東風TONFU、多摩川沿いで琴withオーボエ&フルート・ライヴ

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2009年3月8日(日)、東急多摩川駅から近い「cafe despacio」において、東風TONFUのライヴが行なわれた。

ライヴでは、カフェのご好意により「和洋スペシャルディナープレート」が提供された。食事をしながら、お酒を飲みながらというライヴは、とてもリラックスしたもの。春近い多摩川に優しい風が吹いたような時間だ。

ライヴは2部構成。1部では東風のオリジナルを中心に6曲。ギターの高井城治のサポートが入り、POPな曲からスタートと思いきや、聞いている途中でちょっと陰を感じるような、まるで人生を思わせる曲「梅ノ花」だ。東風のライヴは2回目だが、琴という楽器をこんなに身近に感じられることを不思議に思う。どうしてもハードルが高いものだと感じてしまう和楽器なのだが、演奏しているのをみると、鍵盤楽器を扱っているように感じるのだ。今日は3面用意されている。いったいどんなライヴになるのか楽しみ。そして、琴は音がとても奥深いのも魅力のひとつ。表面的なメロディだけでなく、じわり染みいる部分が大きい。

3曲目では、ゲストのフルート奏者、近藤孝憲氏がピッコロで参加。寒い季節に春を思いながら作ったという「Spring Tripper」。ピッコロの存在が、ちょっとコミカルに感じて、つい笑顔になってしまう。その後、JRのCM「そうだ、京都行こう」でおなじみの「My Favorite Things」などを演奏し1部が終わる。

琴は、調弦がとても大変。1部と2部の間に、東風の中しまりんはずっと調弦をしていた。曲ごとに調弦する必要がある楽器なので、3面の琴は大活躍だ。調弦しているところを勝手に近くで見せていただいた。色鉛筆のようなもので印を付けていく。とても地道な作業。でも、とても楽しそう。そして、今回は13弦の琴だけでなく低音を奏でることができる17弦の琴も登場。写真で後ろの左側に立っているものが17弦の琴です。大きさもかなり違いますね。

2部は、17弦の琴によるクラシック曲「G線上のアリア」からスタート。低音が幻想的な雰囲気を醸し出す。そして、通常、17弦の琴と13弦の琴2面で演奏するという琴の曲「ラデン」を、17弦の琴とフルート&オーボエで演奏。琴用の漢字の譜面をフルートやオーボエ用に起こすことからスタートしたということです。そう2部では、オーボエ奏者大植圭太郎も登場です。

琴とフルート、オーボエという和洋のコラボレーション。MCでは実験的な試みという言葉も。その実験の場にいられたことを本当に楽しいと感じた。なかなかこの組み合わせのライヴって見られないですもの。2部で演奏された「六段」という曲は、箏の代表的な曲だが、フルート、オーボエの合奏曲として譜面になっているという。その曲を3名で披露。このメンバーだからできることです。

そして、朝の連ドラの主題歌でもあった「風笛」をオーボエを中心に演奏。これで終わりと思いきや、最後に、もう一曲!ということで「涙そうそう」を。2部に渡るライヴは静かに終わった。

琴とフルートそして、オーボエという和洋のコラボを存分に楽しめるライヴだった。歌のない音楽は、想像力を無制限にする。言葉にしばられることなく、曲から受けるイメージで自由に旅ができる、そんな素敵な旅をしたような時間だった。

<東風TONFU>
2009年3月8日@cafe despacio
1st STAGE
1.梅ノ花
2.永遠なるもの
3.Spring Tripper
4.My Favorite Things
5.Point of Blue
6.風ぐるま
2nd STAGE
1.G線上のアリア
2.ラデン
3.春の海
4.六段
5.風笛
6.涙そうそう
Guest:近藤孝憲(フルート)、大植圭太郎 (オーボエ)
Support:高井城治(ギター)
◆東風TONFUオフィシャルサイト

[寄稿] 伊藤 緑:http://www.midoriito.jp/
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