これは使える! 鍵盤らしくない鍵盤KORG「nano KEY」

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間隔が狭い、押し込む深さも浅い、そもそも鍵盤数が足りない! と、一時期ほど陽の当たらないミニ鍵盤だが、プロ/アマ問わず自宅スタジオでレコーディングが出来る時代、鍵盤弾きでなくても、打ち込む時に鍵盤があれば超便利! ってことで、音階を出すためのデバイスとして、机の上にチョコンと置けるミニ鍵盤はとても重宝する。

そんな時代背景もあってか、micro KORGが大ヒット。出音の良さ、価格の安さもあり、ここ数年でもっとも売れた鍵盤と言っても過言ではないのでは? 
ミニ鍵盤需要を視野に次にKORGが投じるのは、ミニ鍵盤でもない、鍵盤っぽくない鍵盤「nano KEY」だ。

一見するとオモチャだが、小さい! 軽い! 薄い! 日本の住宅事情により、大は小をかねない時も多々。主にノートPCでの使用を想定するnano KEY、持ち運びも簡単にできなければならない。

MacBookのホワイトモデルと並べれば驚きの一体感。浅く垂直に落ちる打鍵感はカチカチと心地よい軽さで、PCのキーボードに近い印象を受ける。左に配置されたボタンで、オクターブが切り替えられるのが便利。何よりも一番の驚きは、このサイズなのにベロシティー(鍵盤を押す強さによる音の強弱)に対応してることだ。

接続はUSBケーブルで、電力もUSB経由で供給。USBハブを介すると電力不足になりがちなので、残りポートが少ない人は注意。通常はWin/Macに繋ぐだけで使用可能になるが、nano KEYを設定するソフト「KORG KONTROL Editor」があると、さらなる便利ツールと化すため、ダウンロードをオススメする。

さっそく、これで打ち込んでみた。最近のDAW(Digital Audio Workstation)はPCキーボードを鍵盤に見立てて入力/演奏するモードも用意されているが、nano KEYの方が直感的に操作できる。ピアノなどの両手で弾く楽器でない限り、2オクターブあれば、大抵の楽器が打ち込める。なかでもドラムの入力がオススメだ。ドラム向けに発売された「nano PAD」もあるが、GM(General MIDI)配列が基本となっている昨今のドラム音源ならば、2オクターブで主要な音を網羅できる。

自分用にカスタマイズしたいときは、先述の「KORG KONTROL Editor」で設定。トランスポーズ機能や、打鍵が強い/弱い人向けにベロシティカーブも変更可能。ピッチベンドがボタンなのでONかOFF(0か127)しか出力しないんじゃない? “ニュイーン”ってできないんじゃない? と思ったが、上昇/下降スピードを設定する機能が「KORG KONTROL Editor」に備わっているから大丈夫。

さすがKORG。鍵盤としての基本的な機能は、どんなに小型化しても外せないという心意気が感じられる。

ソフト音源の「M1Le」がバンドルされているのもうれしい。M1と言えばピアノとオルガンの音色が有名だが、この辺のオイシイ音は網羅されていて、往年のあの名曲を彩った音色を手に入れられる。

特別価格¥9,975(tax in)で上位版「KORG Legacy Collection-DIGITAL EDITION」にアップグレード可。3,000音色を超える、ソフト版「M1」にアップグレードできるばかりか、複雑な波形を合成できる、ソフト版「WAVESTATION」まで付いてくる。

nano KEYの用途を絞った潔さが、逆に制作の場を拡張してくれるような気分に。デスクトップ+デッカイ鍵盤の前にドンと構えるのではなく、ノートPCと共にコタツの上、温泉旅館、車や電車で遠出しちゃったりして、誰もが一度は夢見る音楽制作スタイルを実現してくれる。
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