ナイトメア：鍛錬と挑戦の結晶が詰め込まれた勇往作『majestical parade』特集

――しばらく見ないうちにみなさんのルックスが大変化！　YOMI君に続き、バンド内はいま、ダイエット・ブーム？

Ni～ya(B)：俺は体重、あんま変わんないッスけど。

RUKA(Dｒ)：ダイエットの反動で、いま俺はリバウンド・ブームですけどね（笑）。

YOMI(Vo)：ダイエットは、もう止めたいです！（キッパリ）。いつでも止めたいっスよ、俺は。でもね、これも仕事なんで。

――仕事とはいえ、痩せるといいこともいっぱいあったりして!?

YOMI：モテる……かなぁ～。（一同大爆笑）。体調が良くなったとかは特に感じないんだけど。ちょっとモテるぐらい!?

――いま絶賛モテ期に突入したぐらいの。

YOMI：うん、ちょっとモテ期！（笑）

RUKA：いいなぁ～、ゾジーさんは（微笑）。

――髪型のほうでは柩君が金髪×黒髪の2トーン・ヘアにモデル・チェンジしていて。

柩(G)：これ、お揃いなんスよっ！（と、RUKAを指差す）。

――あらホントっ!!　2トーン・ペア？

RUKA：あっち（柩）がマネしたんだよ～。

柩：マネした訳じゃないっ！（笑）　金髪にしたいなと思ってたら、こうなった。俺はツアーもたぶん、いまのところこれで行く予定。

――Ni～ya君はずっと黒髪、続けてるんだね。

Ni～ya：これも飽きたら変えますよ。

――あと変わったところというと、今回はアルバム発売前に「MELODY」を配信限定でリリースした。これもバンドとして新しい試みだったんじゃないですか？

柩：元々シングル曲候補として出した曲だったんだよね？

RUKA：自分はシングルかなと思って書いた曲だったんだけど。シングルの曲出し会があった頃、アルバムも並行して作ってて。どれがシングルになるかも決まらないまま、いつの間にかこれが配信になってた（笑）。

――その配信曲も収録したニュー・アルバム『majestical parade』がいよいよ発売になる訳だけど。今回はどんな作品に仕上がったと思っていますか？

柩：大人っぽくなった。質感が。曲調が大人っぽいとかシブいとかじゃなくて。もちろんギターの掛け合いもあったりするんですけど、なんていうんだろう……安定感がみんなの音に出てきたのかなって気がする。

――前みたいにいろいろ技巧を使ったり音をたくさん重ねなくても、シンプルなサウンドでナイトメアに。

柩：そうなれてきてるんじゃないですかね。でもライヴをやってくと、この曲たちもいろいろ変わっていくと思いますけど。

咲人(G)：俺はけっこう、サウンドに関してはストレートだなという感覚があって。それも自然な流れ。いつも通り、特にこうしようとか決めてなかったし。

Ni～ya：アルバムは、ストレートでバラエティに富んだ作品になったと思う。俺的には今回、原点回帰のアルバムで。プレイヤーという部分ではね。前作とか前々作とかは、いろんなことにトライしてたんですけど、今回はいったん落ち着こうかなと。いままでのベーシストのスタイルとは変えたいと思ったんですね。だから、プレイはシンプルに。自分がバンドを始めた頃の感覚でベースは弾いてますね。だから、難しい事はあんまやってないっス。

――本作はそんなNi～ya君が書いた楽曲（「Nothing you lose」）も初収録されましたけど。今回はなんで曲を作ろうと？

Ni～ya：いや、コイツ（YOMI）が"書け！"って。"作って"っていうから。

YOMI：あんま覚えてないんスけどね（笑）。

Ni～ya：ま、そういうヤツなんで（あっさり）。最初は自分で"こういう曲を作ろう"と思って取り掛かったんですけど、だんだんと着地点が見えなくなっちゃってボツって。なんかねぇかな～って思いながらギター弾いてたら、なんとなくこの曲のサビメロとかフレーズが出てきたんスよ。

――メンバーのみなさんは、初めてNi～ya君の曲を聴いてたとき、どう思いました？

柩：シンプルだなって思った。

RUKA：俺は意外だった。"Ni～yaがミディアム・テンポ!?"っていうのが。でも、いろいろ話を聞いて、Ni～yaの好きなハードロックを聴いたりすると、こういう曲がくるのも不思議じゃないよねって思ったかな。

