エンディングテーマ「Rimless~フチナシノセカイ~」リリース大特集

羽毛のような柔らかさと温かさを持った奇跡の声

INTERVIEW02

――つまりは世界が違っても、重なることはできると。一方、カップリングの「名残の月」は作詞・曲ともにIKUさん作ですけれど、こちらはどんなふうに出来上がっていったんですか?

IKU:これは出だしの“ひと雨ごとに寒くなっていくね~”っていうフレーズから生まれた曲なんですよ。去年の秋、雨が降って寒かったときに“ひと雨ごとに寒くなっていくなぁ”とフッと思って、“このフレーズ使えるんじゃない?”って(笑)。「Rimless」が叙情的な曲とすると、こっちは叙景詞っぽいですよね。でもラヴ・ソングだから、乙女な気持ちも込められてるんですよ。先にグングン進めるわけじゃないけれど、始まりにも戻れないっていう気持ちが、ちょっと託されてる部分があるかもしれない。

――そこで私が引っ掛かったのが、“はじまりの季節に戻れたら わたしは何をしないでいただろう?”っていうフレーズなんですよ。普通だったら、“何をしただろう”って続くだろうになぁって。

IKU:あ、そこに引っ掛かってくれたのは、すごく嬉しいです! 今まで生きてきた時間の中で“やってきたこと”が積み重なって、それが悲しかったり、楽しかったり、切なかったり……っていう思い出になるわけじゃないですか。じゃあ、その出来事が逆に無かったら、今の私はどうなっていただろう?っていう想いから出てきたのが、そのフレーズなんです。

――積み重ねの結果の今だから、ゼロだった頃には戻れない。だからって悩んだり悔いたりするんじゃなく、“今日も 想い続けているよ”と繋がるのは素敵ですね。真摯だし、ピュアだなぁって。

IKU:そのへん、ちょっと切ない秋の風景みたいな感じですよね。だから、秋にリリースできるのはラッキー!って思ってます(笑)。歌に関して言うと、「Rimless」で力強さをアクセントにしたぶん、「名残の月」では私なりの柔らかさであったりとか、センチメンタルな部分、自然と出てくる飾らない部分っていうところは意識したかな。

――見えてくるのは秋冬の情景なんだけれど、優しい声が温めてくれるような感じなんですよね。ピアノで弾き語ったら似合いそう。

IKU:これ、もう自分の中では弾き語りバージョンも出来てるんですよ。だから機会があれば、ぜひ弾き語りで披露したいですね。実は「Rimless」の弾き語りバージョンも準備できてますから! 今回もPVの撮影では、ピアノ弾いてるんですよ。

――PVはどこで撮影したんですか?

IKU:なんとサイパンなんです! 夕暮れに風が吹いてる中、崖っぷちにピアノをドーン!と置いて、ヘリで空撮までしたんですよ。周りのみんなにも“IKUちゃん、アーティストっぽいよ~!”って言われて、ずっとその気になって弾いてました(笑)。ホント、いい経験をさせていただきましたね。

――ちゃんとアーティストじゃないですか!

IKU:しかも私、これが初海外だったんですよ。だから張り切って水着も持っていったのに、海に入る時間は全然無くて。代わりに、最終日に事務所の社長がマッサージとスパをご馳走してくださったので、お花の浮かんだスパには水着で入りました。日焼け止め塗らなかったんで、ホンノリ日焼けしちゃいましたけど(笑)。

――大掛かりな撮影で、どんなPVが完成するのか楽しみです。では、最後にメッセージを。

IKU:1stのとき以上に、今回は雰囲気や色の違う2曲が収録されていると思うんですね。そこで多面的なアプローチを楽しんでほしいのと。あとは、どちらの曲もちょっと“キュン”な部分を意識したので、そこを感じ取ってもらえたらと。

――「Rimless」は守るべきものがある人の強いキュンで、「名残の月」は切ない恋のキュンな気がしますね。

IKU:そうですね。そういうところで、またみんなと気持ちの上で重なる部分があると嬉しいなぁと思います。

取材・文●清水素子

 
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