2000年夏、デビュー・アルバム『パラシューツ』が自国イギリスで1位を獲得して間もなく、まったくの新人バンドとして<サマーソニック>に出演したコールドプレイ。その後の彼らは、まさに“破竹の勢いで勝ち進む”という表現がピッタリの躍進劇を私たちに見せつけてきた。全世界でトータル4千万枚以上ものアルバムを売り上げ、イギリスのロック・バンドが不得意とするアメリカ市場もその手中に収め、ツアーを発表すれば世界中至る所で即ソールドアウト。そうして彼らはこの9年間、その才能を世界に発揮し続け、その実力に磨きをかけてきた。

現在、フル・アルバム4作目となる『美しき生命』の成功の絶頂にいるコールドプレイは、地元ロンドンのO2アリーナで3日間に亘るソールドアウト・ショウを開催。その2日目となる2008年12月15日、ヨハン・シュトラウスの「美しき青きドナウ」で開幕したこの日のコンサートは、その後も壮観で華々しいスペクタクルを展開した。

幻想的な宇宙空間を作り出すレーザー光線、天井からつり下げられた大きな球体、そこに映し出される様々なイメージ映像、ペイントされたバックドロップ、華やかにフラッシュする照明、会場中を飛び跳ねる幾つもの風船、ハラハラと舞い降りる色とりどりの紙吹雪、メイン・ステージ両脇から飛び出た通路ステージ、そして、観客席内に設置されたミニ・ステージ。20000人を収容するこの広い大会場を最大限に活かした演出だ。



こうしたステージングも、楽曲のよさはもちろんのこと、バンドのソリッドな演奏力があってこそありがたく思えるもの。ステージ上の彼らは息の合った安定感のある演奏を繰り広げ、これまでに蓄積してきた自信が自然とオーラとして発散されている。

最新アルバムからの「美しき生命」「ヴァイオレット・ヒル」「ロスト!」は、「クロックス」「スピード・オブ・サウンド」といったこれまでのコンサート定番楽曲と上手く調和し、会場は何度となく大合唱の渦を巻き起こす。そこで生み出されるバンドと観客の一体感が、この大きな会場をこれ以上ないほどに親密な空間へと変えていく。

ミリタリー調ジャケットを羽織ったリード・ヴォーカルのクリス・マーティンはステージ上で溢れんばかりのエネルギーを放ち、所狭しと走り回っては観客を煽りその場を盛り上げる。時にはおどけ冗談を飛ばす彼は、その真面目そうな見かけとは裏腹にかなりのエンターテイナーぶりだ。会場のファンも、そういった彼のポジティヴなパフォーマンスに最大限の歓喜でレスポンスする。

彼らを一躍有名にしたメローでメランコリーな楽曲陣からは、一見想像もつかないような快活さと力強さを披露するコールドプレイのライヴ。今晩の彼らはまさに今世界で最も売れているバンドとなった者しか見せつけることのできない秀逸で格別な、そして、何よりも最初から最後まで純粋に楽しめる素晴らしい一夜を与えてくれた。

text by Mariko Shimbori, London
提供:EMIミュージック・ジャパン

<コールドプレイ@O2 Arena 2008年12月15日>
The Blue Danube (Intro)
・天然色の人生 Life In Technicolor
・ヴァイオレット・ヒル Violet Hill
・クロックス Clocks
・イン・マイ・プレイス In My Place
・スピード・オブ・サウンド Speed Of Sound
・イエロー Yellow
・Chinese Sleep Chant
・42
・フィックス・ユー Fix You
・ストロベリー・スウィング Strawberry Swing
・ゴッド・プット・ア・スマイル・アポン・ユア・フェイス God Put A Smile Upon Your Face
・トーク Talk
・ザ・ハーデスト・パートThe Hardest Part
・彼方からの便りPostcards From Far Away
・美しき生命 Viva La Vida
・ロスト! Lost!
・グリーン・アイズ Green Eyes
・Death Will Never Conquer
・Viva La Vida (Remix / Interlude)
アンコール
・ポリティック Politik
・ラヴァーズ・イン・ジャパン Lovers In Japan
・生命の幻影 Death And All His Friends
アンコール2
・サイエンティスト The Scientist
・バック・フォー・グッド Back For Good (テイク・ザットのカヴァー)
・天生色の人生2 Life In Technicolor II
The Escapist (Outro)
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