“ちゃんと遊ぶ”大人のバンド、ロズかま

ポスト
ロズかま。彼らを初めて見たのは、2008年夏、六本木morph。それぞれに活躍場所を持つ4人の“音楽な男”たちが急遽バンドを組んだ。20代2人と40代2人という、会社でいえば、上司と部下のような関係。でも音楽を通して彼らはとても素敵な表現者の集団だ。

それぞれ音楽現場で活動の場所を持ち、ロズかまという言葉でバンドとして結集する。そんなロズかまの40代メンバーのローズ高野と村田努にこのバンドについて話を聞いた。

結成の理由を、ローズは「2008年のライヴイベントで、突然空いた枠を埋めるため、自らが演奏することになった。そこで、最初に村田に電話した」という。村田は即OKした。そして、ヴォーカルに、BigBirdの構康憲を迎え、ギターには大久保友裕を迎える。こうしてロズかまは結成された。当初は、もっと長いバンド名だったのだが、今はロズかま。そして、新しいバンド名募集中という話も。

しかし、六本木のライブ本番中に、ローズの口から「このバンドは、今回限りで解散」という言葉がでた。このことについて、村田は正直驚いたという。しかし、好評を得たロズかまは、解散することなく次のステージに進んでいく。

話を聞くなかで、キーワードとして出てきた言葉は、“ちゃんと遊ぶ”という言葉。そう、彼らは、音楽制作者としてキャリアを持った男たち。中途半場な気持ちでバンドを続けることはない。バンドを始めたことにしっかり責任を持ちたいと思っている。だからこそ、ちゃんと音楽と向かい合うことで、音を作っていく。

これまで、自分がメインで前に立つことがなかったのに、なぜ今、バンドを結成し、それを継続しようと思っているかについて、ローズは「昔、スタッフという名前のバンドがあり、それは様々なバンドの裏方を仕切るスタッフたちが仕事の合間にバンドをやるというもの。そういうニューヨークカルチャーがあり、それに憧れていた。いつもはメインに立たない人間が、自由に自分たちを表現する。その精神を受け継ぎ、繋げていきたい」と語った。

そして、バンド活動を始めたことによって、村田は「いい意味で、仕事に影響があるかもしれない。バンドをプロデュースするときに、そのバンドとの距離が短くなってきた」という。

今後の、活動については、村田は「敢えて日本の音楽をやっていきたい」と。J-POPに関わってきた自分の得意分野を貫くということだろうか。

ローズも「若い頃は洋楽に憧れる時期があるけれど、40代になって今は日本の音楽を表現したい。そしてそれを村田からも感じている」と語る。

20代と40代という年齢のバランス。そして、それぞれが経験してきた音楽のバランス、そして、求めているもの。それらがちょうどよく繋がってロズかまは走り出した。8月29日には初のワンマンライヴを行なう。チケットは即日ソールドアウト。

音楽を“ちゃんと遊ぶ”。彼らから音楽の楽しさを目一杯に感じたい。

<ロズかま 60人限定ワンマンライブ>
8月29日(土) OPEN:18:30 / START:19:00~
@恵比寿・天窓switch
ロズかま(ローズ高野、村田努、構康憲(from BigBird)、大久保友裕)
ゲスト:藤原翔(from BigBird)、kaoru、ダイスケ、山崎guinn浩、高野梛
◆ロズかま・マイスペース

[寄稿] 伊藤 緑:http://www.midoriito.jp/
この記事をポスト

この記事の関連情報