咲人：いろいろ取材受けてると"Ni～ya君はロックで男臭くて～"っていうイメージがあるらしいんスけど。周りの人にはね。でも、俺はこういう曲調こそNi～yaっぽいなって思いますね。

――曲をリクエストしたYOMI君は、実際Ni～ya君の曲を歌ってみてどうでした？

YOMI：熱い感じがしましたね。Ni～yaって熱いイメージがあるじゃないすか？　だから、メロ自体、すでに熱いんスよ（微笑）。歌ってても、RUKAさんや咲人が書いたものとは違うんで、新鮮でしたね。

――ナイトメアはRUKA君、咲人君という2人のメイン・ソングライターがいる訳だけど、今後もこうして他のメンバーにどんどん曲を書いて欲しいと？

咲人：思いますね。やっぱ、5人でバンドだと思うし。それぞれの色が曲に出てたほうが聴いてても面白いと思うし、自分的にもアレンジ作ってて面白いから。

――歌い手としては今回のアルバム、どうでした？

YOMI：一番大変だったのは「シンプライフ」。あまり作り込んでない声で歌うというのが難しかったですね。激しい曲だったり、「MELODY」「MASQUERADE」みたいな曲はだいたいイメージが掴めるんで、自分なりに分かってからレコーディングに入れるんですけど、「シンプライフ」はどう歌えばいいのか……悩みましたね。自分の作らない声って、どういうんだろって。（河村）隆一さんに以前「僕は中性的な声がコンプレックスだから、YOMI君みたいな声は逆にうらやましいよ」っていわれたんですけど。それをいわれたときは、俺が一番"歌い手"として力を出せるのは激しい曲なのかなって思ったんですね。

――うん、もちろんそれもYOMI君の魅力ですけど、「Lost in Blue」とか「MELODY」、「MASQUERADE」をアルバムで聴いて改めて思ったのは、こういう昔の歌謡曲的エッセンスの入ったメロディを歌っても、絶対歌謡曲チックにはならない。それもYOMI君の歌い手としての魅力だと思いましたよ。

YOMI：そこは自分自身も最近気づいたところで。こういうのが歌謡曲っぽくならずに歌えるのも俺の魅力なんだって、分かった上で歌ってるんですけど。「シンプライフ」は、俺的にはまだ……（苦笑）。

――でも、新しい扉を開いた歌、というという気がしましたけどね。

YOMI：そうですか……。ヴォーカリストというところでの俺の理想は、アルバムに今回は12曲入ってますけど。「この歌、YOMIっぽくなくない？」って思うぐらいの歌があちこちに入ってる。そこまでなりたいと思ってます（キッパリ）。

――すごいはっきり見えてるんだね。なりたい自分が。では、このアルバムのタイトルはどんなところから？

RUKA：最初に"majestic"と"parade"を思いついて。Majesticは高そうでいいな～と思って（笑）、paradeは行列だし、その2つをくっつけてみた。

――その2つの単語と、今回のアルバムにはどんな関係が？

RUKA：なんか、行列作りたいな～と思って。

――このアルバムもマーチな曲から始まることだしね。来年（2010年）の10周年に向けて、これから始まるツアーでも、あちこちのライヴ会場で入り切らないファンの人たちの行列ができるぐらい盛り上がればいいですよね。ところで、メンバー自身は来年の10周年って、すでに意識してるの？

柩：来年が10年目とか考えてレコーディングはしてなかったかな。

RUKA：10周年は"うわ～"ってなって黙っててもあっという間に過ぎちゃうと思うんだ。だから、今年のほうが考える時間もあるし。いろいろできるんじゃないですかね。なので、そういう意味では今年のほうが貴重かも。

YOMI：俺も今年のほうが大事なんじゃないかなという考えで。だから、俺自身は今回のレコーディングのほうも10周年に向けて、しっかりとしたものを作らなきゃいけないなって感じでやりましたよ。

――そして、来年10周年を迎える頃には、本作の「ジャイアニズム究」に歌い込んだ"究極の姿"になっていたいと。

YOMI：そうスね。バンドとしても、個人としても、そろそろ行く先（なりたい自分像）がしっかり見えてきてると思うので、10年目には、より、そこに近づいていたいなと思います！

取材・文●東條祥恵

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